ライセンス藤原一裕の夢小説
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捜索願い
(藤原 視点)
「一裕」
「あ、ミサ」
「今から、ちょっといい?」
「スマン。ネタ合わせがあんねん」
「そう……」
タイミング悪く相方から呼ばれ、俺は井本のもとへ向かった。
寂しそうなミサの表情に気付きもせず。
「あれ……ミサ?」
振り向くとミサの姿は忽然と消えとった。
今日はミサの誕生日やった。
プレゼント用意したんやど……明日渡すか。
でもミサの奴、何処行ったんやろ?
翌朝、ミサが失踪したことを知らされた。
実家にも帰ってへんらしくて、ミサの親は捜索願を出したらしい。
明らかに困惑する俺に、珍しく井本が心配そうに話しかけてくる。
「大丈夫なん? お前……顔色わるいで?」
「……捜索願……って、アイツ何処に行ったん……?」
鞄から誕生日プレゼントを取り出した。
「……ミサ……」
俺はミサを探し続けた。
ミサの良く行く場所。
ミサの行きつけの店。
ミサに関係する所は何処へでも行った。
でも。
何処へ行っても。
何時まで経っても。
ミサは見付からへんかった。
ミサが失踪してもう二ヶ月が経とうとしとる。
俺は。
ミサが消えて初めて知った。
俺にはやっぱりミサが必要や。
ミサに会いたい……。
前触れもなくスマホが鳴る。
画面を見ると、ミサからの電話やった。
しかし、出る前に切れてしまう。
何かの前触れな気ぃがして、俺はミサの『お気に入りの場所』へと向かった。
そこにミサが居るとは限らへん。
でもミサに何かある時は、必ず其処へ行っとった。
夕日の見える高台の公園。
ミサが落ち込んどった日……たまたま其処に居るのを見つけた事がある。
その時は、そっとしておこうと思い、ミサには声をかけずに其処を通り過ぎた。
ミサからの電話が来た時、何故かその事を思い出した。
高台へ続く階段を駆け上る。
暮れかける夕日が綺麗な公園。
彼女は──其処に居らんかった。
肩で息をしながら、近場にあったフェンスを支えに崩れ落ちる。
「どうして居らんねん……ミサッッ!!!!!」
ポケットからミサへの誕生日プレゼントが転がり落ちた。
「何処行ってん……」
誰も居らん公園で、俺は独り涙を流すしかなかった。
THE END
(藤原 視点)
「一裕」
「あ、ミサ」
「今から、ちょっといい?」
「スマン。ネタ合わせがあんねん」
「そう……」
タイミング悪く相方から呼ばれ、俺は井本のもとへ向かった。
寂しそうなミサの表情に気付きもせず。
「あれ……ミサ?」
振り向くとミサの姿は忽然と消えとった。
今日はミサの誕生日やった。
プレゼント用意したんやど……明日渡すか。
でもミサの奴、何処行ったんやろ?
翌朝、ミサが失踪したことを知らされた。
実家にも帰ってへんらしくて、ミサの親は捜索願を出したらしい。
明らかに困惑する俺に、珍しく井本が心配そうに話しかけてくる。
「大丈夫なん? お前……顔色わるいで?」
「……捜索願……って、アイツ何処に行ったん……?」
鞄から誕生日プレゼントを取り出した。
「……ミサ……」
俺はミサを探し続けた。
ミサの良く行く場所。
ミサの行きつけの店。
ミサに関係する所は何処へでも行った。
でも。
何処へ行っても。
何時まで経っても。
ミサは見付からへんかった。
ミサが失踪してもう二ヶ月が経とうとしとる。
俺は。
ミサが消えて初めて知った。
俺にはやっぱりミサが必要や。
ミサに会いたい……。
前触れもなくスマホが鳴る。
画面を見ると、ミサからの電話やった。
しかし、出る前に切れてしまう。
何かの前触れな気ぃがして、俺はミサの『お気に入りの場所』へと向かった。
そこにミサが居るとは限らへん。
でもミサに何かある時は、必ず其処へ行っとった。
夕日の見える高台の公園。
ミサが落ち込んどった日……たまたま其処に居るのを見つけた事がある。
その時は、そっとしておこうと思い、ミサには声をかけずに其処を通り過ぎた。
ミサからの電話が来た時、何故かその事を思い出した。
高台へ続く階段を駆け上る。
暮れかける夕日が綺麗な公園。
彼女は──其処に居らんかった。
肩で息をしながら、近場にあったフェンスを支えに崩れ落ちる。
「どうして居らんねん……ミサッッ!!!!!」
ポケットからミサへの誕生日プレゼントが転がり落ちた。
「何処行ってん……」
誰も居らん公園で、俺は独り涙を流すしかなかった。
THE END