3千万ベリーの恋
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「んー海はあるけどこんな綺麗じゃないし、海賊も居ると思うけど会ったことない」
「会ったことがない?居るのにか?」
「たまに遠くの海で出た、みたいなことニュースになるけどその程度だよ」
夜の宴が始まってすぐ、私はシャンクスに呼ばれた。
周りにはベンさんやヤソップさん、ルウさんというメンバーだ。
幹部、と呼ばれてるらしい。
そういえばゾロと戦ったミホークさんがそんなことを言ってたような気もする。
で、私の世界はどんなだ、と聞かれて冒頭に至る。
「そもそも私の家の近くに海ないしなー。川はあるけど」
「アコは戦えるのか?」
聞いてきたのはヤソップさんだ。
何故そう思ったのかは知らないけど、
「戦えませんよ。そもそも戦闘自体がほとんどないですし」
「へえ、そいつはすげえな」
「え、何がですか?」
「だって、なあお頭?」
ニヤニヤと笑みを浮かべるヤソップさんに、笑いを堪えているかのようなシャンクス。
「だよなあ、ヤソップ」
「・・・・・・・なんですか」
「初めての戦闘の時に眠ってたんだもんなーアコ?」
どかん、ヤソップさんの発言。
言われるかなとは思ったけど!
「ぐ・・・!」
「そりゃもう可愛い寝顔だったぞ」
「いいなあお頭」
「って寝顔なんていつ見たの!?」
私知らないけど!
シャンクスはそりゃあもう嬉しそうににこにことして、
「戦闘の後様子を見に行ったんだ。気持ち良さそうに寝てたよなー」
「ね・・・・・・眠かったから、デス。だからごめんなさいってば!」
「謝ることじゃない、ただアコの寝顔は可愛いという話を」
「やめてえええええ!!!!」
恥ずかしすぎる!
顔に熱が集まるのを感じる。
何このイジメ。
「だっはっは!こんなんで照れるなんてアコもまだまだだな!」
言いながらシャンクスは私の頭を撫でる。
私は恥ずかしさで顔があげあられない。
「・・・・っ」
「あまりアコをいじめてやるな、お頭、ヤソップ」
そんな私に助け舟を出してくれたのはベンさんだった。
「可哀想になあアコ、肉食うか?」
両手に持っている肉を片方差し出してそう言ってくれたのはルウさん。
「有難う御座いますルウさん・・・肉はいりません」
「肉うまいぞー?で、アコが好きなのはルフィなんだって?」
「え、まあ男キャラの中ではそうですが」
「でも俺のことカッコイイと思ってるんだよなー?アコは」
「えっと」
私が何か言う前に、
「言わせてんだろ?お頭」
「ちげーよヤソップ!アコが言ったんだ」
「脅されたのか、アコ」
「え、いや」
「おいルウ、さり気にアコに近づくな」
「あのちょっと」
「カッコイイって言ったもんな、アコ?」
「ですから」
「ほんとのこと言っていいんだぜアコ?」
「あのほんと」
「お頭にセクハラされたら言えよー?」
「馬鹿お前、そんなことしねェよ」
ぷちん、と何かが切れた音がした。
「人 の 話 を 聞 けお前らー!!!」
久し振りに腹の奥から出した大きな声に、
シャンクスやヤソップは勿論、ベンさんも目を丸くして驚いて、
ルウさんは肉を片手にまさに食べようと口に運んだとこでぴたりと止まった。
周りを見ると、関係ない人たちも動きを止め、驚いてこっちを見ていた。
しん、と静まり返る空間。
そして次の瞬間には、
「わーっはっはっはっは!」
「っははっは!お頭怒られてやんのー!」
たくさんの楽しげな笑い声に包まれた。
ふと見るとシャンクスも頭の後ろに手をやりながら笑っていた。
「いやーすまんすまん、アコが可愛くてついな、いや、悪かった」
・・・・真面目な顔でそう謝るものだから、私のほうが罪悪感だ。
「ごめんなアコ」
「お頭も反省してるみてえだし、許してやってくれ」
ルウさんやヤソップさんまで謝ってくれた。
お世話になってる身で怒鳴るなんて、礼儀知らずもいいとこだ、私。
なのにそんな私を怒りもせず非を認め謝ってくれた。
「私も・・・いきなり大きな声出してすみませんでした」
私も謝罪すると、皆優しく笑ってくれた。
あたたかい船だと、思った。
+イッツ雑談タイム! 終+