ライセンス藤原一裕の夢小説
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雨のち愛してる
(夢主 視点)
薄暗い曇り空を窓越しに見詰める。
空は今にも雨が降り出しそうな、重たそうな黒い雲を抱えていた。
「雨降りそう……」
「天気予報では雨降るって言うてたで」
一裕はそう言いながらコーヒーを一口飲む。
私は窓辺から立ち上がり、コーヒーを飲んで寛ぐ一裕の顔を見詰めた。
「……そんな見つめたら穴開いてまうで」
「穴開いちゃうの? それは……別にいいんじゃない? 穴のひとつやふたつ」
「……良かないやろ」
あまり困って無さそうな顔で悪戯そうに笑いながら、私は一裕に顔を近付ける。
「キスしたい」
「……ええけど」
「なら、こっち向いて」
「ん」
「目、つむって」
「……ん」
そっと目蓋を閉じる一裕の顔に唇を近づける。
頬にキスをすると一裕は目を一瞬開き、私はその隙に唇にキスをした。
嬉しそうに微笑んで見せると、一裕は頬を赤らめながら恥ずかしそうに顔を逸らした。
程なくして、窓の外から音をたてて雨が降ってくる。
「あ、ちょっとコンビニ行ってきて良いですか?」
「コンビニって……雨降ってきたで? 一緒に行ったろか?」
「……いいの? ありがとう」
私が傘を開くと、一裕が身を寄せて傘の中へと入り込んできた。
「……何してんの?」
「相合傘」
「狭い。離れて」
「傘差すのダルい」
まぁ、コンビニに誘ったの私だし、ちょっと我慢するか。
近くのコンビニに到着すると、入り口に用意されているカゴを持ち商品棚へと向かうと、適当にお菓子やケーキなどをカゴに入れていく。
「……そんなに買うん?」
「まぁね、ってあれ? チキンとかないのか」
サラダチキンをカゴに入れると、私はレジへと向かい、会計を済ませる。
私達はまた相合傘でマンションへと帰った。
*****
雨雲の垂れ込む夕方。
マンションの一室にほんのりと明かりが灯る。
「覚えてる? 今日は、私と一裕が出会って十周年なんだよ」
「え、もうそんな経つ?」
「うん」
私はテーブルにさっき買ったお菓子などを並べていった。
コンビニにホールケーキなんて売っていなかったから、お互い好きなケーキを買ってそれにロウソクを立てて火を点ける。
「電気消すよー」
部屋の照明を消すと、暗闇の中でロウソクの火がユラユラと揺らめいた。
呼吸を合わせ、二人でロウソクの火を吹き消す。
電気を点けると、私は小さな包みを取り出して、一裕に差し出した。
「十周年記念の記念品だよ」
「俺にくれんの?」
「うん。開けてみて」
一裕が包みをそっと開けると、中には黒い石のペンダントトップが付いたネックレスが二本入っている。
二本のうちの一本を手にを取ると、一裕の首元にそっとつけてあげた。
そしてもう一本を一裕に渡す。
「ねぇ一裕。そのネックレス、私につけて」
「なぁ……これ、なんかの儀式?」
「どっちかって言うと、ちょっとしたお遊びかな」
「……それは、俺との関係もお遊びっちゅうこと?」
「なんで……そんなこと聞くの?」
一裕の顔は、戸惑ったような表情で目を伏せていた。
「決してお遊びなんかじゃないよ。一裕が本気だと思ってくれるのなら、ね」
そっと顔を上げた一裕に、私は優しく微笑みかける。
一裕は私の首元にネックレスをかけてくれた。
「ありがと。ずっと愛してるよ、一裕」
「俺も……ありがとう、ミサ」
窓の外では。
私達を見守るように。
雨が降り続けていた。
THE END
(夢主 視点)
薄暗い曇り空を窓越しに見詰める。
空は今にも雨が降り出しそうな、重たそうな黒い雲を抱えていた。
「雨降りそう……」
「天気予報では雨降るって言うてたで」
一裕はそう言いながらコーヒーを一口飲む。
私は窓辺から立ち上がり、コーヒーを飲んで寛ぐ一裕の顔を見詰めた。
「……そんな見つめたら穴開いてまうで」
「穴開いちゃうの? それは……別にいいんじゃない? 穴のひとつやふたつ」
「……良かないやろ」
あまり困って無さそうな顔で悪戯そうに笑いながら、私は一裕に顔を近付ける。
「キスしたい」
「……ええけど」
「なら、こっち向いて」
「ん」
「目、つむって」
「……ん」
そっと目蓋を閉じる一裕の顔に唇を近づける。
頬にキスをすると一裕は目を一瞬開き、私はその隙に唇にキスをした。
嬉しそうに微笑んで見せると、一裕は頬を赤らめながら恥ずかしそうに顔を逸らした。
程なくして、窓の外から音をたてて雨が降ってくる。
「あ、ちょっとコンビニ行ってきて良いですか?」
「コンビニって……雨降ってきたで? 一緒に行ったろか?」
「……いいの? ありがとう」
私が傘を開くと、一裕が身を寄せて傘の中へと入り込んできた。
「……何してんの?」
「相合傘」
「狭い。離れて」
「傘差すのダルい」
まぁ、コンビニに誘ったの私だし、ちょっと我慢するか。
近くのコンビニに到着すると、入り口に用意されているカゴを持ち商品棚へと向かうと、適当にお菓子やケーキなどをカゴに入れていく。
「……そんなに買うん?」
「まぁね、ってあれ? チキンとかないのか」
サラダチキンをカゴに入れると、私はレジへと向かい、会計を済ませる。
私達はまた相合傘でマンションへと帰った。
*****
雨雲の垂れ込む夕方。
マンションの一室にほんのりと明かりが灯る。
「覚えてる? 今日は、私と一裕が出会って十周年なんだよ」
「え、もうそんな経つ?」
「うん」
私はテーブルにさっき買ったお菓子などを並べていった。
コンビニにホールケーキなんて売っていなかったから、お互い好きなケーキを買ってそれにロウソクを立てて火を点ける。
「電気消すよー」
部屋の照明を消すと、暗闇の中でロウソクの火がユラユラと揺らめいた。
呼吸を合わせ、二人でロウソクの火を吹き消す。
電気を点けると、私は小さな包みを取り出して、一裕に差し出した。
「十周年記念の記念品だよ」
「俺にくれんの?」
「うん。開けてみて」
一裕が包みをそっと開けると、中には黒い石のペンダントトップが付いたネックレスが二本入っている。
二本のうちの一本を手にを取ると、一裕の首元にそっとつけてあげた。
そしてもう一本を一裕に渡す。
「ねぇ一裕。そのネックレス、私につけて」
「なぁ……これ、なんかの儀式?」
「どっちかって言うと、ちょっとしたお遊びかな」
「……それは、俺との関係もお遊びっちゅうこと?」
「なんで……そんなこと聞くの?」
一裕の顔は、戸惑ったような表情で目を伏せていた。
「決してお遊びなんかじゃないよ。一裕が本気だと思ってくれるのなら、ね」
そっと顔を上げた一裕に、私は優しく微笑みかける。
一裕は私の首元にネックレスをかけてくれた。
「ありがと。ずっと愛してるよ、一裕」
「俺も……ありがとう、ミサ」
窓の外では。
私達を見守るように。
雨が降り続けていた。
THE END