Elysionのパロ夢小説
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Yield(生存ルート)
(夢主 視点)
結果……収穫……それは果実を産む。
最も遅い収穫……それは甘い果実を産む。
一人私はせっせと種を蒔く。
変わらぬ過去に。
訪れぬ未来に。
空の植木鉢を持って自室のベランダに出た。
片隅にそれをゴトンと置く。
用意しておいた土を詰めた。
真ん中の辺りに人差し指で浅く穴を空けそこに種を蒔く。
種には願いをかけておいた。
恋が叶いますように、って。
何の種だったかな?
忘れちゃった。
確か……果実の成る木の種だった気がする。
どうでもいいや。
穴を適当に埋めて如雨露で水をかける。
ちゃんと発芽するのかしら?
私の恋は叶うかしら?
もしかしたらもう、この種は死んでいるのかも。
もしかしたらもう……この恋は叶わないのかも。
不毛な行為と彼は笑うだろうか?
それなら彼は幸せなんだろうね……。
植木に種を蒔いた次の日、雪が降った。
植木鉢に雪が積もる。
根雪の下で春を待つの。
夏が過ぎれば実りの秋ね……。
私は恋をしました。
恋をしてはいけない男性 に恋をしました。
名前は『藤原一裕』。
私の『お父さん』です。
好きになったのはいつだっただろ?
確か、私がまだ小さかった頃。
その日、友達との待ち合わせに遅れそうになっていた私は焦っていた。
支度を終えて勢いよく廊下へと飛び出すと、廊下を歩いていたお父さんとぶつかってしまった。
バランスを崩して倒れそうになると、お父さんは反射的に私を抱きとめてくれた。
私の小さな体がその逞しい腕の中に納まる。
それはほんの数秒の出来事だった。
でも、その時の私には長い時間に感じられた。
「危ないやんか」
「ご……ごめん」
頭が優しく撫でられる。
「気ぃつけぇよ」
私に微笑みかけるお父さんの笑顔が。
大きくなった今でも忘れられない。
学生の頃、同い年くらいの男の子と何人か付き合った事あるけど、お父さんのような人はいなかった。
背が高くて。
腕とか足とかには適度の筋肉が付いていて逞しくて。
顔も美人で、年齢を感じさせない。
自慢のお父さんだった。
普通の父親ならば夜になったら帰って来るし、休日は家に居るんだと思う。
でも彼は仕事上、決まって同じ時間に帰って来るとは限らないし、休日に絶対家に居る訳ではない。
だからだろうか。
私はお父さんのことを、父親だと言う認識が少し薄いかった。
だから……好きになってしまったのだろうか?
よくわからない。
父親じゃなかったら良いのに、ってたまに思う。
でもきっとお父さんが父親じゃなかったら、私達は出会えてなかったとも思う。
ある日の事だった。
洗面所のごみ箱に歯ブラシが捨てられていた。
お父さんの使い終えた歯ブラシだった。
ほんの出来心。
冗談のつもりでそれを使ってDNA鑑定をかけてみた。
送られてきた結果を見て、言葉を失う。
私とお父さんは……親子じゃなかった。
去年の十二月頃──。
社会人になって独り暮らしを始めたが、年越しは毎年実家で迎える事にしていた。
母は同窓会が地元である為、実家に帰っている。
妹は友達の家で勉強会って言ってたけど……多分彼氏の家だな、あれは。
自ずと実家で彼と二人っきりになる。
もうお酒が呑める歳の私は、お父さんの晩酌に付き合っていた。
親子ならごく普通な事。
親子……なら。
お父さんはグラスに口を付けてお酒を呑む。
その仕草ですらドキッとした。
酔いたくてお酒を流し込む。
しかし、先に酔いつぶれたのはお父さんの方だった。
「大丈夫? ……お父さん」
肩を貸して引きずるように彼を寝室へと連れて行く。
ベッドへと彼を寝かすと、その勢いでバランスを崩してしまった。
お父さんの上に跨った状態になる。
真下に居るお父さんの目蓋は、まだ閉じ切ってはいなかった。
まだ意識があるんだろうな。
お酒の所為か頬が赤い。
私も頬が熱かった。
ドキドキと心臓の音がうるさい。
前のめりになり、お父さんの厚い唇にキスをする。
ゆっくりと唇を離すと間近で目が合った。
お父さんの口が小さく動く。
「──美沙」
囁かれたのは、お母さんの名前だった。
どうやら、勘違いしているみたい。
なら。
今宵だけ、お母さんに成り代わろう。
ずっと呼びたかった名前を呼んでみる。
「一裕……」
優しく微笑みかけて。
再びキスをした。
お父さんの衣服を徐々に脱がしていって。
その肌に唇を落としていく。
馬乗りになった状態でお父さんと交じり合った。
一夜限りの情事 でも構わない。
それをも女は、永遠に出来るから。
不毛な恋と君は笑うだろうか?
やっぱり君は幸せなんだろうね……。
独り暮らし部屋に帰って来るとベッドへと潜り込む。
そっと腹部に手を当てた。
今でもあの時の事を鮮明に思い出せる。
年を明けたがまだまだ寒い季節。
お腹を抱え込むように布団に包まった。
凍える夜は夢を見るの。
幸せな春の夢。
数か月経てば……暖かい季節になる。
夏が過ぎれば思いが実る……。
結果……収穫……それは果実を産む。
最も遅い収穫……それは甘い果実を産む。
果実のように愛らしい赤ちゃんを──。
お腹が大きくなる前に荷物を取りに実家に戻った。
自室でこっそりと荷物を纏める。
ふと、ベランダの植木鉢の事が気になった。
あの種は植えてから数か月後、無事に芽が出たのだ。
芽から小さな木ぐらいまで育った為、庭に植え替えた。
庭まで降りてみると、木は想像以上に大きなっていた。
もしかしたら今年中に実をつけるかもしれない。
もし……もしもこの木に実が生ったら、お父さんに気持ちを伝えよう。
お父さんとお母さんはなんやかんや言って、仲が良い。
両親の仲が良好なのは良い事かもしれない。
でもそれは、普通の家庭の話。
お父さんは私の本当の父親じゃない。
お父さんは私の……好きな人。
だから、お父さんとお母さんが仲良くしている所を見るのは面白くない。
私とお父さんとお母さん……3……不安定な数字。
私かお父さんかお母さんが居なくなる……3-1……模範的な数式。
問題となるのは個の性質じゃない。
記号としての数量。
世界が安定を求めるのなら、早く誰かを引かなくちゃ……。
私の恋は、胸を張って公表できるモノではないだろう。
知られれば、罵られるかもしれない。
嫌悪されるかも。
『汚らわしい』
『気色が悪い』
そんな風に言われたら、何も言い返せないかも。
それでも私は、お父さんが好き。
好き……。
好きよ……。
大好き……。
何故人は恋をする。
相応しい季節 に出会えないの?
嗚呼……お父さん ……お母さん 。
「──それでも私は幸せになりたいのです……」
庭の木に実が生ったとお母さんから連絡があった。
お腹は大分大きくなってしまったが、体のラインが出にくい服を着て誤魔化す。
何か聞かれたら、太ったとでも言っておこう。
一刻も早く実が生った事を確認したい。
実家に帰るや否や庭に出る。
庭の木は、以前見た時よりも少し高く太くなっていた。
「ミサ」
名前呼ばれて、声の方へと振り向く。
「結構大きなったやろ? その木」
そこにはお父さんが立っていた。
「そうだね」
微笑んでみせる。
また木の方に顔を向け直した。
木には赤い果実が三個ほど生っている。
無事に実ったんだ……良かった。
「……お父さん……あの実、採ってほしいな」
少し高い位置にある熟れてそうな実を指差しながら、お父さんの方へ振り向く。
「ええよ」
お父さんは私の傍らを通り抜けて木の目の前に立った。
背伸びをして手を伸ばすその背中すらも、愛おしいと思う。
やっと伝えたられる。
私の気持ち──。
「お父さん……聞いてほしい事があるの」
今こそ、この気持ちを伝えたい。
「私ね、お父さんが好き」
ねぇお願い。
振り向いて。
「家族としてじゃなくて……異性として好きなの」
私に振り向いて。
「愛してます」
私を見て。
お父さんは、驚いた顔をこちらに向けた。
「…………ミサ……お前、何言うてんねん」
あ、伝わらなかった。
と、私は察した。
それは拒否とも同意儀で。
受け入れてもらえないなんて、心のどっかでわかってた。
分かってた……けど。
「そっか」
振り絞った声は震えていた。
俯くと、庭に置き忘れられた鎌が目に入る。
無意識にそれを掴み上げた。
お父さんの項 を凝視する。
鎌を掴んでいる手を振り上げた。
恋心、甘い果実、真っ赤な果実。
もぎ獲れないのなら刈り取れば良いと……。
嗚呼……でもそれは首じゃないか……。
我に返り震え上がる。
私は……なんて事をしようとしてたの……?
手をそっと真下に下げると、鎌を地面に覆い茂る芝生の上に捨てた。
「さようなら」
それだけ口にして庭を後にする。
二人の女、一人の男。
一番不幸なのは誰?
視界の端で、お父さんが振り返ったように見えた気がしたが、もうどうだって良い。
なんかの調子に木に実っていた三個の実の内の一個が、地面へと落ちた。
落ちた果実……転がる音。
迷うことなく家を出る。
もうこの家に帰る事は無いだろう。
余剰な数字……引かれる音。
お腹が蹴られる感覚がして、優しく腹部を撫でた。
私は、この子と生きて行く。
さようなら──藤原一裕 。
THE END
(夢主 視点)
結果……収穫……それは果実を産む。
最も遅い収穫……それは甘い果実を産む。
一人私はせっせと種を蒔く。
変わらぬ過去に。
訪れぬ未来に。
空の植木鉢を持って自室のベランダに出た。
片隅にそれをゴトンと置く。
用意しておいた土を詰めた。
真ん中の辺りに人差し指で浅く穴を空けそこに種を蒔く。
種には願いをかけておいた。
恋が叶いますように、って。
何の種だったかな?
忘れちゃった。
確か……果実の成る木の種だった気がする。
どうでもいいや。
穴を適当に埋めて如雨露で水をかける。
ちゃんと発芽するのかしら?
私の恋は叶うかしら?
もしかしたらもう、この種は死んでいるのかも。
もしかしたらもう……この恋は叶わないのかも。
不毛な行為と彼は笑うだろうか?
それなら彼は幸せなんだろうね……。
植木に種を蒔いた次の日、雪が降った。
植木鉢に雪が積もる。
根雪の下で春を待つの。
夏が過ぎれば実りの秋ね……。
私は恋をしました。
恋をしてはいけない
名前は『藤原一裕』。
私の『お父さん』です。
好きになったのはいつだっただろ?
確か、私がまだ小さかった頃。
その日、友達との待ち合わせに遅れそうになっていた私は焦っていた。
支度を終えて勢いよく廊下へと飛び出すと、廊下を歩いていたお父さんとぶつかってしまった。
バランスを崩して倒れそうになると、お父さんは反射的に私を抱きとめてくれた。
私の小さな体がその逞しい腕の中に納まる。
それはほんの数秒の出来事だった。
でも、その時の私には長い時間に感じられた。
「危ないやんか」
「ご……ごめん」
頭が優しく撫でられる。
「気ぃつけぇよ」
私に微笑みかけるお父さんの笑顔が。
大きくなった今でも忘れられない。
学生の頃、同い年くらいの男の子と何人か付き合った事あるけど、お父さんのような人はいなかった。
背が高くて。
腕とか足とかには適度の筋肉が付いていて逞しくて。
顔も美人で、年齢を感じさせない。
自慢のお父さんだった。
普通の父親ならば夜になったら帰って来るし、休日は家に居るんだと思う。
でも彼は仕事上、決まって同じ時間に帰って来るとは限らないし、休日に絶対家に居る訳ではない。
だからだろうか。
私はお父さんのことを、父親だと言う認識が少し薄いかった。
だから……好きになってしまったのだろうか?
よくわからない。
父親じゃなかったら良いのに、ってたまに思う。
でもきっとお父さんが父親じゃなかったら、私達は出会えてなかったとも思う。
ある日の事だった。
洗面所のごみ箱に歯ブラシが捨てられていた。
お父さんの使い終えた歯ブラシだった。
ほんの出来心。
冗談のつもりでそれを使ってDNA鑑定をかけてみた。
送られてきた結果を見て、言葉を失う。
私とお父さんは……親子じゃなかった。
去年の十二月頃──。
社会人になって独り暮らしを始めたが、年越しは毎年実家で迎える事にしていた。
母は同窓会が地元である為、実家に帰っている。
妹は友達の家で勉強会って言ってたけど……多分彼氏の家だな、あれは。
自ずと実家で彼と二人っきりになる。
もうお酒が呑める歳の私は、お父さんの晩酌に付き合っていた。
親子ならごく普通な事。
親子……なら。
お父さんはグラスに口を付けてお酒を呑む。
その仕草ですらドキッとした。
酔いたくてお酒を流し込む。
しかし、先に酔いつぶれたのはお父さんの方だった。
「大丈夫? ……お父さん」
肩を貸して引きずるように彼を寝室へと連れて行く。
ベッドへと彼を寝かすと、その勢いでバランスを崩してしまった。
お父さんの上に跨った状態になる。
真下に居るお父さんの目蓋は、まだ閉じ切ってはいなかった。
まだ意識があるんだろうな。
お酒の所為か頬が赤い。
私も頬が熱かった。
ドキドキと心臓の音がうるさい。
前のめりになり、お父さんの厚い唇にキスをする。
ゆっくりと唇を離すと間近で目が合った。
お父さんの口が小さく動く。
「──美沙」
囁かれたのは、お母さんの名前だった。
どうやら、勘違いしているみたい。
なら。
今宵だけ、お母さんに成り代わろう。
ずっと呼びたかった名前を呼んでみる。
「一裕……」
優しく微笑みかけて。
再びキスをした。
お父さんの衣服を徐々に脱がしていって。
その肌に唇を落としていく。
馬乗りになった状態でお父さんと交じり合った。
一夜限りの
それをも女は、永遠に出来るから。
不毛な恋と君は笑うだろうか?
やっぱり君は幸せなんだろうね……。
独り暮らし部屋に帰って来るとベッドへと潜り込む。
そっと腹部に手を当てた。
今でもあの時の事を鮮明に思い出せる。
年を明けたがまだまだ寒い季節。
お腹を抱え込むように布団に包まった。
凍える夜は夢を見るの。
幸せな春の夢。
数か月経てば……暖かい季節になる。
夏が過ぎれば思いが実る……。
結果……収穫……それは果実を産む。
最も遅い収穫……それは甘い果実を産む。
果実のように愛らしい赤ちゃんを──。
お腹が大きくなる前に荷物を取りに実家に戻った。
自室でこっそりと荷物を纏める。
ふと、ベランダの植木鉢の事が気になった。
あの種は植えてから数か月後、無事に芽が出たのだ。
芽から小さな木ぐらいまで育った為、庭に植え替えた。
庭まで降りてみると、木は想像以上に大きなっていた。
もしかしたら今年中に実をつけるかもしれない。
もし……もしもこの木に実が生ったら、お父さんに気持ちを伝えよう。
お父さんとお母さんはなんやかんや言って、仲が良い。
両親の仲が良好なのは良い事かもしれない。
でもそれは、普通の家庭の話。
お父さんは私の本当の父親じゃない。
お父さんは私の……好きな人。
だから、お父さんとお母さんが仲良くしている所を見るのは面白くない。
私とお父さんとお母さん……3……不安定な数字。
私かお父さんかお母さんが居なくなる……3-1……模範的な数式。
問題となるのは個の性質じゃない。
記号としての数量。
世界が安定を求めるのなら、早く誰かを引かなくちゃ……。
私の恋は、胸を張って公表できるモノではないだろう。
知られれば、罵られるかもしれない。
嫌悪されるかも。
『汚らわしい』
『気色が悪い』
そんな風に言われたら、何も言い返せないかも。
それでも私は、お父さんが好き。
好き……。
好きよ……。
大好き……。
何故人は恋をする。
相応しい
嗚呼……
「──それでも私は幸せになりたいのです……」
庭の木に実が生ったとお母さんから連絡があった。
お腹は大分大きくなってしまったが、体のラインが出にくい服を着て誤魔化す。
何か聞かれたら、太ったとでも言っておこう。
一刻も早く実が生った事を確認したい。
実家に帰るや否や庭に出る。
庭の木は、以前見た時よりも少し高く太くなっていた。
「ミサ」
名前呼ばれて、声の方へと振り向く。
「結構大きなったやろ? その木」
そこにはお父さんが立っていた。
「そうだね」
微笑んでみせる。
また木の方に顔を向け直した。
木には赤い果実が三個ほど生っている。
無事に実ったんだ……良かった。
「……お父さん……あの実、採ってほしいな」
少し高い位置にある熟れてそうな実を指差しながら、お父さんの方へ振り向く。
「ええよ」
お父さんは私の傍らを通り抜けて木の目の前に立った。
背伸びをして手を伸ばすその背中すらも、愛おしいと思う。
やっと伝えたられる。
私の気持ち──。
「お父さん……聞いてほしい事があるの」
今こそ、この気持ちを伝えたい。
「私ね、お父さんが好き」
ねぇお願い。
振り向いて。
「家族としてじゃなくて……異性として好きなの」
私に振り向いて。
「愛してます」
私を見て。
お父さんは、驚いた顔をこちらに向けた。
「…………ミサ……お前、何言うてんねん」
あ、伝わらなかった。
と、私は察した。
それは拒否とも同意儀で。
受け入れてもらえないなんて、心のどっかでわかってた。
分かってた……けど。
「そっか」
振り絞った声は震えていた。
俯くと、庭に置き忘れられた鎌が目に入る。
無意識にそれを掴み上げた。
お父さんの
鎌を掴んでいる手を振り上げた。
恋心、甘い果実、真っ赤な果実。
もぎ獲れないのなら刈り取れば良いと……。
嗚呼……でもそれは首じゃないか……。
我に返り震え上がる。
私は……なんて事をしようとしてたの……?
手をそっと真下に下げると、鎌を地面に覆い茂る芝生の上に捨てた。
「さようなら」
それだけ口にして庭を後にする。
二人の女、一人の男。
一番不幸なのは誰?
視界の端で、お父さんが振り返ったように見えた気がしたが、もうどうだって良い。
なんかの調子に木に実っていた三個の実の内の一個が、地面へと落ちた。
落ちた果実……転がる音。
迷うことなく家を出る。
もうこの家に帰る事は無いだろう。
余剰な数字……引かれる音。
お腹が蹴られる感覚がして、優しく腹部を撫でた。
私は、この子と生きて行く。
さようなら──
THE END