ライセンス藤原一裕の夢小説
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独りじゃないよ
(夢主 視点)
「ミサ……俺と一緒に来てくれへん?」
藤原くんの言葉が頭の中に響く。
その時決心した。
何があっても、藤原くんに付いて行くと──。
どうして、藤原くんはこうなったんだろう?
どうして、私は藤原くんから離れてしまったからなかな。
不意に思い出された幼き頃の記憶が、私の頭の中で残像として浮かんでは消えていく。
あれは何歳ぐらいの頃だったかな?
それは私が幼い頃の話──。
「どうして泣いてるの?」
私は髪を揺らながら、公園の遊具の中に身を潜め泣いていた男の子に向かって、不思議そうに小首を傾げた。
男の子は隣の家に住む同い年の少年──藤原一裕くんだった。
隣の家は母子家庭で、藤原君はいつも弟の世話をしている。
しかし、その瞳は何処か寂しそうだと常々思っていた。
少年は無反応でただこちらを睨みつけてくる。
「ねぇ、聞こえてる?」
「……」
めげずに声をかけるけど。
藤原くんは黙ったまま。
「君、私と同じ目をしてる」
「……?」
少年は少し興味を持ってくれたのか、横目でこちらを見てくれた。
「誰からも信用されなくて……私もよく泣いてたから」
「……知っとる」
「え?」
「……いっつも見とったから」
藤原くんの言葉は意外なものだった。
私も母子家庭で、その事で私が虐められて泣いていると言う事を藤原くんは知っていたらしい。
「私、ミサ。君は?」
「藤原……一裕」
それが藤原くんと私の出会いだった。
*****
高校に上がる頃。
私の母親は再婚し、友達も出来て、普通の高校生活を送っていた。
一方の藤原くんは、学校を休学し、家出してしまったと風の噂で聞いた。
そんな中、私は藤原くんと再会する。
真夜中、初めて会ったあの公園で。
「藤原くん、久しぶりだね」
「……お前……ミサか?」
私を見て、藤原くんは少々驚いて目を見開いていた。
「何年ぶりだっけ? また会えて嬉しい」
「……」
黙り込んでこちらを睨みつけてきた。
初めて会った時と同じ冷たい眼差しで。
「どっか行って」
藤原くんは冷ややかな鋭い眼差しをする。
藤原くんのこんな顔、二度と見たくなかったのに。
私の所為かな?
私が藤原くんから離れてしまったから。
藤原くんはまた孤独の道を辿ってしまった。
私が家族と楽しく暮らしている間も……ずっと。
分かってもらえなくて良い。
ただ貴方に「独りじゃないよ」と伝えたい。
それから時は流れ──。
私は無事に校を卒業し、大学に入学した。
藤原くんも家に戻って、クラスメイトの井本って子と芸人さんになったらしい。
成人式の日。
私はたまたま見つけた藤原くんに声をかけた。
出会った頃より大人になり、成端な顔立ちになった一裕に思わず胸躍らせる。
「久しぶり、藤原くん。元気してた?」
私を見た藤原くんは。
優しく微笑みかけてくれた。
「ミサ、久しぶり」
その後、私達は成人式を抜け出して、始めて出会ったあの公園へと来ていた。
「あのさ、ミサ……俺と一緒に来てくれへん?」
「え?」
「……俺、芸人になってん」
「うん、知ってる」
「大阪に出る事にしてん。大学卒業してからでも遅ないから、ミサに一緒に来てほしいと思って」
「なんで……?」
「単刀直入に言うわ。ミサが好きやねん。せやから、付き合うて」
歓喜余った私は、口元を手で押さえて、落ちそうになる涙に耐える。
「私も……出会った時から、藤原くんが好きだった」
涙ぐんで声が震え始めた。
「私っ……藤原くんと一緒に居たい!」
溢れ出した涙が頬を伝い落ちる。
「大好きだよ」
藤原くんに抱き着くと、藤原くんは私の身体を抱きしめてくれた。
「俺も……ミサが好きや」
数年後。
大学を卒業すると、私は藤原くんと一緒に大阪で暮らし始めた。
「もう、独りじゃないよ」
そう、微笑みかけて──。
THE END
(夢主 視点)
「ミサ……俺と一緒に来てくれへん?」
藤原くんの言葉が頭の中に響く。
その時決心した。
何があっても、藤原くんに付いて行くと──。
どうして、藤原くんはこうなったんだろう?
どうして、私は藤原くんから離れてしまったからなかな。
不意に思い出された幼き頃の記憶が、私の頭の中で残像として浮かんでは消えていく。
あれは何歳ぐらいの頃だったかな?
それは私が幼い頃の話──。
「どうして泣いてるの?」
私は髪を揺らながら、公園の遊具の中に身を潜め泣いていた男の子に向かって、不思議そうに小首を傾げた。
男の子は隣の家に住む同い年の少年──藤原一裕くんだった。
隣の家は母子家庭で、藤原君はいつも弟の世話をしている。
しかし、その瞳は何処か寂しそうだと常々思っていた。
少年は無反応でただこちらを睨みつけてくる。
「ねぇ、聞こえてる?」
「……」
めげずに声をかけるけど。
藤原くんは黙ったまま。
「君、私と同じ目をしてる」
「……?」
少年は少し興味を持ってくれたのか、横目でこちらを見てくれた。
「誰からも信用されなくて……私もよく泣いてたから」
「……知っとる」
「え?」
「……いっつも見とったから」
藤原くんの言葉は意外なものだった。
私も母子家庭で、その事で私が虐められて泣いていると言う事を藤原くんは知っていたらしい。
「私、ミサ。君は?」
「藤原……一裕」
それが藤原くんと私の出会いだった。
*****
高校に上がる頃。
私の母親は再婚し、友達も出来て、普通の高校生活を送っていた。
一方の藤原くんは、学校を休学し、家出してしまったと風の噂で聞いた。
そんな中、私は藤原くんと再会する。
真夜中、初めて会ったあの公園で。
「藤原くん、久しぶりだね」
「……お前……ミサか?」
私を見て、藤原くんは少々驚いて目を見開いていた。
「何年ぶりだっけ? また会えて嬉しい」
「……」
黙り込んでこちらを睨みつけてきた。
初めて会った時と同じ冷たい眼差しで。
「どっか行って」
藤原くんは冷ややかな鋭い眼差しをする。
藤原くんのこんな顔、二度と見たくなかったのに。
私の所為かな?
私が藤原くんから離れてしまったから。
藤原くんはまた孤独の道を辿ってしまった。
私が家族と楽しく暮らしている間も……ずっと。
分かってもらえなくて良い。
ただ貴方に「独りじゃないよ」と伝えたい。
それから時は流れ──。
私は無事に校を卒業し、大学に入学した。
藤原くんも家に戻って、クラスメイトの井本って子と芸人さんになったらしい。
成人式の日。
私はたまたま見つけた藤原くんに声をかけた。
出会った頃より大人になり、成端な顔立ちになった一裕に思わず胸躍らせる。
「久しぶり、藤原くん。元気してた?」
私を見た藤原くんは。
優しく微笑みかけてくれた。
「ミサ、久しぶり」
その後、私達は成人式を抜け出して、始めて出会ったあの公園へと来ていた。
「あのさ、ミサ……俺と一緒に来てくれへん?」
「え?」
「……俺、芸人になってん」
「うん、知ってる」
「大阪に出る事にしてん。大学卒業してからでも遅ないから、ミサに一緒に来てほしいと思って」
「なんで……?」
「単刀直入に言うわ。ミサが好きやねん。せやから、付き合うて」
歓喜余った私は、口元を手で押さえて、落ちそうになる涙に耐える。
「私も……出会った時から、藤原くんが好きだった」
涙ぐんで声が震え始めた。
「私っ……藤原くんと一緒に居たい!」
溢れ出した涙が頬を伝い落ちる。
「大好きだよ」
藤原くんに抱き着くと、藤原くんは私の身体を抱きしめてくれた。
「俺も……ミサが好きや」
数年後。
大学を卒業すると、私は藤原くんと一緒に大阪で暮らし始めた。
「もう、独りじゃないよ」
そう、微笑みかけて──。
THE END