「…
ユーリアよ」
「はい?」
「お前は日頃からよく働いている。だから何か褒美を与えたい」
「ご褒美?」
「ああ。何でもいいから言ってみろ」
「ん~…それじゃあ…、…あなたと一緒にお風呂に入りたいわ」
「………あ?」
「それでね、…全部やってほしいの!服を脱がせるところから全部よ!髪を洗って、体を洗って、上がったらちゃんと拭いてね?服も着させてほしいわ。最後に髪を乾かして!」
「……………」
「………ダメ…?」
「ダメじゃねぇが…。…お前はそんな事でいいのか?褒美ってのはもっとこう…物をねだるとかな…」
「欲しいのは…、あなただけだから…」
「げほ!げほっ!」
「あらっ大丈夫?」
「…平気だ。ただの幸福感アレルギーだ」
「幸福感アレルギーとは?」
「慣れねぇ幸福感を得ると咳、息切れ、激しい動悸等を発症する…」
「大変だわ…病院に行かないと」
「薬で治るもんじゃねぇ。別に困ってねぇから心配すんな」
「でも…」
「そんな事はどうでもいい。…それより俺はお前の望みを叶えたい」
「…うんっ。ふふ、でもちょっと恥ずかしいわね。お互いに色も形も全部知り尽くしてるのに…」
「ごほ…っ!」
「アレルギー反応が…っ!大丈夫?」
「大丈夫だ…」
「本当に?」
「心配する必要はない…」
「そう…?…なら…お願い叶えてもらうの…今からでもいい?」
「………ああ」
「じゃあ………一緒にお風呂、入ろう?…服、脱がして………?」
――――――――――
「…とまぁ嫁が可愛すぎて気を失いかけた訳だが、クソメガネ…いや、ハンジよ」
「珍しく言い直したね。相当機嫌がいいらしい」
「お前はこんな事を言う嫁をどう思う?」
「クソ可愛いと思うよ」
「そうだろう。少しは見習った方がいい」
「うるさいよ」
「お前は何か褒美をやると言われたら何をねだる?」
「あー…そうだなぁ…」
「そうだ、普通はそう金の掛かる事を言うはずだ」
「何も言ってないよ」
「俺もそのつもりだった。高価な物を買ってやるとか、気軽には行けねぇようないい店でいい物を食わせてやるとかな。それがどうだ…あいつの欲しい物は俺だけだと。一緒になって結構経つが、未だに幸福感アレルギーがひでぇ」
「幸福感アレルギーとは」
「察しろ」
「はいはい。で、その惚気はいつ終わるの?」
「あ…?惚気はこれから話すんだが…」
「いやもう終盤でしょ!?昼休み終わるよ!?」
「チッ…短ぇな」
「どんだけキレてんの?どんだけ
ユーリアについて語りたいの!?大好きか!!」
「当然だ…」
「もうお腹いっぱいだよ~デザート甘すぎて胸焼けするよ~助けてエルヴィーン!」
「時間だ。先に戻る。…今日飲みに行くぞ」
「まだ語り足りないの!?絶対行かないよ!?ねぇ!ちょっと!?行かないからねっ!?」
《嫁が可愛すぎて気絶しそうな件について》
Ende.