朝、目が覚めたその瞬間 異変に気が付いた。上体を起こして目元を押さえる。…まつ毛が上下に動く…という事は、目を開けたり閉じたりしているのよね。…なのにずっと真っ暗なのは…目が見えていないって事か…。たまにあるのよね…こういう体の異常…。…久しぶりに光に嫌われてしまったみたい。すぐに治まればいいけど、自分の体の事だからか何となく分かるわ。多分、少なくとも半日はこのままだと思う…。どうしよう…早く起きて朝ご飯を作らなきゃいけないのに…。あんまり起きるのが遅いと…、
「───オイ、
ユーリア」
ノックの音と彼の声が耳に入った。やっぱり来ちゃった…どう誤魔化そう…。
「…
ユーリアは寝ている。起こさないでほしいと思っている…!」
「起きてんじゃねぇか」
「これは寝言だ!」
「そうか。じゃあ起こさねぇとな。入るぞ」
あああ…失敗した…リヴァイは空気が読めないみたい…。扉が開かれた音がした。…もうすぐ傍まで来てしまったかしら?どうせ目を開けていても見えないから閉じているけど…、…今私の顔見てるのかな?
「起きたくねぇ理由があるなら聞くが?」
声が聞こえた方とは逆の方を向いたのは無意識だったけど…リヴァイはそれが気に食わなかったみたい。少し不機嫌そうな声で「オイ」と言われてしまった。
「目を開けてこっちを向け」
………私はこんなに頭の回転が鈍かったかしら。どう誤魔化せばいいか分からない。…目が全く見えないなんて本当の事、知られたくない…。…心配させたくない…。
とりあえずは従った方がいいわよね…。…素直に声がした方を向いて目を開けた。
「………オイ、お前…どこを見ている」
「…リヴァイがいる方………」
「………俺の顔を見ろ」
どうしよう…顔の位置は……この辺…?
少しの沈黙の後、盛大な溜息が聞こえた。ベッドが沈んだのはきっと彼が座ったからね…。
「見えないなら最初からそう言え」
「………ごめん…」
「すぐ治まりそうなのか」
「分かんないけど……しばらく見えないかも………」
目元を押さえて俯く彼が容易に想像できる…。私の体調が悪い時はいつもそうやって…心配そうに顔を顰めるの…。
「お前のそれは………一体何だ」
「それ…って、」
「ある日突然目が見えなくなったりするそれだ。指先の感覚が鈍くなった事や震えが止まらなくなった事もある。…そういう体の不調は何なんだ」
「……………」
「お前はいつも何でもねぇと言うが、何でもねぇ奴はそんな事にはならない。…何かの病だとしたら早急に医者に掛かる必要があるだろう」
「……………命に関わるような事じゃないわよ…。子供の頃からこうだけど、今も元気に生きてるじゃない」
「それを元気と言うならな」
「元気だってば………」
………言えない。私を育ててくれたたった一人の肉親も同じような症状が出ていて、…ある日突然この世を去ったなんて…口が裂けても言えない。彼も私もお医者さんに診てもらった事は何度もある。でも、どのお医者さんも言う事は同じだった。…原因は分からない。…治療の方法が分からない、奇病だと。この人にこれを伝える時は…死を悟った時かな。それまでは…大丈夫、で誤魔化し続けなければ…。
「リヴァイ………」
手を伸ばしても彼には届かない。思ったよりも遠くにいるのか、全然違う方に手を伸ばしているのかな…。
「どこ…?」
数秒置いてから「ここだ」と言って手を握ってくれた。…暗闇の中ではとても不安なのに…どうしてこの人の温もりを感じただけでこんなに安心できるんだろう。
握り返した彼の手を頬に当ててみる。一瞬力が入ったような気がしたけど、嫌がってはいないみたい。振り解く事はせずされるがままじっとしている。
「大丈夫よ。…大丈夫」
「………何がだ」
「…これはきっと…神様からのプレゼントなの」
「プレゼント?視力を失う事のどこがプレゼントだと?」
「だってリヴァイに…見てもらえる。こうして構ってもらえる!心配させたくはないんだけど…でも心配するって事は、あなたの中に私がいるって事でしょう?それは私にとって…嬉しい事なの」
「ふざけるな。こんな事がなくても俺は常にお前を………、………」
…何かしら…?言いかけてやめてしまった。
「…常に、私を………見てる?」
「……………ああ」
「いつも私の事を考えてくれているの?」
「……………かもな」
「そう………」
そうだったんだ…。…多分、嘘じゃないと思う…。声が小さいから…照れているのかな。…今…どんな顔してるのかしら?
「顔が見たい…」
「…いつも飽きるほど見てるだろ」
「今見たいの」
「…なら早く正常に戻る努力をするんだな」
「ん…」
この人はたまに難しい事を言う…。
あ…ベッドが少し揺れた…?立ち上がったみたいね…手はまだ繋いだままだけど…、…離れてしまうのかな…。
「悪いが今日は外せない会議がある」
お仕事…そうだわ、私のせいで遅刻してしまう…。
「ごめんなさい…朝ご飯も作らずに時間を奪うだけ奪って…」
「誰が謝れと言った。責めているとでも思ったか?」
「そうじゃないけど…」
「時間なら余裕がある。お前が身支度を整える時間は十分にな」
「え?私はどこに行く準備をするの?」
「出勤だ。俺と一緒にな」
「な…なぜ?」
「なぜだと?そんな状態のお前を一人残して出るわけにはいかねぇからだろ」
「こんな状態だからこそ迷惑になるわ。あなたの邪魔にはなりたくない…」
「いいや、ここに一人で残られた方が迷惑だ。見えねぇくせに暇だからと徘徊し誤って刃物に触れる可能性は大いにある。そうなった場合どうやって応急処置をするつもりだ?手当てに必要な道具の場所も分かりゃしねぇだろ。それに便所と間違えて外へ出る扉を開けたらどうなる?考え出したら切りがねぇ。なら本部で誰かしらの監視がある方がいい。俺もすぐに行けるしな」
…まさかここまで心配性だとは…。赤ちゃんじゃないんだからそんな心配はいらないのに…。さすがに大人しくベッドにいるわよ………多分。
「俺に心配を掛けたくねぇんだろう。なら従うな?」
「……………はい」
まぁ…確かに一緒に行った方が暇しないわね。
…だけど一つ大きな問題がある…。着替え…どうしたらいいの?さすがに寝巻きのまま外へは出たくないわ…。
「……………」
…多分今同じ事を考えているわね…。脱ぐことは簡単だけど、着るのは難しいかも…。
「リヴァイ………着替え…手伝ってくれる?」
「……………」
沈黙………何を考えているのかしら…?
「こればかりは仕方ねぇ………そうだろう?」
「う…うん」
「仕方ねぇんだ。…ああ、仕方がない」
「何回言うの?」
「他意はない。悪意もな」
「疑ってない…」
一体何を気にしているのかしら…?下着姿を見られた事は以前にもあるし、裸を晒した事だってあるわ…それなのに今更何を………、
「クローゼットを開けるぞ」
「ん」
彼の手を握ったままゆっくりとベッドから出る。
…クローゼットの前まで連れて行ってくれるのを待っているんだけど、リヴァイは立ち止まったまま黙っている。まだ何か気にしているのかしら?
「………手を、離す気はねぇのか…」
「え?」
…あれ?私はベッドで待ってれば良かったの?…そっか、確かに二人でクローゼットを開ける必要はないものね。自分で着たい服を選べるわけでもないし…。…でも、できれば手は………、
「離したくない…」
「っ………そうか」
手を離したら…また真っ暗闇に一人きりになってしまう。それはとても…怖い。
「服は…適当に選ぶぞ」
「あ…うん。着てほしいなって思うの、選んで着せてちょうだい」
多分シャツとセーターに丈の長いスカートだと思うけど、どの色の組み合わせを選んでくれたんだろう?今日のリヴァイは私に何色を着てほしいと思ったんだろう…気になるなぁ…。人に選んでもらって服を着る事ってないからちょっと嬉しいかも。
「何笑ってんだ」
「何でもない」
「……………」
ん?また黙っちゃった…。時間は本当に大丈夫なのかしら…?
「………いいか」
「え?」
「…脱がしてもいいかって聞いてんだ」
「あ………うん…」
リヴァイは小さく息を吐いてから私の髪の毛を後ろに流した。な…なんだか…ちょっと………。
…肩を出すように下ろされたネグリジェがすとん、と足元に落ちた音がした。薄い下着一枚になってしまったわ……今…リヴァイに見られてるのよね…?
「…は、…恥ずかしい………」
「っ………俺に悪意はないが、お前は」
「あ…悪意?」
どういう事なのかしら…この状況で悪意とは…。
「からかっているつもりならやめろ。…取り返しのつかない状況になる覚悟があると見なすぞ」
言っている意味が分からない…。取り返しのつかない状況…?
「からかえるだけの余裕は…ないかな…」
寒いし…。って付け足すとすぐにシャツを羽織らせてくれた。小さい声で謝ってたけど、私は一体何を疑われたのかしら。…もしかして、そういう事?…さすがに冗談でも誘うような真似はした事ないけど…。そういうふうに見えちゃったのかな?…気を付けないと………。
きっちり丁寧にシャツのボタンを留めてからスカートを履かせてくれた。なんか本当に…申し訳なく思えてきたわ………。
「ごめんね…こんな事させて…」
「何だ、構ってほしい時は平気で着替えさせろと命令するじゃねぇか」
「…でも着替えさせてもらった事はないわ…」
「当然だ。言っただろ。…仕方ねぇと」
「………ごめん」
「オイ、勘違いするな。仕方ねぇから嫌々やっているという意味じゃねぇ。今日は俺が手を貸さなきゃならねぇほどの事情があるだろう。だが普段は違う。…甘えるのはいい。極力構ってやるつもりだ。ただ忘れるな。男は全員クソ野郎だという事をな」
「…ん?リヴァイはクソ野郎じゃないわ」
「お前は分かってない。どうしようもねぇ事情がなければ、クソ野郎になり得る可能性が十分にあるって事だ。体の自由が利かねぇ奴に変な気は起こさねぇがそうじゃなかったら…少し考えれば分かるな?」
「正直分からない」
「………じゃあもういい」
よく分からない…。けど、…そういう事情?がなかったら我慢できなくなるって事かしら?リヴァイが?私に触りたくなっちゃうって事?………だとしたらそれは、まずいわね…。
「これからは刺激しない程度にからかうわ…」
「からかうのをやめてもらいたいんだが?」
「……………」
「聞こえねぇふりをするな」
「ねぇ私 寝癖ついてる?」
「ついてねぇよ」
「髪 変じゃない?」
「変じゃない」
「…でも梳かしてほしい、」
「………了解だ」
急に話を変えるのはいつもの事だから慣れっこみたいね。私の次のわがままを聞いたリヴァイはそっと肩に手を置いて誘導してくれる。多分鏡台の椅子の前まで来たのね。座れと言われて素直に従った。…ブラシで優しく髪を撫でられる…気持ちいい。
「頭を撫でられたり髪を触られるの…好き、」
「…そうか」
「リヴァイも好き?」
「さぁな」
「髪を触るのは?いつも私の髪の毛を切ってくれているけど…」
「好きじゃねぇ。そもそも他人に触れる事自体がな」
「……………ごめん、」
「何の謝罪だ」
「嫌な事強要してたのかなって…」
「オイ…俺は他人にと言ったんだが?」
「…え?」
「………ほう、そうか。お前は俺を大して親しくもねぇ赤の他人だと思っていたわけか…」
「お、思ってない!」
「じゃあ何だと思ってる」
「とっても大切な…友人でも家族でもある…特別な人…」
「俺とお前はよく似ている。…そういう所の認識もお前と変わらねぇという事を覚えておけ」
特別な人って思ってくれているんだ…。私の片思いじゃなかった。家族だと…大切な存在だと…思ってくれていた…。
振り向いて手を伸ばしたらすぐに触れる事ができた。立ち上がって手探りで抱き着いてみる。
「オイ…」
耳元で戸惑ったような声色の呼び掛けが聞こえた。でも離す気はないわ…嬉しい事を言ってくれたリヴァイが悪いと思うの。
「…まだ終わってねぇぞ」
「手でやって?」
もう手櫛で十分だと思う。って言ったらそっと髪に指を通してきた。…ただ頭を撫でられているだけみたい…。勝手に抱き着いているだけだけど、何だか受け入れてもらえてるみたいで…さっきよりも嬉しい思いが膨らんでしまった。何だろう…この気持ち、
「…あったかい」
「………」
「あったかくて…とっても安心する…」
暗闇の中でも一人じゃない…私には、リヴァイがいる………。
…髪を梳かしてくれていた手がぽんぽんと優しく頭を撫でた。今してもらいたい事が分かるのはどうしてかしら?私がしてほしい事とリヴァイがしたい事が一緒なのかな?似てるって言ってたもんね。
「………そろそろ時間だ。…行くぞ」
「うん」
彼に手を引かれて歩き出した。ゆっくりゆっくり歩いてくれている…本当に間に合うのかしら?まぁリヴァイが大丈夫だと思っているなら大丈夫か…。
「会議にさえ出りゃいいはずだ。半日休暇をもらえねぇかエルヴィンに聞いておく」
「ごめんね、私のせいで…」
「謝る必要はない」
もうすぐ本部に着くかな?って所でそんな会話をしていたら、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あれ?リヴァイじゃないか!今日はまたずいぶんと…朝から熱いねぇ!兵長が嫁と手を繋いで出勤している件について、部下達が騒ぎ出しそうだ!…というか普通職場に嫁連れて来る?どんだけ離れたくないの?どんだけ手を離したくないの?」
「チッ…朝っぱらからうるせぇな」
「その声はハンジね!おはよー!」
「ああ、おはよう
ユーリア。…いや何で目を閉じているの?寝てるの?」
「かくしかだ。分かったら失せろ」
「かくかくしかじかすら略さないでよ。全然分からないよ」
「リヴァイがとっても心配性でね、救急箱の場所が分からないから手を繋いで来たの。髪も梳かしてもらっちゃった!」
「うん、ちょっと分からないかな」
「ねぇリヴァイ、ハンジとお話したいわ。あなたが会議の間ハンジと一緒にいたい」
「悪いが会議室にはこいつの席もある。俺の班の連中に声を掛けるから奴らと大人しく待ってろ」
「班の子達?やったー!リヴァイの秘密いっぱい喋っちゃおう!」
「やめろ…手を離すぞ」
「え?何その脅し気持ち悪」
「それはやだ…ごめん、」
「え?何その感じ。二人はついに結婚したの?」
「オイ、ハンジ。俺の班の連中を呼んで来い。食堂で待ってる。…行くぞ
ユーリア、歩けるな?」
「ん、」
人使い荒くない?ねぇ?ってハンジの声が聞こえたけど、リヴァイは無視を決め込むみたい。
食堂でご飯を食べさせてもらっている内に班のみんなが来てくれたみたい。状況の説明を聞いたみんなが心配そうな声を上げた。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
「お前らの任務はこいつの監視だ。俺が戻るまでこの場から動かねぇようにしっかり見張れ。いいな」
監視って…。だから大人しくしてるってば…。
…そんな事より私に食べさせるばかりで自分は食べていないんじゃ…?これからお仕事なのに…、
「ねぇ、私はもういいからあなたもちゃんとご飯食べて?」
「…一緒に食ってる。なぁ?お前ら」
一瞬の間を置いて班のみんなが肯定する言葉を言った。兵長もちゃんと食べているので気にせず食べてくださいって、…本当かなぁ。
お腹がいっぱいになって少ししてから肩に触れていた温もりが離れてしまった。…リヴァイが立ち上がったのね…。
「…行ってくる。大人しく待ってろよ」
「あ…ん、行ってらっしゃい」
…食欲なかったのかな…。食器の音や咀嚼音が聞こえなかったから…やっぱり多分食べてないんだと思う。…光が戻ったら食欲がなくても食べられるようなもの…美味しいの、作ってあげなきゃ。
班の子達とお話をしてけっこうな時間が経った時、真っ暗闇だったのが少し白っぽくなった事に気が付いた。もしかして視力が戻ってきたのかしら?目を開けるとうっすら景色が見えた。人や物の判別は出来ないけど、色なら分かるわ。すぐに着ている服の色を確認する。リヴァイが選んでくれた服。彼は何色がいいと思ったんだろう?………セーターもスカートも、私が気に入っていてよく着る色だった。適当に選ぶって言ってたから…いつものでいいやって思ったのかな…?………でも、
『お前が選んだ、お前がいいと思ったものは俺にとっても最善だ。例外はない。全てにおいてだ』
『私の好きなものが好きって事?』
『ああ、その解釈でいい…』
なんて会話を前にしたっけ…。って事は…これがリヴァイの好きな色なのかも。…本当にそうだとしたら…、なんだか………、
「どうしたんですか?
ユーリアさん。なんか嬉しそうですね?」
「ううん、何でもないの…。…ただちょっと…、…リヴァイって…私のこと好きなのかな?なんて…ふふっ」
「え?そうですよ。今更何言ってるんですか?」
「え?」
「オイ………」
「あ、兵長お疲れ様です!」
「くだらねぇ話をしてねぇだろうな」
「兵長にとって都合の悪い事は何も!」
「………ならいいが。…付き合わせて悪かったな。各々持ち場へ戻れ」
今更…って、…リヴァイが私を好きなのは当然の事なの…?………それもそっか。家族だもんね…!
「オイ、
ユーリア。起きろ」
「寝てない!」
「帰るぞ」
「お休み貰えたのね!」
「エルヴィンが事情を聞いて承諾しねぇわけがねぇ」
今度お礼を言わなきゃいけないわね。何かお菓子でも作ろうか…。どんなのが好きなのか聞いといてもらおう。
「…調子はどうだ」
「ん、悪い!」
「そうか…」
じゃあ仕方ねぇな。そう言って手を握ってくれた。もしかしてその仕方ないって自分に対する言い訳なのかな…?いつもはリヴァイからこうして手を伸ばしてくれる事は滅多にない。触れる事を避けているような所があるのよね…。…ごちゃごちゃ考えるのはお前の悪い癖だって言われた事があるけど、リヴァイも一緒じゃない。…何にも考えなくていいのに。
「ねぇ、…構ってほしい時、寒い時、寂しい時…何にも考えずに手を握って?そういう時も、"仕方ねぇ状況"だと思うの」
「………、」
「ごちゃごちゃ考えるのはあなたの悪い癖だわ。拒んだりなんてしないから…。私のわがままをたくさん聞いてくれている分、私も聞いてあげたいから……ね?」
…リヴァイは何も言わずに、握った手に少し力を込めた。それにどういう意味があるのか…今どういう気持ちで何を考えているのか分からないけど、うっすらと見えた顔がちょっとだけ笑っているように思えた。…でもまだ全然見えないから、手を引いてもらわないと歩けないから…ちょっと見えるようになったかも?なんて余計な事は言わずにまたそっと目を閉じた───。
《Geschenke von Gott》
彼にもみんなにも心配をかけて申し訳ないけど…でも、リヴァイとこんなふうに過ごせるなら…やっぱりプレゼントと言ってもいいかもしれないわね。
…しっかり見えるようになったら、美味しいご飯をたくさん作ってちゃんとお礼を言わなくちゃ。
Ende.