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今日の夢見〜獏は密かに夢を見る〜

この世には、使わないけれど買ってしまうもの、取って置いてしまうもの、世間で流行したが廃れていったもの、そんなものがある。この話はそんな“無用なもの”達の話。

『消化器』。それが僕を表す言葉であり、僕の名前であるようだ。何故“ようだ”なのかと言うと、僕は所謂いわゆる記憶喪失らしい。名前は胸についている名札で確認した。
誰もいない、何もないこの部屋にぽつんと鏡が置いてあったので、そこで自分の姿を確認した。そこから僕は、"自分は男、年齢は15〜18歳"だと言う事が分かった。そして、顔には黄色の…、これは知っている。確か"ペストマスク"、と言うやつだろう。だが、口元は無く飲み食いが出来るようになっていた。何故着けているのかは分からない。簡単に外せるみたいだが、外してはいけない気がする。僕の堪はよくはたらく…あれ、なんで記憶がないのにそんな事を思ったのだろうか。
そんな風に思考を巡らせていたら、部屋の扉が開いた。
「♪さぁさぁ参上、君は何者 なにもん?ここに居るとは中々メンドー!
前を見ると、そこにはツンと立った青髪にキリッと澄んだ青い目をして、首にはヘッドフォンをかけパーカーを着た、僕と同い年くらいの男性が立っていた。なんなんだろう、と思ったのは僕だけだろうか。まあ、ここには生憎僕と彼しかいないので確認する術がない。
「あー、また"新品"がいるじゃん。ホントにメンドー。」
「あ、あの。すみません。」
「ん…?なに?聞きたいことあるなら向こう行ってからで良いっしょ?け、けし…ひ、え…?なんて読むんだよ、これ。」
この人は少し抜けてる人なのか、消火器が読めないらしい。
「しょうかき、消火器です。気が付いたらここにいて…。教えて欲しいんですが…。」
「え〜、セツメイとか出来ねぇし。あ、そうだ。」
嫌な予感がする。なんだか歌って説明するとか言い出「ラップでセツメイすれば良いんじゃね⁉︎さすがオレ!それじゃ行くゼ!」
思った通りだった。先程も歌っていたし、やはり得意分野なのだろうか。だが、そのラップというものは知っているが、詳しくは知らないので静かに聞くことにした。
「♪兎に角、分かっちゃいねぇお前は、ビギナー、教えてやんなきゃまずは、誰が?このオレだ“DJ悪明ディージェーアクア”!」
この人はDJ悪明と言うらしい。なので僕はアクアさん、と呼ぶことにした。アクアさんは独特なリズムの歌を歌い出し、そしてそのまま続けた。
「♪ここは無用物が集まるとこ、この後迷う者は事務所行き、この街名前は夢曜街 むようがい
少しわかりづらいので分かりやすく言うと、ここは無用物と呼ばれる僕のような物たちが集まるところらしい。そうしてここにきた物は“事務所”に行くことになっているらしい。そして、やっとここの名前を知ることが出来た。夢曜街、と言うのか。
「あ、ありがとうございます、教えて頂いて。」
「当たり前じゃん?教えねぇとアイツに怒られるんだよ。それじゃ、事務所にGOGO〜。」
「は、はい。」

十字路のど真ん中に立っているのは大きなカッフェのような建物だった。
「ここが、事務所…ですか。」
「そー、変な奴ばっかだけどな。おい、インスタント!」
「はい。写真ですね。撮りますよ〜。はい、チーズ。」
「えっ。」
インスタント、と呼ばれた彼は、僕も見たことがある昔ながらのフイルム式のカメラを手にしていた。それで急に写真を撮られたので少々びっくりしてしまった。
「うーん、まあ良いですよね。それじゃ、現像するので待っててくださいね。」
そして、僕はこの人をインスタントさん、と呼ぶことにした。インスタントさんは長すぎず、短すぎない長さに伸びた髪、ワイシャツにベストを着たカジュアルな服装。そして、常に笑顔を絶やさない顔と物腰の柔らかい言葉遣いはまさに好青年と言える様な人だった。
「あ!おかえりー!井戸はいつも偉いど〜!なんつって!」
部屋の奥から大きな声で低くギャハハハハ、と笑う声が聞こえて来た。
「井戸って呼ぶんじゃねぇ‼︎ジジイの癖に!」
「ジジイじゃないです〜。携帯電話です〜。」
「は?オレだって井戸じゃねぇし。アクアだし。それにお前は携帯電話でもガラケー?って奴だろ。じゃあジジイじゃねぇか。」
アクアの正体は井戸だったらしい。彼も無用物の一つなのだろうか。そして、もう一人ひとつは携帯電話、ガラケーだと言う。その人をケータイさん、と呼ぶことにした。ケータイさんの容姿は七三分けの黒髪、スーツの上を脱ぎ、ネクタイを緩めたワイシャツ姿になっていた。インスタントさんよりも年が上の様に見える。
二人ふたつは仲が悪い様だ。その間に、現像を終えたインスタントさんが写真と珈琲を持って戻ってきた。やはり笑顔だった。
「済みませんね、消火器さん。少々遅くなってしまい─」
しかし、その笑顔はギャーギャーワーワー騒いでいる二人を見るなり引きつったものになっていった。
「あ、あの。インスタントさ─」
「─ッチ!ったくよォ‼︎手前ェら‼︎何回言ったら分かんだ‼︎あ"あ"⁈いちいち、いちいちおんなじ事を俺の前で喧嘩なんざァ、中々タマの大きい男じゃねェか‼︎喧嘩すんなら俺としなァ‼︎」
インスタントさんのその言葉を聞いて、二人は飛び上がった。最早ここまで変わってしまえばむしろこの人はインスタントさんなんだな、と思ってしまうのはなんでなのだろうか。
「あ!ヤバイ!キャメロンが怒ってる!」
「クソガラケー‼︎その名前で呼ぶな!インスタントがもっと怒るぞ!」
「待ちやがれ‼︎クソガキィ‼︎」

騒ぎ始めて何十分が経っただろうか。僕はただ、事務所のソファに腰をかけてとうに冷めてしまった珈琲を少しずつ飲んでいた。
「…ごめんね、消火器くん。君と言う新入りが来ているのに騒がしくて。」
「いえ、大丈夫です。…それより、僕はここで何をすればいいんですか?」
「好きなことをすればいいよ。井戸はバカだけどこの街では有名なプロラッパーをやっているし、携帯はここの事務をやっているんだ。」
「へぇ、好きな事…ですか。」
好きな事。記憶が無い僕には分からなかった。そもそも、今の僕は記憶が無くなる前の僕と同じなのだろうか。そのうち思い出すだろうか。
「オイ、インスタント。」
「あ"?…。」
「ほら、反省文書けたぜ。」
「…はい、ありがとう。じゃ、いつも通りにしてください。」
「あぁ、音読な。」
反省文とは音読するものだっただろうか。少なくとも僕の知識にはそんな事無かった。だが、アクアさんは何の疑問もなく音読を始めた。…ここでは常識なのだろうか。
「行くぜ…、♪喧嘩すんのは日常茶飯事、迷惑かけんのは分かってるマジ、そんなオレらは許されるまじ?だけどそれがオレらの味!
アクアさんは反省しているとは思えないあの独特なリズムの歌を歌った。これは反省しているのだろうか…?
「…反省、してないんですか?」
「そうなんだね、井戸?」
「い、いや!そんな事ない!だってほら!紙の方はちゃんと書いてあるだろ!」
作文用紙を見ると、確かにしっかり書けている。字こそ汚いが、内容は思った以上にまともだった。悪明、と名乗ってる割には悪びれることはなさそうに感じた。
「そうだね、反省していないのなら何かしてもらわないと、ね。」
「反省してるって!ちょ…!喉に触んな!オレのラップ人生に関わるからさ!」
「うーん、そうか…。あ、それなら消火器さんの指導をしてくれるかい?」
「へ?」
僕の、指導?何をされるのだろうか。思い当たる節はないが、過去に何かやったのかもしれない。記憶が無いのは不便だ、とつくづく思う。
「はぁ?何?ラップでも教えればいいのか?」
「うん、それで良い。それじゃ、お願いするよ。」
「わかった。オイ!…え〜と、メンドクセー!ちょっと待ってろ!」
未だに名前を把握してくれていないのか。そんなに覚えにくい名前だろうか。インスタントさんはすぐに覚えていたが。
そういえば、アクアさんはバカだって言ってたけれど、どれほどの物なのだろうか。聞き忘れたしまった。
「ほら!これで良いだろ!貼っとけ!」
「『Sho-ca』…ですか?」
「おう!お前の名前、ショーカキなんだろ?だから、Sho-ca。」
あだ名。初めてもらったような気がする。アクアさんはやはりとても優しい人だ。…ただ、感情に流されやすいみたいだ。
事務所でやるのは流石に迷惑だと思ったので、外に出て教えてもらうことにした。
「あ、あの。ちなみに何ですけど。」
「ん?」
「"九九"って、言えます?」
この際だ。道の途中だが聞いてしまおう。とても直接的だけれど、答えてくれるだろう。
「はぁ?言えねぇ。」
予想外の言葉が返ってきた。しかも即答だった。九九が言えない。あまりに予想外すぎたので、僕は3秒ほど固まってしまった。
「それなら、120+650って出来ますか?」
「はぁ?足し算だろ。えっと…ヒャクニジュー?とロッピャクゴジューだろ?いち、に、…」
まさかとは思ったが手を使うとは。やはり頭が弱いらしい。
アクアさんは五分ほど悩んで、やっと話し出した。
「─出来た!えっと…。…サンとナナとグーだ!」
「グー、ですか。(…0のことかな。)3と7と0…違いますね。」
「…べ、別に計算なんてしないし。オレにはいらねぇから…。…ちなみに正解はいくつなんだよ。」
「660ですね。」
「…。」
「…。なら、12+43って出来ますか?」
「それなら簡単だ!…ちょっと待ってろ…。」
今度はちゃんとできるだろうか…。アクアさんが不安だ。
待つこと三十秒。答えを出せたらしい。
「…っし!50だ!っふ、このくらいは出来るぜ。」
「当たり前ですよ。」
「え?」
「え。」
「…。」
「…。」
「…おし!お前、することねぇんだろ?じゃ、とりあえずラップを教えてやるよ。」
あの間は何だったのか。それより、ラップを教えてくれるらしい。やりたい事、好きな事が思い出せない今、可能性だけでも見つかれば良い。いつ、本当の好きなことが見つかるか分からないが。
「まずはお前のセンスを見たいから、ちょっと適当にやってみろよ。…あ。あと敬語なんか別に使わなくて良いからな。同い年だろ?」
「え、あ、う、うん。わか─った。」
急に親しくされると少し変な気持ちになる。今までずっと誰かに寄り添われたことは…、多分なかったのだろう。だからこそ、こんな気持ちになるのだろうな。僕は変わっているのだろうか?
それより、ラップか。適当にやってみろ、と言われても…。なんとなくルールは分かっているつもりだが、韻を踏んでいれば良いのだろうか…?
「え…っと。い、行きます。♪僕は、消火器─?そ、それは─そうかい?そんなこんなで、無用入り〜…なんて。こ、こんな感じ…でしょうか。」
「…ん〜。なるほどなぁ…。」
ダメだったのだろうか。なんだか急に恥ずかしくなってきた。とても顔が赤くなって行くのがわかる。…目元だけマスクをしているので少しはバレないだろう。だが、アクアさん…いや、アクアは僕の事に気付いたようだ。顔が半分出てるなんて都合の悪いマスクだ。…もしかしたら耳まで赤くなっていたのだろうか?…率直に恥ずかしい。
「なに、お前照れてんのか?いや〜、結構よかったぜ!オレが見てきた中でも中々のセンスだ!」
「あは!井戸ンテス〜!うぃ〜感じ?」
ケータイさんは夢曜街のパトロールに来たらしく、アクアに話しかけた。
「当たり前だ!この野郎!久々に当たりを引いたぜ!」
アクアは僕のことを褒めてくれた。素直に嬉しい。口元が少し緩んで行くようだ。本当に都合の悪いマスクだ。
「へぇ、くふふ。君が褒めるなんて珍しいね!鳥マスクの君、自信持ったほうがイイネ!」
鳥マスク…この場には僕とアクアしかいないので多分僕だろう。ケータイさんは言いたい事を全部言い終わったのか、親指を立てて去って行った。自信…、僕は記憶が無いから元々あったものはないけれど、自信だけは持たせてもらっても良いだろう。…全てを過去に委ねる考え方も改めても良いのだろうか?
「あ、あの…さ。僕は…。」
「おっしゃ!ショーカのラップ聞いたらオレもしたくなってきた!しっかり聞いとけよ?手本を見せてやる!♪オレはバカじゃねぇ、マジのラッパー。これでカマすぜ、マジのアッパー。発破、見せつけるディメンション、そんでメンドーゴトはご法度!
「す、凄い…。僕のとは比べ物にならない…。」
ついつい声に出してしまった。内容の方もしっかり筋が通っている。意味は…わかって使っているとは思えないが、内容が繋がっている。流石、プロのラッパーという程だ。
「それはあたり前だ!だってオレは頑張って練習したんだ。でぃめんしょん、とかごはっと、とか普通意味わかんねーだろ?インスタントとかガラケーの野郎に教えてもらったんだ。」
意外と勉強熱心なんだな。ラップに対しての知識に関しては本当に真剣そのものだ。初対面ではひどい第一印象を抱いてしまった。今更だが申し訳なく思う。
「ぼ、僕も…、頑張れば出来るでしょうか⁈」
「モチロン!インスタントにも協力してもらおうぜ!」
そこから僕の夢曜街生活はほぼラップに割かれて行った。

アクアとのラップ生活はとても楽しいものだった。ある時はインスタントさんに言葉を教えてもらったり、
「なぁ、インスタント。この"かりかちゅあ"ってどーゆー意味?」
「カリカチュア?ああ、それは戯画、漫画、風刺画、という意味があるんだ。ラップで使いたいなら風刺画かなぁ。」
「風刺画…ですか。」
「ふうしがってなんだ?」
「…だよね。」
またある時は息抜きだ、と遊園地に一緒に行ったりもした。
「ねぇ、アレ乗ろうよ。」
「え、オレ、アレ苦手なんだよ。ローラーコースター。」
「じゃ、克服しよう!」
「は、はぁぁぁあ⁉︎」

「…死んだ。」
「ごめん。次はアクアが乗りたいのに乗ろう。」
「─しゃ!ゴーカートんとこ行くぞ!」


記憶が無くなる前の僕、ごめん。本当はこんなこと望んで無いかもだけど、もう少しこの生活を楽しみたい。だから、過去は無視する。
ここは、アクアは、皆は、僕のことを受け入れてくれた。だから楽しい、と心から思えるようになった気がする。…"気がする"?過去の自分はこんな経験をしなかったのだろう。自分ながら悲しい奴だったな、と思う。

「…っし!いい感じになってきたし、1発オレんとこでやってみるか?」
「ええ⁉︎ひ、人の前でやるって事?出来るかなぁ…。」
「ショーカなら出来るだろ!ほら、いくゼ!」
そう言われて、アクアのライブハウスに連れていかれた。そこは人がごった返していて、アクアが壇上に上がるや否や観客は大盛り上がりを見せた。僕は感じたことのない、不思議な浮遊感的なものを感じた。
「お前ら─!今日は特別ゲストだ─!早く来い!『Sho-ca』!」
「は、はい…!」
アクアに名前を呼ばれ、僕は壇上に飛び上がった。観客は僕が誰だか分からず、困惑してざわついているようだった。やはり僕はそれほど求められているわけではないらしい。
ここに来たばかりの僕なら悲観していただろう。でも今はアクアがいる。自信もそこそこある。だから、いいんだ。
「それじゃ、Sho-ca、初っ端から飛ばしてけー!」
「─!♪記憶が無い、見たことない、ルールも知らない、意味わからない!投げ出され打撲、見出された僕。名前は『Sho-ca』、無用でしょうか?いやはやそれが僕の生涯!
「♪お前だけじゃねぇ、オレもそうさ!頭は良くねぇ、出来ねぇ操作!だけど悪くねぇ、仲間がいるさ!無用なんてねぇ、いくぜ勇者!
「♪それは僕なの?まさか脳裏の、だけどNOはない──
僕は知らず知らずのうちにアクアに続けていた。観客の声も聞こえないくらい、その掛け合いが楽しかった。今まで覚えてきた事、過ごした日々、皆との会話の中で僕は様々な記憶を得て、ラップとして表現できることが嬉しかった。
色々考えながらアクアとラップの掛け合いをしていたらいつのまにか終わっていた。
「あ〜!楽しかった!やっぱラップは楽しいぜ!」
「うん、楽しかった。僕にとってもいい経験になったかも。」
「そうだ、お前、好きなこと見つかったか?」
忘れていた。好きなこと、か。アクアと一緒に生活して、この街に触れて、いろんな体験をした。その中から、好きなことを思い出すことが僕の目標だった。でも、もう決まっているじゃないか。僕の好きなことは、
「ラップ。今はアクアとラップをすることが好き、かな。」
「そうか!そりゃ〜良かったぜ!オレはいい人材を見つけられて、お前は好きなことを見つけられて。…えーと、こういう時なんていうんだったかなぁ〜…。」
「万々歳、かな。」
「それだ!やっぱショーカは"きそちしき"があるからな!今度からはガラケーの野郎じゃなくてショーカに聞いた方がマシか…?」
「そんなことないよ。だって僕だってまだ青二才だからさ。」
「あおに…。難しい言葉使うなよ!」
「あは。ごめん、未熟者って事だよ。」
「あ〜…、それならギリギリ分かるわ。」
ギリギリなのか。でもそれがアクアらしい。僕も、僕らしさが見つかれば良い。…もう見つかっているのかもしれないけども。それで良い。
この間、この街に来たばかりの時は感情なんて持っていなかったようなものだった。でもアクアが、いや、アクアだけではない。インスタントさんが、ケータイさんが、僕たちのライブを見に来てくれた人々が僕を変えてくれた。
過去の出来事を振り返って見るのも良いかもしれないけれど、少しは立ち止まろうと思った。きっと僕は自分の周りしか見ていなかったんだ。自分に焦点を当てずに。だから、自分の記憶がない。だって、自分を見ていないんだから。あるはずが無いんだ。きっと、僕はここで生まれた。そんな事例はないってケータイさんは言うだろう。僕が満足できればそれは僕の記憶になる。
「─い、おーい!ショーカ?何ぼーっとしてんだよ!俺の話ぜってー聞いてねぇだろ。」
「あ、ごめん。色々考えてたんだ。僕がここに来た頃から今までのこと。」
「ふーん、難しいこと考えてんな〜。俺には何も分からねぇ。でも、俺はそのまま突っ走るだけだぜ?おし!ライブハウスまで競争だ!」
「え、え⁉︎今から⁈」
「よ〜い…、どん!」
「ま、待ってよ!…っ、速っ─!」
これからも、こんな楽しい日々を過ごせるなんて、感謝しなきゃな。
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