ライセンス藤原一裕の夢小説
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
姉さん
(藤原 視点)
「カズ姉ぇ~」
聞き知った甲高い声にそう呼ばれ、振り返ると笑顔が可愛ええ女友達──ミサが駆け寄ってきた。
「ミサ……その呼び方やめて……」
そう呼ばれんのホンマに嫌やねん。
やって、それって。
ミサが俺のこと男として見てへんってことやろ?
俺な。
ミサには。
ちゃんと男として見て欲しいねん。
ミサが好きやから。
けど、残念ながらミサは、俺と友達で居りたいみたいで。
俺のことを“カズ姉”と言う名の、デッカイ女としか見てへんらしい。
試しに髪短くして髭まで生やしてみたけど、「なにそれヘンなの~」とか「カズ姉に似合ってないよ~」とかしか言われへんかった。
正直、恋心は傷ついとる。
やって、これって告白する前にフラれてる状態やんけ。
……あぁ、もう!
我慢すんの限界!
俺は衝動に任せてミサを壁ドンした。
「え、なに……? カズ姉……?」
戸惑った瞳が俺の顔を見上げてきた。
意を決して、口を開く。
「あのさ……ミサ、俺のことホンマに友達としか思ってへんの?」
「……今さらどうしたの?」
「真剣な話。ホンマに友達としてしか見てへんの?」
「それ、は……」
ミサは狼狽えて、目線を横に逸らした。
「俺は、ミサのこと友達と思ったことは一度もないで?」
「えっ……」
絶交宣言を受けたのかと勘違いしたミサは、ショックを受けた顔でこっちを見る。
しかし俺の言葉のホンマの意味を察して、また目を逸らした。
「俺はずっと……ずーっとミサのこと女としか……異性としか見てへんねん」
「……なんで、そんなこと言うの?」
「好きやから」
「──!」
俺の告白に、ミサは吃驚した様子で、俺の方へ顔を勢いよく向ける。
「好きや。ミサ」
俺は真直ぐにミサを見つめた。
こんなんガラちゃうの分かってる。
でも。
ホンマに好きやねん。
「じょ……冗談キツいよ……」
ミサの声がは、震えとった。
必死で笑おうとしとるのが、返って痛々しい。
けどこれは、ハッキリさせなアカン事やねん。
ミサが俺のこと、どう見てんのかを。
「冗談ちゃう。せやから、俺のことちゃんと男として見て」
ミサはそっと目を伏せた。
その昔、ミサは恋愛で辛い経験をして。
それ以来、男女の友情と言うものが信じられへんくなった。
それでも俺は、ミサの事が諦めきれへんくて……。
友達でええから傍に居りたいって言うたら、“カズ姉”って呼ばせてくれたらって言われた。
「だから嫌だったのに……友達だと思っても……結局好きになっちゃうから……」
ミサは顔を両手で覆い隠す。
「アナタとは……ずっと一緒に居たいのに……“カズ姉”って呼べば……好き にならずにすむと思ったのに…………」
……え?
それって……。
ミサが顔を覆っとった手を下ろすと、その瞳には大粒の涙が溜まっとった。
「私……また恋をしたの……相手は……誰だと思う?」
「…………え…………誰……?」
オニキスの様な、ミサの綺麗な目から。
透明な涙の筋が、一筋伝い落ちる。
「……好きだよ……姉さ──ううん……一裕……」
「……ミサ──!」
俺はミサを抱きしめた。
「……これで、女同士の友情も信じられなくなっちゃうね」
ミサは俺の身体に抱きつきながら、クスクスと笑う。
そんな彼女の頭を、俺は優しく撫でた。
「大丈夫。俺は女ちゃうから」
THE END
(藤原 視点)
「カズ姉ぇ~」
聞き知った甲高い声にそう呼ばれ、振り返ると笑顔が可愛ええ女友達──ミサが駆け寄ってきた。
「ミサ……その呼び方やめて……」
そう呼ばれんのホンマに嫌やねん。
やって、それって。
ミサが俺のこと男として見てへんってことやろ?
俺な。
ミサには。
ちゃんと男として見て欲しいねん。
ミサが好きやから。
けど、残念ながらミサは、俺と友達で居りたいみたいで。
俺のことを“カズ姉”と言う名の、デッカイ女としか見てへんらしい。
試しに髪短くして髭まで生やしてみたけど、「なにそれヘンなの~」とか「カズ姉に似合ってないよ~」とかしか言われへんかった。
正直、恋心は傷ついとる。
やって、これって告白する前にフラれてる状態やんけ。
……あぁ、もう!
我慢すんの限界!
俺は衝動に任せてミサを壁ドンした。
「え、なに……? カズ姉……?」
戸惑った瞳が俺の顔を見上げてきた。
意を決して、口を開く。
「あのさ……ミサ、俺のことホンマに友達としか思ってへんの?」
「……今さらどうしたの?」
「真剣な話。ホンマに友達としてしか見てへんの?」
「それ、は……」
ミサは狼狽えて、目線を横に逸らした。
「俺は、ミサのこと友達と思ったことは一度もないで?」
「えっ……」
絶交宣言を受けたのかと勘違いしたミサは、ショックを受けた顔でこっちを見る。
しかし俺の言葉のホンマの意味を察して、また目を逸らした。
「俺はずっと……ずーっとミサのこと女としか……異性としか見てへんねん」
「……なんで、そんなこと言うの?」
「好きやから」
「──!」
俺の告白に、ミサは吃驚した様子で、俺の方へ顔を勢いよく向ける。
「好きや。ミサ」
俺は真直ぐにミサを見つめた。
こんなんガラちゃうの分かってる。
でも。
ホンマに好きやねん。
「じょ……冗談キツいよ……」
ミサの声がは、震えとった。
必死で笑おうとしとるのが、返って痛々しい。
けどこれは、ハッキリさせなアカン事やねん。
ミサが俺のこと、どう見てんのかを。
「冗談ちゃう。せやから、俺のことちゃんと男として見て」
ミサはそっと目を伏せた。
その昔、ミサは恋愛で辛い経験をして。
それ以来、男女の友情と言うものが信じられへんくなった。
それでも俺は、ミサの事が諦めきれへんくて……。
友達でええから傍に居りたいって言うたら、“カズ姉”って呼ばせてくれたらって言われた。
「だから嫌だったのに……友達だと思っても……結局好きになっちゃうから……」
ミサは顔を両手で覆い隠す。
「アナタとは……ずっと一緒に居たいのに……“カズ姉”って呼べば……
……え?
それって……。
ミサが顔を覆っとった手を下ろすと、その瞳には大粒の涙が溜まっとった。
「私……また恋をしたの……相手は……誰だと思う?」
「…………え…………誰……?」
オニキスの様な、ミサの綺麗な目から。
透明な涙の筋が、一筋伝い落ちる。
「……好きだよ……姉さ──ううん……一裕……」
「……ミサ──!」
俺はミサを抱きしめた。
「……これで、女同士の友情も信じられなくなっちゃうね」
ミサは俺の身体に抱きつきながら、クスクスと笑う。
そんな彼女の頭を、俺は優しく撫でた。
「大丈夫。俺は女ちゃうから」
THE END