旋空弧月ツインズにお任せあれ
はじめに
設定デフォルト名:太刀川要
太刀川慶の双子。姉なんだか妹なんだか定かではないが二人ともさほど気にしていないので結局はっきりしない。
比較的一般人であると本人は主張している。人にものを教えるのがわりと下手。
とある理由が面倒で喫煙を始めた。人前ではなるべく吸わないようにしたいとは思っているものの、量を変えるという発想には至らないヘビースモーカー。
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「「迅!じーーん!!ヘルプ!」」
「はいはい場所変えるから二人ともこっちね、あと要さんまた換装体で煙草吸ったでしょ、忍田さんに捕まる未来確定してる」
「ハァ!?この前説教くらったばっかりなんですけど!?」
彼女、太刀川要は半身とも言うべき双子の片割れと一緒になって後輩である迅悠一に突進していた。ここボーダー本部ではそこそこよく見られる光景である。
「…で?今度は誰?」
「出水だってよ」
「なんか塩素のにおいがした。プールかな」
「塩素って何だよ怖い。ねえ要さん、それ俺のサイドエフェクトにはまだ視えてないよ」
「じゃあ今すぐ作戦室行って出水の顔見てこい、今すぐ。あいつに死なれるのは困る」
「あいつ超かわいいから死なれるのは困る」
「要お前やけに必死だと思ったら…そういやお気に入り枠だったなあいつ…」
「今すぐ行ってくるからぼんち揚げと今日の夕飯よろしくね」
「「太刀川了解」」
なんだかんだ言いながら迅はいつも要の頼みを断らない。これは要のサイドエフェクトを知っている数少ない人間の1人であるから故の認識とも言えるだろう。
迅悠一はサイドエフェクトで未来を視る。対して太刀川要は、サイドエフェクトで危険を嗅ぎ当てるのだ。
走るなと怒られないギリギリラインのような早歩きで迅が広い本部を太刀川隊の作戦室へ急いでいた頃、槍バカと評される米屋陽介は同じく迅バカと評される緑川駿とランク戦をしようと歩いていた。これもボーダー本部ではよく見られる光景である。
「なあ緑川、さっき太刀川さんたちがすごい勢いで走ってたの見たか?」
「えっ見てないよ!またやってたの?」
「めちゃくちゃ速かったし顔ヤバかった。怖かった」
「今度は何しちゃったんだろうね~」
「弾バカに聞きゃ分かるか…ってあれ、そういや今日弾バカ見てねえな」
「でも太刀川隊は夜任務あるからもう来てるはずだよ」
「作戦室で書類手伝わされてんのか?」
「だからさっき太刀川さん走ってたのかも?」
「要さんもいたけどな。あの人太刀川隊の準レギュラーか何かかよ」
そしてその頃太刀川隊作戦室では、
「ねえ柚宇さん…そろそろ休憩しない…?」
「もうへばるの~?」
「おれがこの格ゲー苦手なの知ってて言ってるでしょそれ」
出水公平が国近柚宇にボロ負けしていた。残念ながらこれもまたボーダー本部、太刀川隊作戦室ではよく見られる光景であった。
「あっ誰か来た!柚宇さん動かなくていいから!おれ開けるから!だからもう休憩で!…ってあれ、迅さん」
「よう出水。元気そうだな」
「え?」
「いや大した用はないんだけどさ。いや、やっぱある、洗剤貸して」
「流しにあるやつですか?なんかあるんすか?」
「ううん、まだ確定じゃないよ。助かった。お邪魔しました~」
「…迅さんってホントわっかんねーなぁ……」
「助かったのは俺じゃなくて出水の方、っと。ま、実力派エリートだからなぁ~」
「お、早かった」
「私の勝ち~」
「くっそ~俺持ちで焼肉か~」
「あんたら何してんの」
「戻ってくる時間賭けて昼奢るのを決めてた」
「今日の夜でいいんだろ?」
「まったくもう…うん今日でいい…あと出水の顔見たら普通に見えたよごめん。太刀川さん、今日中に作戦室片付けて。絶対だからね」
「なんで作戦室の片付けが出水の塩素に繋がんの」
「国近のゲームから逃げる口実に水回りだけでも片付けようとした出水が、混ぜるな危険の洗剤混ぜて中毒で倒れる未来が見えた。そもそもあれだけ散らかってるのがいけないんだよ」
「なんでそんなことも知らないんだ出水ちゃん…」
「まあその分岐は潰してきたわけだけどさ。はいこれ、原因の洗剤」
「さすが実力派エリート~」
「それほどでも。焼肉特上で」
「洗剤で混ぜるな危険ってなんだそれ、そんなもんで死ぬのか」
「慶のバカ!懲りずにしこたまレポート溜めてんのも救済措置の補講バックレてランク戦してたのも全部全部城戸さんにチクるからなバーカバーカ!」
「殺す気か!!!」
「太刀川さんどうしちゃったの…?」
「俺は今日中に作戦室を片付けないと死ぬんだ」
「はぁ?」
・太刀川慶。ボーダーで好き勝手している双子の片割れ。以前忍田と城戸のダブル説教で死にかけ(精神)てからというもの怯え方が尋常ではない。しかし実質改善はみられていない。いやいやまさか。少しは改善されたってことにしといてくれ。また説教されかねない。
・太刀川要。片割れと違いランク戦は滅多にしない。
とある理由=他人の危険がにおい(直感)で分かるサイドエフェクトが煩わしく、喫煙を始めた。趣味はかわいい枠に入れた知人を可愛がること。
・迅悠一。19歳のボーダー勤務なんだか無職なんだか分からない実力派エリート。未来が見えるサイドエフェクトは日々有効に無駄遣いされている。要に可愛がられて(絡まれて)いるが、そのわりにこき使われている。
・出水公平。17歳にしてA級1位隊射手という弾バカ。それ以外ではごく普通の男子高校生。気が付いたら要のかわいい枠に入れられていた。正直に申し上げて要のことは好きだが、あの隊長と双子ってことは少なからずこの人もやべーはずだと若干身構えている。あながち間違いではない。
・米屋陽介。出水同様普通じゃないところを除けばごく普通の男子高校生。槍バカ。首はとりあえず飛ばそう。バカはバカでも決してバカというわけではなく(どうも説明に語弊があるように感じられる)、だいぶ図太い方なので出水程の警戒心は持っていない。
・緑川駿。これまた同じく異常なところを除けばごく普通の男子中学生。お察しの懐きやすさにより要に遭遇するとまず菓子をねだる(初対面時、中学生相手にどうしたらいいか焦ってテンパった要が持っていた駄菓子を全部押し付けたため)。要さんは優しいから好き。でもランク戦してくれないからちょっと嫌い。でも好き。