3千万ベリーの恋
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「アコさーん!これ続きでっす」
「お、有難う!これでアラバスタは終わりだね」
「そーっす!また持ってきますね!じゃお疲れ様でーす」
「はーいお疲れ様でーす」
最近仲良くなったバイトのヒロちゃん。
『ONE PICEC』を知らないと言ったら、
ものすごい勢いでおススメされた。
全巻持ってるので貸してくれると。
仕事の合間を見て読み始めた漫画だけど、
なるほど確かに面白い。
無事に閉店作業も終わり着替えも済ませ、
私は家へと急いだ。
どんなに続きが気になっても電車の中では読まないと決めているから。
前に電車の中で読んだら本に夢中になって知らない地名のとこまで行ってしまった、ということがあったからだ。
「ただいま、っと」
誰も居ない家へ帰宅。
鞄を置いて部屋着に着替えてソファーに座ると、私はBGM代わりにテレビをつけて本を開いた。
「ん、」
は、と目が覚める。
読み終わった後そのまま寝てしまったようだ。
「あー・・・・」
明日も仕事だし朝早いしちゃんと寝なきゃ。
あ、テレビつけっぱじゃね?
そう思ってテレビを消そうと立ち上がり、私は固まった。
・・・・・テレビがない。
いや、むしろ、
ここ 私 の 部 屋 じ ゃ な い 。
あれ、ていうか私の手に手錠らしきものがかかってるんですけど。
どうりで重たいと思った。
「目が覚めたのね。貴女大丈夫?」
可愛い女の子に声をかけられた。
見渡すとそこはそんなに広くはない部屋で。
女の子が1人、体躯のいい男の人が3人、いる。
いずれも手首は手錠に繋がれていて。
え、何ここ留置場か何かですか。
私が何も言わないことをどう思ったのか、
女の子は更に続けた。
「もうすぐ連れて行かれるわ。・・・お互い、いい人に買われるといいわね」
「・・・・・はい?」
買われる?どういうこと?
それだけ言うと女の子は俯いて泣き出してしまった。
数分後、
やって来たのはスーツを着たちょびヒゲの男。
見るからに悪そうな顔してるよ、何この人。
「おら、さっさと来い!」
無理やり歩かされて、私達が連れて行かれた場所は。
「何、これ」
目の前にはたくさんの人。
手錠に繋がれた私達。
買われる、の言葉。
そして始まるショータイム。
先ほどの女の子が先に紹介された。
そして、ちょびヒゲ男の台詞。
「さあ、五千ベリーだ!」
ベリー?ベリーって何?
・・・聞いたことある、いや、正確には見たことある、だ。
「決定!一万ベリー!」
一万、それがあの子の値段ということなのか。
間違いない。私は今きっと売られてるのだ。
何で?私今まで家にいたよね?
誘拐?
そもそもまだこんな人身売買なんてあるの?
そして次は、私の番。
「次はこの娘!まだ調教がすんでいない為格安でのスタートです!」
ってちょっと待てェ!
人を格安で売るな!
そりゃ確かにそんな価値あるとも思わないけど!
「なんと五十ベリーから!」
おいいい!それはあまりにも安すぎやしないか!
たぶん五十円からってことだよね!?
どうしよう。
パニックになっている間にも安めの金額が飛び交っている。
どうしようどうしようどうしよう。
ふと、会場の扉から人が入ってくるのが見えた。
目に付いたのは見覚えのある赤い髪の男。
赤い髪、片目に傷。隻腕の男。
信じられないけど、そうなのか。
だとしたら何でこんなことになったんだろう。
どうか夢であってくれ、と。
心から願った。
+何でこんなことに 終+
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