外出したら怒られた件
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───ガチャ。
「…君、何してるんだ?」
「え………だ、誰…?不審者…?」
「は?オレだぜ?メローネだ」
「メ、メローネは今日はお休みの日です!だからアジトには来ないはずです!」
「確かに非番だが…休みだからってアジトに来ちゃいけねぇとは決まってないだろ」
「そうですけど…。ほ、ホントにメローネ?」
「どこに疑う余地があるんだ」
「服が変です…!いつもの変態みたいな服じゃあない…まるで普通の人みたいです!」
「…部屋着だぜ」
「ええ………部屋着だと普通の人みたいになるんだ…メローネ………変なの」
「君の言ってる事の方が変じゃないか?普通の人みたいなら別におかしくないだろ」
「メローネじゃないみたいで変です」
「そんなに…?」
「それで今日はお休みなのにどうしたんですか?」
「いや…別に。君は何をやってるんだ」
「ぬりえです」
「ぬりえって…園児か?オレのベイビィとやる事ほぼ変わらないんだが」
「メローネ、ちょっと聞いてもいいですか?」
「何?」
「この鳥ね、緑色に塗ろうとしたらプロシュートに白だって言われたんです」
「どれ?…ああ、白鳥は確かに白いな」
「どうして?わたし白い鳥なんて見た事ないです」
「緑の鳥はあるのか」
「ないです。好きに塗りなって言われたから塗ろうとしただけです」
「好きに塗れって言っといて白だってケチつけて来るのか。相変わらずうるさい奴だな、あいつは」
「プロシュートの悪口ですか?メタリカしちゃいますよ」
「何自分の能力みたいに言ってんだ」
「メローネは白い鳥見た事あるんですか?」
「まぁ…」
「ふぅ〜ん…いいなぁ…」
「………見に行くか?」
「えっ!?どこにいるんですか!?」
「近くの湖畔公園にならいるはずだぜ」
「ごはん…?」
「こはん。湖のほとりの事」
「ほとり…?それは何色の鳥ですか?」
「鳥じゃあない。水際の事」
「ふぅ〜ん」
「君は本当に知らない事が多いな」
「すみません…。…メローネは優しいですね。怒らずに教えてくれるの、嬉しいです」
「オレがギアッチョみたいにキレやすい性格じゃあなくて良かったな」
「良かったです」
「それで?行くのか?」
「行きたいです!」
「じゃあ上着をとっておいで」
「すぃ!」
─────
「───ほら、あれ。あそこにいるのが白鳥だ」
「わぁ〜本当に白い!それに大きいです!」
「オオハクチョウだな。140cmくらいの大きさだ。だいたい君と同じくらい」
「えっ…わたし、もうちょっと身長あります…」
「はははっ」
「どうして笑うんですか?」
「別に?」
「む………、」
「むくれてないで写真でも撮ったらどうだ?そこに立ちな、撮ってやるから」
「メローネも一緒に写ってください」
「何で?」
「メローネと白鳥と写りたいです」
「………まぁいいか。…撮るぜ?笑いな」
「ん…。………撮れました?」
「………撮れたが………」
「どれ………メローネ真顔ですね」
「君もな?」
「変な写真…。でも白鳥も綺麗に写ってます!」
「これでいいのかい?撮り直してもいいけど」
「これでいいです。帰ったらプロシュートに見せます」
「こんなもの見せられても反応に困るんじゃあないか?」
「そうですか?でもプロシュートには全て報告しなくちゃあいけないんです。怒られちゃいますから…」
「へぇ。窮屈そうだな」
「あ、そういえばさっき道でキャンディアイス売ってました!メローネ好きですよね?買いましょう」
「え?好きだなんて言ったか?」
「メローネいつも買ってきてくれるじゃあないですか」
「あー…別にオレが好きだから買っていた訳じゃあないが……欲しいのか?」
「一緒に食べたいです」
「分かった。そこの段差に気を付けて歩くんだぜ」
「すぃ」
─────
「これ美味しいです!」
「良かったな」
「メローネのは美味しいですか?」
「ああ…でも多いから君にやるよ」
「いらないんですか?」
「うん」
「じゃあ貰います…っ」
「………なぁ、緑の鳥も見たいかい?」
「え?いるんですか?」
「映画だがな。Oiseau vertってタイトルのありきたりな恋愛映画だ」
「ん?それってどういう意味ですか?」
「そのまま緑の鳥って意味だぜ。タイトルになってるくらいだから出てくるんじゃあないかな。見たいか?」
「見たいです!」
「じゃあ行こう。それ食い終わったらな」
「楽しみ〜」
─────
「───まさか途中からホラー展開になるとは思いませんでした…」
「期待してなかったが中々良い内容だったんじゃあないか?」
「はい、面白かったです!最後は幸せそうな二人が見れて良かったです!」
「寝盗られたがな」
「生々しかったですね」
「…そういえば緑の鳥は出てきたか?」
「あ…いえ、見付けられなかったです」
「何がOiseau vertだったんだろうな」
「きっと鳥さんの事ではなく別な意味があるんですね」
「まぁ、どうでもいいな。………あ、この近くでインフィオラータが見れるぜ。行くかい?」
「インフィ…?なんですか、それ?」
「知らないのか?花祭りの一つだ」
「花祭り?」
「大規模なのは時期外れだが、けっこう力の入った物が見れるんじゃあないかな」
「へぇ〜!」
「…女はそういう華やかな祭りごとに目敏くて詳しいもんじゃあないのか?」
「あ…そうなんですか…?」
「…君、プロシュートの奴に監禁されてるから外の事に詳しくないんだな」
「監禁……いえ、こうして外に出られていますから…わたしが疎いだけですよ…」
「プロシュートに連れて行かれた事はないのか?」
「え…お花のお祭り………。あ、もしかして、花びらで絵みたいなの表現するやつですか?」
「ああ、そう。それ」
「それなら知ってます!プロシュート、毎年連れて行ってくれます…!とっても綺麗で大好きです。インフィ…っていう名前なの知らなかったです!」
「じゃあ行こうか」
「はいっ」
「───それでね、これがそのインフィ…イン……ん?お花祭りの写真です!」
「チィッ!」
「えっ…プ、プロシュート?」
「普通のデートしてんじゃあねぇッ!!」
《外出したら怒られた件》
「プロシュートに怒られたのでもうお出掛けできないです…」
「"外出"じゃあなく"デート"に怒ってるんだろ。もう一人誰か誘えば問題ないはずだ」
「…そっか!」
───
「ミエーレ、近くにカフェが出来たからどんなもんか見に行こうか」
「行きたいです!あ…でも二人きりだとプロシュートが…」
「奴より早く帰ればバレないさ」
「…そっか!」
「新しく出来たアウトレットに観覧車があるらしいが、ついでだし乗りに行くかい?」
「観覧車乗りたいです!」
「じゃあ行こう」
「楽しみ〜っ」
こうしてマンモーナは過ちを繰り返すのだった。
Fine.
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