ライセンス藤原一裕の夢小説
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ナイトメア
(夢主 視点)
悪い夢から目が覚めるとホッと安堵するけれど。
反対に良い夢から目が覚めるとガッカリする事ない?
どちらも「ああ、なんだ夢だったのか」と思うけど、そこに含まれる気持ちは全く違うんだよね。
私の場合、良い夢とは理想を反映した夢の事で、そこが質の悪い所。
理想的であればある程、目覚めた時の落ち込んでしまうから──。
ふと気が付くと私は、海辺に立って居た。
穏やかな波の音が耳に心地良い。
目の前が海の筈なのに、塩臭さや湿度を感じない。
「ああ、そっか。コレ夢なんだ」
私が明晰夢を見ていることを悟った時、
「ミサ」
聞き慣れた声が私の名前を呼んだ。
振り返ったその先に居たのは『藤原一裕』。
彼は少し緊張したような表情で私の目の前へとやって来ると、何かを取り出して私に差し出す。
それは指輪を入れる箱だった。
一裕は私に向かって箱を開けるが、中には何も入っていない。
「これから……この箱に入れる婚約指輪を、一緒に探しに行きませんか?」
「え……それって……」
「結婚しよか」
ドキッと胸が高鳴って、全身に沸き立ったような熱い血が巡った。
熱を帯びた頬を覆うように、口元に手を当てる。
思いもよらぬ言葉だった。
舞い踊りそうになる。
心が、幸せな気持ちで一杯になった。
嬉しい……筈なのに、どうして?
こんなに胸糞悪いのは。
パチッと目蓋を開くと、見慣れた自室の壁が目に入った。
天井じゃなくて壁なのは、私が横になって眠っていたから。
さっきまで見てたのは夢だったのか。
思わずガックリと落ち込んでしまう。
本当に……幸せな夢だったから。
ゴロッと寝がえりをうって仰向けになると、今度はちゃんと天井が瞳に映った。
夢の内容を思い出して、気付いた事がある。
あれは、一裕が奥さんにプロポーズした時のエピソードだ。
「ほんっと……最っ悪な夢」
目が、覚めなければ良かった。
夢の中がとても理想的な展開だった。
あわよくば夢の続きが見たかった。
一生夢の中に居たかったな……。
暫くすると眠気に襲われて、再び目蓋を閉じる。
夢は見たけど、あの夢の続きは見られなかった。
良い夢から目が覚めると、本当に酷く落ち込む。
私にとっては、良い夢を見る事は、悪い事。
良い夢こそが最悪の悪い夢──
悪夢 なのかもしれない。
THE END
(夢主 視点)
悪い夢から目が覚めるとホッと安堵するけれど。
反対に良い夢から目が覚めるとガッカリする事ない?
どちらも「ああ、なんだ夢だったのか」と思うけど、そこに含まれる気持ちは全く違うんだよね。
私の場合、良い夢とは理想を反映した夢の事で、そこが質の悪い所。
理想的であればある程、目覚めた時の落ち込んでしまうから──。
ふと気が付くと私は、海辺に立って居た。
穏やかな波の音が耳に心地良い。
目の前が海の筈なのに、塩臭さや湿度を感じない。
「ああ、そっか。コレ夢なんだ」
私が明晰夢を見ていることを悟った時、
「ミサ」
聞き慣れた声が私の名前を呼んだ。
振り返ったその先に居たのは『藤原一裕』。
彼は少し緊張したような表情で私の目の前へとやって来ると、何かを取り出して私に差し出す。
それは指輪を入れる箱だった。
一裕は私に向かって箱を開けるが、中には何も入っていない。
「これから……この箱に入れる婚約指輪を、一緒に探しに行きませんか?」
「え……それって……」
「結婚しよか」
ドキッと胸が高鳴って、全身に沸き立ったような熱い血が巡った。
熱を帯びた頬を覆うように、口元に手を当てる。
思いもよらぬ言葉だった。
舞い踊りそうになる。
心が、幸せな気持ちで一杯になった。
嬉しい……筈なのに、どうして?
こんなに胸糞悪いのは。
パチッと目蓋を開くと、見慣れた自室の壁が目に入った。
天井じゃなくて壁なのは、私が横になって眠っていたから。
さっきまで見てたのは夢だったのか。
思わずガックリと落ち込んでしまう。
本当に……幸せな夢だったから。
ゴロッと寝がえりをうって仰向けになると、今度はちゃんと天井が瞳に映った。
夢の内容を思い出して、気付いた事がある。
あれは、一裕が奥さんにプロポーズした時のエピソードだ。
「ほんっと……最っ悪な夢」
目が、覚めなければ良かった。
夢の中がとても理想的な展開だった。
あわよくば夢の続きが見たかった。
一生夢の中に居たかったな……。
暫くすると眠気に襲われて、再び目蓋を閉じる。
夢は見たけど、あの夢の続きは見られなかった。
良い夢から目が覚めると、本当に酷く落ち込む。
私にとっては、良い夢を見る事は、悪い事。
良い夢こそが最悪の悪い夢──
THE END