ライセンス藤原一裕の夢小説
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初夏の世の夢
(藤原 視点)
衝撃は、突如、巻き起こった。
地に伏せる妻。
泣きわめく二人の娘。
一瞬で、目の前が地獄絵図のようになる。
1月の中旬。
まさかそんな事になるなんて。
思ってへんかった。
車内で垂れ流しになっとるラジオ。
『昨夜未明。都内で人気お笑い芸人の藤原一裕さんが何者かに誘拐され、タレントの山口美沙さんが刺される事件が発生しました』
流れてきたニュースは、俺の事やった。
自分の事やのに、他人事のようにそのニュースを聞く。
俺は今、とある人物の運転する車の助手席に乗せられとった。
その人物は嫁に隠れてずっと付き合っとった恋人──いや、愛人のミサやった。
嫁を刺し、俺を誘拐した犯人でもある。
ミサは嫁を刺した後、俺の腕を掴んでその場から逃げるように連れ去った。
逃げようと思ったが時すでに遅く、気ぃ付いた時には車は発進しとった。
ミサは冷たい目で俺を睨みつけて、
「今逃げたら、私何するか分かんないよ?」
と冷酷に言い放つ。
その冷ややかなオーラに殺気を感じて……俺は抵抗する事を諦めた。
そのまま車に揺られ続け、気ぃ付いたら夜が明けとった。
すっかり明るくなった町中を車が走り、今に至る。
車内には、垂れ流しのラジオの音以外には何も流れてへん。
『尚、病院に運ばれた山口さんは意識を取り戻したそうです』
心の中でホッしたけど。
「良かったね」
と言う、ミサの冷たい口調に体がビクついた。
「嬉しくないの?」
頭をフル回転させ、俺は言葉を選んだ。
「……ミサは、嬉しくなさそうやな」
ミサは前方を見ながら話を続けた。
「ええ、全く嬉しくはない。でも、一裕は嬉しいんじゃない? 少なくとも安心したよね?」
どうしてか、ミサのその言葉は、俺ではなく自分自身に言い聞かせとるように聞こえた。
俺も前方に顔を向けてフロントガラスから見える景色に集中する。
「これから何処行くん?」
「……沖縄ぁ」
沖縄?
何で?
疑問は絶えへんけど、ここは冷静になろう。
「沖縄って事は……飛行機とか乗るんやろ?」
「まぁね」
チラッと横目でミサを見た。
「なら……コレ外して」
分かりやすいよう両手に着けられた手錠を、目線の高さまで上げる。
「このままやったら色々怪しまれるで? 飛行機乗る時とか」
金属探知機にもバッチリ引っかかるやろうし。
前方を見ていたミサが確認するように、チラッとこちらに目線を向けた。
「空港に到着したら外してあげる」
再び前方を見たミサは運転に意識を戻す。
車は空港へと到着した。
トランクからキャリーバックを降ろしたミサは、それを引きずりながら助手席のドアの傍までやってくる。
助手席のドアを開けたミサは俺の腕を少し乱暴に掴んで、手錠の鍵を取り出した。
手錠を外してくれるかと思いきや、顔を俺の顔に近づけてくる。
「一裕、キスして」
「……は?」
「お嫌なら別に良いけど。手錠外さないだけだから」
「……」
躊躇しつつ、ミサの唇にキスをした。
一度唇を離したが、追いかけて来るようにミサの方から唇を重ねて来る。
唇の中で舌と舌が絡まった。
カシャンと音がして、手錠が膝の上にボトリと落ちる。
キスをしたまま手錠を外しやがった。
手品師か。
内心で少しだけ感心しつつ、ミサに連れられ俺は飛行機に乗る事になった。
目指すは沖縄県。
沖縄に着いたらまた手錠されるやと思っとったけど、意外にもミサは俺の事を自由にしてくれた。
「沖縄を満喫しよ! 一裕!」
「お、おん……」
若干戸惑いつつもミサと共に一日沖縄を観光した後、やって来たのは海岸沿いのコテージ。
ミサが前々から予約しとったらしい。
計画犯やったんやな。
リビングには大きな窓があって、プライベートビーチへと繋がっとる。
エメラルドグーリンの海が夕日の光を反射し、宝石のようにキラキラと輝いとった。
その光景に思わず溜息が出る。
「綺麗だね」
振り返ると、優し気に微笑むミサが居った。
「あ……おん……」
ミサは窓を開け放つ。
海風が入り込み、心地よかった。
「ずっと見たかったんだ、この景色。一裕と一緒に」
「……なら、こんな方法取らずに……普通に誘ってくれたら良かったやん」
「普通に誘ってもさ、二人っきりでは来てくれなかったよね? 違う?」
確かに。
俺とミサは内緒の関係や。
せやからミサに沖縄旅行に誘われたら、仲のええ後輩も誘うやろうな。
ミサは、俺が警戒心強い事もよう知っとる。
行動バレバレやんけ、俺。
でも……。
「素直に二人っきりになりたいって言うてくれたら、俺かて……」
「二人だけで来てくれた?」
「……」
「ウソ。絶対ウソ」
確かに、無理やな。
小心者の俺には、きっと。
俺は無言のまま俯く。
そんな俺の手を引いて、ミサは寝室へと向かった。
唇を奪われ、そのままベッドへと押し倒される。
「ねぇ、一裕……抱いて」
そのまま朝まで、互いの体を求め合った──。
*****
ミサは俺の顎に手を添えた。
重なった唇が離れて、角度を変えて再び唇に吸い付かれる。
閉じていた目蓋をそっと開くと、ミサの瞳と目が合った。
唇に噛みつかれそのまま強く吸い上げられると、口の中に舌が潜り込んで来る。
「……っ……」
暫く舌を絡ませ、ゆっくりと唇を離すと、お互いの舌の間に唾液の糸が伝い切れた。
ミサは俺の手をとると、自分の服の仲に潜り込ませる。
ブラジャー越しのミサの胸が手の平に触れて、俺は戸惑った。
「揉んでいいですよ……」
色っぽい声で囁かれ、潤んだ瞳で見詰められる。
鷲塚むように手の平の胸を揉むと、ミサの身体がピクンと跳ねた。
「気持ちいい……でも……もっと、気持ち良くして……」
ミサは着とったTシャツを脱ぎ、ブラジャーを外す。
露わになったミサの胸に、俺は生唾を飲んだ。
後頭部に手を添えたミサは、俺の顔を自分の胸元に近づける。
「舐めて……いっぱい、気持ち良くして……」
理性が性欲に負けて、目の前の立派に実った果実にかぶりついた。
唇に触れる柔らかい胸の感触に、俺の股間の雄が反応する。
キスをしながら唇を移動させて、乳首へとしゃぶりついた。
乳首の上で舌を動かす度に、ミサの身体はピクピクと跳ね上がり、激しくなる呼吸に湿った声が混ざる。
「……ァあ……!」
乳輪を辿るように嬲って、乳首に甘く噛みついた。
「……ぁあっん……!」
チュッと吸い付いて、乳首から唇を離すと、ミサは俺のズボンを剥ぎ取る。
俺の股間を見たミサは、嘲笑するようにクスッと笑った。
「もう勃起しちゃったんですかぁ?」
ミサの目線の先には、ボクサーパンツの生地をはち切れんばかりに持ち上げる、俺のペニスがある。
恥ず……。
楽しそうに微笑みを浮かべながら、ミサはパンティを脱いでベッドに仰向けになり、俺に恥部を見せつけるようにスカートを捲りあげてきた。
「もうこんなに濡れちゃった……触りたいですか?」
「……」
触って、と、強請られとるように聞こえる。
ベッドに上がると、指をミサの股に潜り込ませた。
指先にミサの精液が纏わり付く。
それを使ってミサの腟内へと指を滑り込ませた。
「ぁあぁんっ……!」
ミサは気持ち良さそうな声をあげて悶え乱れる。
俺の指をすんないりと受け入れたミサの膣は、いつの間にか俺の中指と薬指を根元近くまで呑み込んどった。
グチョグチョと抜き差しを繰り返し、解す様に中を指で掻き回す。
とある所に指先が触れた瞬間、ミサの身体が一層大きくビクンッと跳ねた。
「ひぁああっ、……ソコっ……だめぇッ……おかしくなっちゃうっ……!」
ミサの言葉を聞いて、S心に火が点いた俺は、ミサのGスポットを責め立てる。
「ぃやぁぁあっっ……だめぇえええ!!」
暴れるミサの足を軽く押さえつけ、丁寧且つ激しくGスポットを犯した。
「……やぁあああっ……!! だめぇっ、こわれちゃうううう……!!」
声が飛んでまいそうなほど泣き叫んだミサは、思っていたよりもあっさり限界を超えてもうて。
「……もっ、だめえ……イクうぅうう~~~~──!!!」
身体を痙攣するように細かく震わせて、達してもうた。
指を引き抜くと、満足げな顔で息を切らすミサと目が合う。
「はぁ……はぁ……気持ち良かったぁ……」
ミサは上体を起こし、俺からボクサーパンツを剥ぎ取った。
次いでコンドームを袋から取り出し、勃ち上がった俺のペニスに手際よく着ける。
「後はどうすれば良いか……健全な大人の男の一裕なら、分かりますよね?」
物欲しそうに見上げてくるミサ。
俺は広げられたミサの脚を抱えて、ペニスの先をミサの腟口へと擦り付けた。
腰を動かしてペニスを挿し込むと、ミサの腟内に根元まで埋め込む。
「全部入ったで?」
「あぁ……ん、は……」
焦点の合わへんミサの視線が宙を彷徨う。
ゆっくりと腰を引いて、深く突き上げると、俺は腰のピストン運動を始めた。
「ああァっ……っあぁ……あぁあんっ!!」
ミサは呼吸や髪を乱しながら淫らに喘ぐ。
暫く腰を振ってから、一旦ペニスを引き抜くと、ミサを四つん這いにさせる。
ミサの腰を掴んで引き寄せ、後ろからペニスを差し込んだ。
ミサはしがみ付いた枕から籠った声をあげる。
卑猥な水音と、尻と腰がぶつかる音が動きに合わせて鳴り響いた。
俺はミサの股に手を伸ばして、クリトリスを指先で弄る。
「ああぁあッ……!! そこだめええっ……!!」
電気が走ったかのように、ミサの身体がビクビクと激しく震えた。
身体を揺さぶりながら、ミサの顔をこちらに振り向かせ唇を重ねる。
唇を離さず、指先で陰核を弄り続けた。
「ンんんんっ……ぷはっ、だめええええっ……────~~~~!!!」
ミサは二度目の絶頂に達する。
同時に膣を締め付けられ、絶頂しかけた俺は瞬時にペニスを引き抜いた。
俺がベッドに仰向けになると、ミサは率先して下折立つ俺のペニスの上に股がる。
亀頭を腟口に宛がって、ミサはゆっくりと腰を降ろして俺のペニスを自分の中に納めてく。
ベッドに足を踏ん張り、M字開脚して、ミサは腰を上下に動かしだした。
けど、騎乗位の経験があんまないのか、上手く腰が動かせてへん。
少しじれったくなった俺は、自分から腰を動かした。
「ヒぁあ……!!」
ミサは仰け反らせた背中を震わせて感じる。
痛ならへん程度の強さでクリトリスを摘まむと、ミサの腟内がまた俺のペニス締め付けてきた。
「ッああぁ……だめぇえッ……きもちぃいいッ……」
繋がったまま上体を起こして、唇を重ね舌を絡ませる。
ミサを再びベッドに押し倒し、その足を抱え腰を激しく動かした。
「ンアあぁッ……ぁあア……ァアアぁああッ……イクううう──~~!!」
体を大きくビクつかせ、ミサはまたイッてまう。
俺も絶頂が迫って来て、腰の動きを速めた。
ヤられっぱなしで癪に思っとった俺は、ちょっとした意地悪を画策する。
今にも射精しそうなペニスを一旦引き抜き、コンドームを外すした生のペニスをミサの膣に突き刺した。
「ぅあァッ……ナマはだめえっ……きもち……よすぎちゃうう……!!」
射精する寸前ペニスを引き抜く──はずやったんやけど、ミサはその長い両脚を俺の腰に巻き付けてくる。
脚を退かす間もなく動けへんくなった俺は、ミサの腟内で射精した。
ペニスをミサから引き抜いて、彼女の顔を見ると、してやったりと言いたげに、不適に笑っとる。
疲れはてた俺は、ベッドに倒れ込み目蓋を閉じた。
*****
──翌朝。
目を覚ますと、隣にミサが居らんかった。
リビングに行くと、大きな窓を開き海をみつめるミサの姿がある。
こっちに振り向いたミサは、優しく微笑んだ。
「おはよ」
「……心配かけさすなや。居らんくなったかと思たわ」
「なんで? 私が居なくなると思ったの?」
なんで……やろ?
何となく、そう思た。
ミサの背中が、消えそうに見えたんや。
「一裕。一個お願いあるんだけど」
「お願い?」
ミサは再び海を見詰める。
その瞳は今にも泣きそうな程、潤んで見えた。
「私、帰ったら自首するから。一応、奥さんの事刺しちゃったわけだし。だからさ……一緒に警察に言ってくんない?」
「何で……」
「一裕も被害者だよ? 警察で色々と証言してもらわないと」
「嫌や」
即答する。
驚いたように目を丸くして、ミサは俺を見た。
「なんで?」
「お前を……誘拐犯にしたない」
「意味がわかんない。犯人隠避も立派な犯罪だし」
「分かっとるっ、けど……俺が、勝手に失踪した事にすれば、お前を誘拐犯にせんで済むんちゃう……?」
「……私が奥さんを刺した時、奥さんは確実に私の顔を見てた。多分、逃げられない」
「……っ、けど……」
思わず口籠ってまう。
目を細めたミサは、何故だか嬉しそうに微笑んだ。
「ありがと」
テーブルに置いてあった飛行機のチケットを手に取ったミサは、立ち上がるとそれを俺の目の前へと差し出す。
「帰ったら、警察に行って」
首を横に振る俺の事を、ミサはギュッと抱きしめる。
「こうなること何となく分かってたんだ、私。だから、最後に一裕と思い出が作りたかったの」
「……そんな、二度と会えへんみたいな言い方……」
「私……もう一裕とは会わない。私たちは、一緒に居ちゃいけない関係なんだから」
「……」
ミサの華奢な肩を抱き寄せた。
「ウソや……罪を償ったら……また会ってくれるやろ?」
恐怖に声が震える。
頷いてくれ。
頼む……。
しかし、その願い虚しく、ミサは首を横に振った。
「もう一裕とは会わない」
「……」
「サヨナラ。だよ」
悲しい。
悲しくて寂しい。
窓の向こうでは、俺の気持ちと裏腹に、エメラルドグーリンがキラキラと輝いとる。
「……アホ……」
寂しさや悲しさが溢れ出るように、涙が頬を伝い落ちた。
THE END
(藤原 視点)
衝撃は、突如、巻き起こった。
地に伏せる妻。
泣きわめく二人の娘。
一瞬で、目の前が地獄絵図のようになる。
1月の中旬。
まさかそんな事になるなんて。
思ってへんかった。
車内で垂れ流しになっとるラジオ。
『昨夜未明。都内で人気お笑い芸人の藤原一裕さんが何者かに誘拐され、タレントの山口美沙さんが刺される事件が発生しました』
流れてきたニュースは、俺の事やった。
自分の事やのに、他人事のようにそのニュースを聞く。
俺は今、とある人物の運転する車の助手席に乗せられとった。
その人物は嫁に隠れてずっと付き合っとった恋人──いや、愛人のミサやった。
嫁を刺し、俺を誘拐した犯人でもある。
ミサは嫁を刺した後、俺の腕を掴んでその場から逃げるように連れ去った。
逃げようと思ったが時すでに遅く、気ぃ付いた時には車は発進しとった。
ミサは冷たい目で俺を睨みつけて、
「今逃げたら、私何するか分かんないよ?」
と冷酷に言い放つ。
その冷ややかなオーラに殺気を感じて……俺は抵抗する事を諦めた。
そのまま車に揺られ続け、気ぃ付いたら夜が明けとった。
すっかり明るくなった町中を車が走り、今に至る。
車内には、垂れ流しのラジオの音以外には何も流れてへん。
『尚、病院に運ばれた山口さんは意識を取り戻したそうです』
心の中でホッしたけど。
「良かったね」
と言う、ミサの冷たい口調に体がビクついた。
「嬉しくないの?」
頭をフル回転させ、俺は言葉を選んだ。
「……ミサは、嬉しくなさそうやな」
ミサは前方を見ながら話を続けた。
「ええ、全く嬉しくはない。でも、一裕は嬉しいんじゃない? 少なくとも安心したよね?」
どうしてか、ミサのその言葉は、俺ではなく自分自身に言い聞かせとるように聞こえた。
俺も前方に顔を向けてフロントガラスから見える景色に集中する。
「これから何処行くん?」
「……沖縄ぁ」
沖縄?
何で?
疑問は絶えへんけど、ここは冷静になろう。
「沖縄って事は……飛行機とか乗るんやろ?」
「まぁね」
チラッと横目でミサを見た。
「なら……コレ外して」
分かりやすいよう両手に着けられた手錠を、目線の高さまで上げる。
「このままやったら色々怪しまれるで? 飛行機乗る時とか」
金属探知機にもバッチリ引っかかるやろうし。
前方を見ていたミサが確認するように、チラッとこちらに目線を向けた。
「空港に到着したら外してあげる」
再び前方を見たミサは運転に意識を戻す。
車は空港へと到着した。
トランクからキャリーバックを降ろしたミサは、それを引きずりながら助手席のドアの傍までやってくる。
助手席のドアを開けたミサは俺の腕を少し乱暴に掴んで、手錠の鍵を取り出した。
手錠を外してくれるかと思いきや、顔を俺の顔に近づけてくる。
「一裕、キスして」
「……は?」
「お嫌なら別に良いけど。手錠外さないだけだから」
「……」
躊躇しつつ、ミサの唇にキスをした。
一度唇を離したが、追いかけて来るようにミサの方から唇を重ねて来る。
唇の中で舌と舌が絡まった。
カシャンと音がして、手錠が膝の上にボトリと落ちる。
キスをしたまま手錠を外しやがった。
手品師か。
内心で少しだけ感心しつつ、ミサに連れられ俺は飛行機に乗る事になった。
目指すは沖縄県。
沖縄に着いたらまた手錠されるやと思っとったけど、意外にもミサは俺の事を自由にしてくれた。
「沖縄を満喫しよ! 一裕!」
「お、おん……」
若干戸惑いつつもミサと共に一日沖縄を観光した後、やって来たのは海岸沿いのコテージ。
ミサが前々から予約しとったらしい。
計画犯やったんやな。
リビングには大きな窓があって、プライベートビーチへと繋がっとる。
エメラルドグーリンの海が夕日の光を反射し、宝石のようにキラキラと輝いとった。
その光景に思わず溜息が出る。
「綺麗だね」
振り返ると、優し気に微笑むミサが居った。
「あ……おん……」
ミサは窓を開け放つ。
海風が入り込み、心地よかった。
「ずっと見たかったんだ、この景色。一裕と一緒に」
「……なら、こんな方法取らずに……普通に誘ってくれたら良かったやん」
「普通に誘ってもさ、二人っきりでは来てくれなかったよね? 違う?」
確かに。
俺とミサは内緒の関係や。
せやからミサに沖縄旅行に誘われたら、仲のええ後輩も誘うやろうな。
ミサは、俺が警戒心強い事もよう知っとる。
行動バレバレやんけ、俺。
でも……。
「素直に二人っきりになりたいって言うてくれたら、俺かて……」
「二人だけで来てくれた?」
「……」
「ウソ。絶対ウソ」
確かに、無理やな。
小心者の俺には、きっと。
俺は無言のまま俯く。
そんな俺の手を引いて、ミサは寝室へと向かった。
唇を奪われ、そのままベッドへと押し倒される。
「ねぇ、一裕……抱いて」
そのまま朝まで、互いの体を求め合った──。
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ミサは俺の顎に手を添えた。
重なった唇が離れて、角度を変えて再び唇に吸い付かれる。
閉じていた目蓋をそっと開くと、ミサの瞳と目が合った。
唇に噛みつかれそのまま強く吸い上げられると、口の中に舌が潜り込んで来る。
「……っ……」
暫く舌を絡ませ、ゆっくりと唇を離すと、お互いの舌の間に唾液の糸が伝い切れた。
ミサは俺の手をとると、自分の服の仲に潜り込ませる。
ブラジャー越しのミサの胸が手の平に触れて、俺は戸惑った。
「揉んでいいですよ……」
色っぽい声で囁かれ、潤んだ瞳で見詰められる。
鷲塚むように手の平の胸を揉むと、ミサの身体がピクンと跳ねた。
「気持ちいい……でも……もっと、気持ち良くして……」
ミサは着とったTシャツを脱ぎ、ブラジャーを外す。
露わになったミサの胸に、俺は生唾を飲んだ。
後頭部に手を添えたミサは、俺の顔を自分の胸元に近づける。
「舐めて……いっぱい、気持ち良くして……」
理性が性欲に負けて、目の前の立派に実った果実にかぶりついた。
唇に触れる柔らかい胸の感触に、俺の股間の雄が反応する。
キスをしながら唇を移動させて、乳首へとしゃぶりついた。
乳首の上で舌を動かす度に、ミサの身体はピクピクと跳ね上がり、激しくなる呼吸に湿った声が混ざる。
「……ァあ……!」
乳輪を辿るように嬲って、乳首に甘く噛みついた。
「……ぁあっん……!」
チュッと吸い付いて、乳首から唇を離すと、ミサは俺のズボンを剥ぎ取る。
俺の股間を見たミサは、嘲笑するようにクスッと笑った。
「もう勃起しちゃったんですかぁ?」
ミサの目線の先には、ボクサーパンツの生地をはち切れんばかりに持ち上げる、俺のペニスがある。
恥ず……。
楽しそうに微笑みを浮かべながら、ミサはパンティを脱いでベッドに仰向けになり、俺に恥部を見せつけるようにスカートを捲りあげてきた。
「もうこんなに濡れちゃった……触りたいですか?」
「……」
触って、と、強請られとるように聞こえる。
ベッドに上がると、指をミサの股に潜り込ませた。
指先にミサの精液が纏わり付く。
それを使ってミサの腟内へと指を滑り込ませた。
「ぁあぁんっ……!」
ミサは気持ち良さそうな声をあげて悶え乱れる。
俺の指をすんないりと受け入れたミサの膣は、いつの間にか俺の中指と薬指を根元近くまで呑み込んどった。
グチョグチョと抜き差しを繰り返し、解す様に中を指で掻き回す。
とある所に指先が触れた瞬間、ミサの身体が一層大きくビクンッと跳ねた。
「ひぁああっ、……ソコっ……だめぇッ……おかしくなっちゃうっ……!」
ミサの言葉を聞いて、S心に火が点いた俺は、ミサのGスポットを責め立てる。
「ぃやぁぁあっっ……だめぇえええ!!」
暴れるミサの足を軽く押さえつけ、丁寧且つ激しくGスポットを犯した。
「……やぁあああっ……!! だめぇっ、こわれちゃうううう……!!」
声が飛んでまいそうなほど泣き叫んだミサは、思っていたよりもあっさり限界を超えてもうて。
「……もっ、だめえ……イクうぅうう~~~~──!!!」
身体を痙攣するように細かく震わせて、達してもうた。
指を引き抜くと、満足げな顔で息を切らすミサと目が合う。
「はぁ……はぁ……気持ち良かったぁ……」
ミサは上体を起こし、俺からボクサーパンツを剥ぎ取った。
次いでコンドームを袋から取り出し、勃ち上がった俺のペニスに手際よく着ける。
「後はどうすれば良いか……健全な大人の男の一裕なら、分かりますよね?」
物欲しそうに見上げてくるミサ。
俺は広げられたミサの脚を抱えて、ペニスの先をミサの腟口へと擦り付けた。
腰を動かしてペニスを挿し込むと、ミサの腟内に根元まで埋め込む。
「全部入ったで?」
「あぁ……ん、は……」
焦点の合わへんミサの視線が宙を彷徨う。
ゆっくりと腰を引いて、深く突き上げると、俺は腰のピストン運動を始めた。
「ああァっ……っあぁ……あぁあんっ!!」
ミサは呼吸や髪を乱しながら淫らに喘ぐ。
暫く腰を振ってから、一旦ペニスを引き抜くと、ミサを四つん這いにさせる。
ミサの腰を掴んで引き寄せ、後ろからペニスを差し込んだ。
ミサはしがみ付いた枕から籠った声をあげる。
卑猥な水音と、尻と腰がぶつかる音が動きに合わせて鳴り響いた。
俺はミサの股に手を伸ばして、クリトリスを指先で弄る。
「ああぁあッ……!! そこだめええっ……!!」
電気が走ったかのように、ミサの身体がビクビクと激しく震えた。
身体を揺さぶりながら、ミサの顔をこちらに振り向かせ唇を重ねる。
唇を離さず、指先で陰核を弄り続けた。
「ンんんんっ……ぷはっ、だめええええっ……────~~~~!!!」
ミサは二度目の絶頂に達する。
同時に膣を締め付けられ、絶頂しかけた俺は瞬時にペニスを引き抜いた。
俺がベッドに仰向けになると、ミサは率先して下折立つ俺のペニスの上に股がる。
亀頭を腟口に宛がって、ミサはゆっくりと腰を降ろして俺のペニスを自分の中に納めてく。
ベッドに足を踏ん張り、M字開脚して、ミサは腰を上下に動かしだした。
けど、騎乗位の経験があんまないのか、上手く腰が動かせてへん。
少しじれったくなった俺は、自分から腰を動かした。
「ヒぁあ……!!」
ミサは仰け反らせた背中を震わせて感じる。
痛ならへん程度の強さでクリトリスを摘まむと、ミサの腟内がまた俺のペニス締め付けてきた。
「ッああぁ……だめぇえッ……きもちぃいいッ……」
繋がったまま上体を起こして、唇を重ね舌を絡ませる。
ミサを再びベッドに押し倒し、その足を抱え腰を激しく動かした。
「ンアあぁッ……ぁあア……ァアアぁああッ……イクううう──~~!!」
体を大きくビクつかせ、ミサはまたイッてまう。
俺も絶頂が迫って来て、腰の動きを速めた。
ヤられっぱなしで癪に思っとった俺は、ちょっとした意地悪を画策する。
今にも射精しそうなペニスを一旦引き抜き、コンドームを外すした生のペニスをミサの膣に突き刺した。
「ぅあァッ……ナマはだめえっ……きもち……よすぎちゃうう……!!」
射精する寸前ペニスを引き抜く──はずやったんやけど、ミサはその長い両脚を俺の腰に巻き付けてくる。
脚を退かす間もなく動けへんくなった俺は、ミサの腟内で射精した。
ペニスをミサから引き抜いて、彼女の顔を見ると、してやったりと言いたげに、不適に笑っとる。
疲れはてた俺は、ベッドに倒れ込み目蓋を閉じた。
*****
──翌朝。
目を覚ますと、隣にミサが居らんかった。
リビングに行くと、大きな窓を開き海をみつめるミサの姿がある。
こっちに振り向いたミサは、優しく微笑んだ。
「おはよ」
「……心配かけさすなや。居らんくなったかと思たわ」
「なんで? 私が居なくなると思ったの?」
なんで……やろ?
何となく、そう思た。
ミサの背中が、消えそうに見えたんや。
「一裕。一個お願いあるんだけど」
「お願い?」
ミサは再び海を見詰める。
その瞳は今にも泣きそうな程、潤んで見えた。
「私、帰ったら自首するから。一応、奥さんの事刺しちゃったわけだし。だからさ……一緒に警察に言ってくんない?」
「何で……」
「一裕も被害者だよ? 警察で色々と証言してもらわないと」
「嫌や」
即答する。
驚いたように目を丸くして、ミサは俺を見た。
「なんで?」
「お前を……誘拐犯にしたない」
「意味がわかんない。犯人隠避も立派な犯罪だし」
「分かっとるっ、けど……俺が、勝手に失踪した事にすれば、お前を誘拐犯にせんで済むんちゃう……?」
「……私が奥さんを刺した時、奥さんは確実に私の顔を見てた。多分、逃げられない」
「……っ、けど……」
思わず口籠ってまう。
目を細めたミサは、何故だか嬉しそうに微笑んだ。
「ありがと」
テーブルに置いてあった飛行機のチケットを手に取ったミサは、立ち上がるとそれを俺の目の前へと差し出す。
「帰ったら、警察に行って」
首を横に振る俺の事を、ミサはギュッと抱きしめる。
「こうなること何となく分かってたんだ、私。だから、最後に一裕と思い出が作りたかったの」
「……そんな、二度と会えへんみたいな言い方……」
「私……もう一裕とは会わない。私たちは、一緒に居ちゃいけない関係なんだから」
「……」
ミサの華奢な肩を抱き寄せた。
「ウソや……罪を償ったら……また会ってくれるやろ?」
恐怖に声が震える。
頷いてくれ。
頼む……。
しかし、その願い虚しく、ミサは首を横に振った。
「もう一裕とは会わない」
「……」
「サヨナラ。だよ」
悲しい。
悲しくて寂しい。
窓の向こうでは、俺の気持ちと裏腹に、エメラルドグーリンがキラキラと輝いとる。
「……アホ……」
寂しさや悲しさが溢れ出るように、涙が頬を伝い落ちた。
THE END