ライセンス藤原一裕の夢小説
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誕生日には嘘とプレゼントを
(夢主 視点)
今日は愛しの彼氏──藤原一裕の誕生日……なんだけど。
「……」
一裕の家に着いて早々、私はリビングの机に置かれた包みの山を見て、絶句していた。
毎年ながら本当に凄い量だと思う。
ライセンス藤原に対する、ファンからの誕生日プレゼント。
一番人気だった頃に比べれば、結婚して子供も出来たし、量は減った方だと思う。
けれどそれでも、私が絶句してしまう程の量のプレゼントが毎年送られてくるのだ。
「…………で?」
「で、って?」
「ミサからの誕生日プレゼントは?」
一裕がウキウキした様子で私を見てくる。
私はファンからのプレゼント山をもう一度見た。
その端には、特別感を放つ包みが三つ、置かれている。
あれはきっと、嫁と子供からの誕生日プレゼントだ。
今日は所用で出払っているらしいが、昨日の夜は盛大にお祝いしてもらったらしい。
昨日あげられたYouTubeの動画に、その様子が映っていた。
私のプレゼントなんよりもずっと、嫁や子供からのプレゼントの方が嬉しい筈。
だからつい、嘘を吐いちゃった。
「…………用意してない」
「えッ……」
一裕は目を丸くして固まる。
その姿に、心が少し痛んだ。
「……ごめん……」
すると一裕は急に顔を上げて、真剣な眼差しで私を見てきた。
え……なに?
そして一言。
「わかった。ならせめてナースのコスプレでご奉仕を──」
「バカなの?」
ピシャリと言って、一裕の言葉を遮る。
美声で何言ってんだこのオッサン。
正直そんなんだと思ったけどね。
伊達に長く一裕と付き合ってきてないから、私も。
でもやっぱ、嘘を吐いた事が自身を咎める。
「……ごめん、一裕。私……嘘吐いてた」
「え?」
そう言って私は一裕への誕生日プレゼントを取り出した。
「ミサ……これって……」
「……ファンとか、奥さんと子供からのプレゼントの方が、全然いいかもだけど、その……誕生日、プレゼント……」
その刹那、
──ムギュゥ
一裕の両腕に包まれて、視界が真っ暗になる。
「アホやな……ミサからのプレゼントが一番嬉しいに決まってるやん」
見上げると、本当に嬉しそうな笑顔がそこにあって。
嘘つき。
そう言ってやりたかったけど。
急に溢れてきた涙を堪えるのに必死で。
何も言えなくなった。
嘘でも良い。
そんな優しい嘘を吐いてくれる一裕が。
私は好きだ。
「誕生日……おめでとう」
そうしてまた、ひとつ歳を重ねた一裕に。
私は微笑みかけた。
THE END
(夢主 視点)
今日は愛しの彼氏──藤原一裕の誕生日……なんだけど。
「……」
一裕の家に着いて早々、私はリビングの机に置かれた包みの山を見て、絶句していた。
毎年ながら本当に凄い量だと思う。
ライセンス藤原に対する、ファンからの誕生日プレゼント。
一番人気だった頃に比べれば、結婚して子供も出来たし、量は減った方だと思う。
けれどそれでも、私が絶句してしまう程の量のプレゼントが毎年送られてくるのだ。
「…………で?」
「で、って?」
「ミサからの誕生日プレゼントは?」
一裕がウキウキした様子で私を見てくる。
私はファンからのプレゼント山をもう一度見た。
その端には、特別感を放つ包みが三つ、置かれている。
あれはきっと、嫁と子供からの誕生日プレゼントだ。
今日は所用で出払っているらしいが、昨日の夜は盛大にお祝いしてもらったらしい。
昨日あげられたYouTubeの動画に、その様子が映っていた。
私のプレゼントなんよりもずっと、嫁や子供からのプレゼントの方が嬉しい筈。
だからつい、嘘を吐いちゃった。
「…………用意してない」
「えッ……」
一裕は目を丸くして固まる。
その姿に、心が少し痛んだ。
「……ごめん……」
すると一裕は急に顔を上げて、真剣な眼差しで私を見てきた。
え……なに?
そして一言。
「わかった。ならせめてナースのコスプレでご奉仕を──」
「バカなの?」
ピシャリと言って、一裕の言葉を遮る。
美声で何言ってんだこのオッサン。
正直そんなんだと思ったけどね。
伊達に長く一裕と付き合ってきてないから、私も。
でもやっぱ、嘘を吐いた事が自身を咎める。
「……ごめん、一裕。私……嘘吐いてた」
「え?」
そう言って私は一裕への誕生日プレゼントを取り出した。
「ミサ……これって……」
「……ファンとか、奥さんと子供からのプレゼントの方が、全然いいかもだけど、その……誕生日、プレゼント……」
その刹那、
──ムギュゥ
一裕の両腕に包まれて、視界が真っ暗になる。
「アホやな……ミサからのプレゼントが一番嬉しいに決まってるやん」
見上げると、本当に嬉しそうな笑顔がそこにあって。
嘘つき。
そう言ってやりたかったけど。
急に溢れてきた涙を堪えるのに必死で。
何も言えなくなった。
嘘でも良い。
そんな優しい嘘を吐いてくれる一裕が。
私は好きだ。
「誕生日……おめでとう」
そうしてまた、ひとつ歳を重ねた一裕に。
私は微笑みかけた。
THE END