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砂漠も霞んでしまうほどにからからに渇いた喉を潤すべく、ペットボトルに口をつけながらなまえは椅子を引いた。
重たい腰をようやっと下ろし、口内のそれを素早く嚥下する。勢いよく上下する喉はその渇きを癒そうと躍起になっていた。
ひとしきり含み、ある程度喉が潤されたところで口を離した彼女はそこで漸く自身に向けられる視線に気がついた。
何が面白いのか、男はにやにやと此方を見据える。弧を描く目元に何だとは思ったものの、それに付き合えば男の思う壺というものなので彼女は慣れた仕草で無視をした。
真向かいに座る男の目の前には彼がいつも持ち歩いているノートパソコンがある。そこから伸びるコードはイヤホンで、その先はきっちり両の耳に差し込まれていた。
一通り観察を終えたところで、彼女は再び水を含んだ。
それにしても、視線が煩わしい。口も開いていないのにうるさいとは何事だ。
気を逸らすため、自分も取り敢えず何かしようと彼女は衣服のポケットをまさぐる。しかし目的のものはなく、何処に置いたのか昨晩の記憶を手探りで辿る。そのうちに、件のスマホは枕元の充電器に挿しっぱなしだったことを思い出した。
早速寝室に行こうと立ち上がったところで、待ち構えていたように目の前の男がなまえに向かって手招きをした。
やはりにやにやと笑みを浮かべる男を再度無視しようか迷ったが、結局彼女は面倒くさそうに応じた。
「なァ~に~」
怠さを全面に押し出した態度には可愛さなど欠片もなく、我ながらふてぶてしいばかりだなとなまえは考えた。しかし当の男はそれを気に留める様子もなく、至極機嫌良さそうに彼女に自分が差していたイヤホンの片方を差し出した。彼女は受け取ったそれを不審に思うこともなく、男同様耳に差し込む。
その瞬間、なまえは絶句した。あんぐりと開け放たれた口にメローネは悪戯が成功したクソガキのように大っぴらに口を開けて笑った。
耳へと直接流し込まれたのは女の上擦った声であった。途切れ途切れで聞き取りづらくはあるもののメローネ、メローネ、と繰り返し目の前の男の名を呼んでいる。
とめどない勢いで思い起こされるのは昨夜の情交。未だ熱を引きずる重い腰と身体はその良い証拠だった。
己のものとは到底思い難い声に、なまえは顔を染めた。一種のプレイだったとしても、お天道様が燦々と輝く昼には相応しくないと僅かに残った冷静な彼女は憤慨した。しかし同時に襲ってきた羞恥はそれすらも呑み込み、たちまち湧き上がった感情もしおしおと萎れてしまった。
舌足らずな声はそんな彼女の心情を無視し今度は、おねがい、だなんて懇願している。
なまえは程ない距離に置かれたペットボトルを握りしめ、反射的にその中身をぶちまけた。中途半端に残った水は見事ノートパソコンにクリーンヒット。諸悪の根源、メローネの叫びがなまえの頭遠くで響いた。
少しずつ冷静さを取り戻しつつあるそんな頭に、彼女はお金は出す、だから許せとやはり短絡的な思考のままに謝罪の言葉を浮かべた。
重たい腰をようやっと下ろし、口内のそれを素早く嚥下する。勢いよく上下する喉はその渇きを癒そうと躍起になっていた。
ひとしきり含み、ある程度喉が潤されたところで口を離した彼女はそこで漸く自身に向けられる視線に気がついた。
何が面白いのか、男はにやにやと此方を見据える。弧を描く目元に何だとは思ったものの、それに付き合えば男の思う壺というものなので彼女は慣れた仕草で無視をした。
真向かいに座る男の目の前には彼がいつも持ち歩いているノートパソコンがある。そこから伸びるコードはイヤホンで、その先はきっちり両の耳に差し込まれていた。
一通り観察を終えたところで、彼女は再び水を含んだ。
それにしても、視線が煩わしい。口も開いていないのにうるさいとは何事だ。
気を逸らすため、自分も取り敢えず何かしようと彼女は衣服のポケットをまさぐる。しかし目的のものはなく、何処に置いたのか昨晩の記憶を手探りで辿る。そのうちに、件のスマホは枕元の充電器に挿しっぱなしだったことを思い出した。
早速寝室に行こうと立ち上がったところで、待ち構えていたように目の前の男がなまえに向かって手招きをした。
やはりにやにやと笑みを浮かべる男を再度無視しようか迷ったが、結局彼女は面倒くさそうに応じた。
「なァ~に~」
怠さを全面に押し出した態度には可愛さなど欠片もなく、我ながらふてぶてしいばかりだなとなまえは考えた。しかし当の男はそれを気に留める様子もなく、至極機嫌良さそうに彼女に自分が差していたイヤホンの片方を差し出した。彼女は受け取ったそれを不審に思うこともなく、男同様耳に差し込む。
その瞬間、なまえは絶句した。あんぐりと開け放たれた口にメローネは悪戯が成功したクソガキのように大っぴらに口を開けて笑った。
耳へと直接流し込まれたのは女の上擦った声であった。途切れ途切れで聞き取りづらくはあるもののメローネ、メローネ、と繰り返し目の前の男の名を呼んでいる。
とめどない勢いで思い起こされるのは昨夜の情交。未だ熱を引きずる重い腰と身体はその良い証拠だった。
己のものとは到底思い難い声に、なまえは顔を染めた。一種のプレイだったとしても、お天道様が燦々と輝く昼には相応しくないと僅かに残った冷静な彼女は憤慨した。しかし同時に襲ってきた羞恥はそれすらも呑み込み、たちまち湧き上がった感情もしおしおと萎れてしまった。
舌足らずな声はそんな彼女の心情を無視し今度は、おねがい、だなんて懇願している。
なまえは程ない距離に置かれたペットボトルを握りしめ、反射的にその中身をぶちまけた。中途半端に残った水は見事ノートパソコンにクリーンヒット。諸悪の根源、メローネの叫びがなまえの頭遠くで響いた。
少しずつ冷静さを取り戻しつつあるそんな頭に、彼女はお金は出す、だから許せとやはり短絡的な思考のままに謝罪の言葉を浮かべた。