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原因、といえばひとえに私の油断であろう。
今日は強い風に注意してお出かけください、というお天気お姉さんの予報をしっかり聞いて朝家を出たし、現に風が強いななんて思いながらこの中庭に出てきた。制服のスカートがちょっとタイトめだからって鷹をくくって欠伸をしながら歩いていた私が悪いのだ。
でも、言い訳をさせてほしい。まさか強風にスカートが煽られ、ちょうど通りかかった男子にパンツを見られるなんていう何とも都合の良い出来事が起こるなんて誰も思わないでしょ!
スカートの裾を直す手つきは止めないながらも私はこの状況に対し、中々に焦っていた。
え、こういうときってどうすればいいの?
一際勢いよく襲ってきた突風によりそれはそれは綺麗に捲れ上がったスカートに思わず目を剥いた私と同様、向こうも驚きを隠せないように目を剥いた。当然である。目の前でそれはそれは見事にスカートが捲れ上がったのだから。
その瞬間、まるで互いのそんな思いが繋がり合ったかのように視線が交わった。お互いに何故か足も止めた。
え、ほんとこういうときってどうすればいいの。
何故足を止めた。かなり無理があるけど素通りしてしまえばこんな気まずい空気にならなかったのに!ガッツリ目も合っちゃったし、めちゃくちゃ気まずいよ!幸村くんだって大して仲も良くないどころか話したこともないような同じクラスの女のパンツ見ちゃってどうすりゃって感じだよ!
えー!私はどうするのが正解なの!?
誰でもいいから、誰か助けて!!
「……なんか、ごめんね…」
「いや、こっちこそ…」
いたたまれない気持ちで思わず謝ると、幸村くんもやや視線を宙に浮かせながら言いにくそうに返してきた。
気まずさに、これ以上言葉が続くこともなく居心地の悪い間が広がる。
「…あー、これは見なかったことにでもして」
ほんとごめんね!と走るような言葉を残し、私は逃げるようにこの場を立ち去った。
ほとんど顔も見ずに足早に校舎へと戻りながら、最悪だ、なんて唇を食んだ。とどまるところを知らず大きくなっていく羞恥の感情に穴があったら入りたいような、何処か誰も居ないところに行ってしまいたいような、そんな気分になる。
多分、もう暫くは今日以上のアンラッキーデーは確実に訪れないことだろう。
(星柄…)
ところ変わって同じクラスの女のパンツを偶然にも見てしまった幸村精市。周囲に漏れずその齢通り思春期真っ只中の彼に、見なかったことにしてほしいと言われようともその通りにするなど到底不可能であった。
…
思春期幸村くん。
今日は強い風に注意してお出かけください、というお天気お姉さんの予報をしっかり聞いて朝家を出たし、現に風が強いななんて思いながらこの中庭に出てきた。制服のスカートがちょっとタイトめだからって鷹をくくって欠伸をしながら歩いていた私が悪いのだ。
でも、言い訳をさせてほしい。まさか強風にスカートが煽られ、ちょうど通りかかった男子にパンツを見られるなんていう何とも都合の良い出来事が起こるなんて誰も思わないでしょ!
スカートの裾を直す手つきは止めないながらも私はこの状況に対し、中々に焦っていた。
え、こういうときってどうすればいいの?
一際勢いよく襲ってきた突風によりそれはそれは綺麗に捲れ上がったスカートに思わず目を剥いた私と同様、向こうも驚きを隠せないように目を剥いた。当然である。目の前でそれはそれは見事にスカートが捲れ上がったのだから。
その瞬間、まるで互いのそんな思いが繋がり合ったかのように視線が交わった。お互いに何故か足も止めた。
え、ほんとこういうときってどうすればいいの。
何故足を止めた。かなり無理があるけど素通りしてしまえばこんな気まずい空気にならなかったのに!ガッツリ目も合っちゃったし、めちゃくちゃ気まずいよ!幸村くんだって大して仲も良くないどころか話したこともないような同じクラスの女のパンツ見ちゃってどうすりゃって感じだよ!
えー!私はどうするのが正解なの!?
誰でもいいから、誰か助けて!!
「……なんか、ごめんね…」
「いや、こっちこそ…」
いたたまれない気持ちで思わず謝ると、幸村くんもやや視線を宙に浮かせながら言いにくそうに返してきた。
気まずさに、これ以上言葉が続くこともなく居心地の悪い間が広がる。
「…あー、これは見なかったことにでもして」
ほんとごめんね!と走るような言葉を残し、私は逃げるようにこの場を立ち去った。
ほとんど顔も見ずに足早に校舎へと戻りながら、最悪だ、なんて唇を食んだ。とどまるところを知らず大きくなっていく羞恥の感情に穴があったら入りたいような、何処か誰も居ないところに行ってしまいたいような、そんな気分になる。
多分、もう暫くは今日以上のアンラッキーデーは確実に訪れないことだろう。
(星柄…)
ところ変わって同じクラスの女のパンツを偶然にも見てしまった幸村精市。周囲に漏れずその齢通り思春期真っ只中の彼に、見なかったことにしてほしいと言われようともその通りにするなど到底不可能であった。
…
思春期幸村くん。