ライセンス藤原一裕の夢小説
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無意味な不涙宣言
(夢主 視点)
「私、もう泣かない」
私の泣かない宣言に、彼氏の一裕がポカンとする。
「行き成りなんやねん……」
理由は簡単。
一裕にもっと私を好きになって欲しいから。
たまたま見つけた藤原さんのブログに書いてあった“好きなタイプ”にこう書いてあったから。
『泣きそうで泣かない女』
それって、泣き虫な私と正反対じゃん。
一裕にもっともっと私のこと好きになってもらう為に、私……絶対泣かない!
「泣き虫の癖にできるん?」
一裕の一言にムッとする。
確かに、相当な泣き虫の私に出来るか心配だけど……。
「出来るか出来ないかじゃなくて、絶対やるんだもん」
「ふーん……まあ、頑張ってみぃ」
一裕は不意に私に背を向けた。
二人を包む空気が変わった気がして、私は不安な気持ちになる。
「ミサ……、こんな時に悪いねんけど」
「な、なに?」
「……俺、芸人辞める事になってん」
「──え」
声が震えて、目が泳いだ。
「解散……することになってん」
「かい、さん……?」
「井本は芸人続けるらしいけど……俺は辞めることにしてん」
それ……どういうこと……!?
いや、冗談だよね?
ドッキリかなんかだよね?
「丁度、嫁のお義母さんも調子崩してもうて……嫁の実家に引っ越すことになってん……」
そんな……ウソでしょ?
「……ごめんな。ミサは漫才やってる俺達が好きやったもんな……ごめん……ホンマ、ごめん……」
一裕は背を丸めて震え出す。
私はその背に縋るように身体を寄せた。
「もう……謝らないで……」
辛いのは私なんかじゃない。
辛いのは……一裕の方だよ……。
一裕のことを考えると、悔しくて辛くて。
涙が零れた。
ごめんね、泣いて。
私が泣いたら。
一裕、もっと辛くなるよね?
ホントにごめん。
「…………ブッ!!」
一裕は噴き出したかと思うと、急に大きな声で笑い始めた。
え!?
何!?
辛すぎて壊れちゃったぁ!?
一裕は目元の笑い涙を指で拭いながら、ことらへと振り返る。
「嘘やて。ごめんな」
「……え、うそ……なの? 本当に……?」
「ああ、ホンマ」
──バシンッ!
私は思いっきり一裕の頬を叩いた。
一裕は驚いた様子で赤く腫れる頬を手で押さえながら、私を見る。
「痛ったぁ……何すんねん!? ……ミサ?」
私は俯いて、ワナワナと身体を震わせた。
潤んだ瞳から、大量の涙が流れ落ちる。
「……思いっきり泣いとるやん」
「誰のせいだと思ってんの」
私を抱きしめる一裕の身体を手で突き放すと、一裕の手が私の目元の涙を拭った。
その手すらも払い除け、一裕を睨む。
怒りながら泣いている私に、一裕は小さく溜息を吐いた。
「これに懲りたら、もう無理なこと言わんことやな」
「……なら、一裕も下らない嘘はもう二度と言わないで」
「分かった」
chu──
そっと、唇が重なる。
仲直りのキス。
アナタには。
私を泣かす事ぐらい。
簡単なんだね。
THE END
(夢主 視点)
「私、もう泣かない」
私の泣かない宣言に、彼氏の一裕がポカンとする。
「行き成りなんやねん……」
理由は簡単。
一裕にもっと私を好きになって欲しいから。
たまたま見つけた藤原さんのブログに書いてあった“好きなタイプ”にこう書いてあったから。
『泣きそうで泣かない女』
それって、泣き虫な私と正反対じゃん。
一裕にもっともっと私のこと好きになってもらう為に、私……絶対泣かない!
「泣き虫の癖にできるん?」
一裕の一言にムッとする。
確かに、相当な泣き虫の私に出来るか心配だけど……。
「出来るか出来ないかじゃなくて、絶対やるんだもん」
「ふーん……まあ、頑張ってみぃ」
一裕は不意に私に背を向けた。
二人を包む空気が変わった気がして、私は不安な気持ちになる。
「ミサ……、こんな時に悪いねんけど」
「な、なに?」
「……俺、芸人辞める事になってん」
「──え」
声が震えて、目が泳いだ。
「解散……することになってん」
「かい、さん……?」
「井本は芸人続けるらしいけど……俺は辞めることにしてん」
それ……どういうこと……!?
いや、冗談だよね?
ドッキリかなんかだよね?
「丁度、嫁のお義母さんも調子崩してもうて……嫁の実家に引っ越すことになってん……」
そんな……ウソでしょ?
「……ごめんな。ミサは漫才やってる俺達が好きやったもんな……ごめん……ホンマ、ごめん……」
一裕は背を丸めて震え出す。
私はその背に縋るように身体を寄せた。
「もう……謝らないで……」
辛いのは私なんかじゃない。
辛いのは……一裕の方だよ……。
一裕のことを考えると、悔しくて辛くて。
涙が零れた。
ごめんね、泣いて。
私が泣いたら。
一裕、もっと辛くなるよね?
ホントにごめん。
「…………ブッ!!」
一裕は噴き出したかと思うと、急に大きな声で笑い始めた。
え!?
何!?
辛すぎて壊れちゃったぁ!?
一裕は目元の笑い涙を指で拭いながら、ことらへと振り返る。
「嘘やて。ごめんな」
「……え、うそ……なの? 本当に……?」
「ああ、ホンマ」
──バシンッ!
私は思いっきり一裕の頬を叩いた。
一裕は驚いた様子で赤く腫れる頬を手で押さえながら、私を見る。
「痛ったぁ……何すんねん!? ……ミサ?」
私は俯いて、ワナワナと身体を震わせた。
潤んだ瞳から、大量の涙が流れ落ちる。
「……思いっきり泣いとるやん」
「誰のせいだと思ってんの」
私を抱きしめる一裕の身体を手で突き放すと、一裕の手が私の目元の涙を拭った。
その手すらも払い除け、一裕を睨む。
怒りながら泣いている私に、一裕は小さく溜息を吐いた。
「これに懲りたら、もう無理なこと言わんことやな」
「……なら、一裕も下らない嘘はもう二度と言わないで」
「分かった」
chu──
そっと、唇が重なる。
仲直りのキス。
アナタには。
私を泣かす事ぐらい。
簡単なんだね。
THE END
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