恋はドルチェ
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「…なぁ、ミエーレ。話でもしないかい?」
「はい、喜んで」
「じゃあいくつか質問に答えてくれるかな。参考までに聞いておきたいんだ」
「また好きな仕方ですか?キスと体位以外にも何かあるんです?」
「ああ、重要な事だぜ。好みの話だ。外見のな。君はどんな男が好みなんだい?」
「どんな…」
「プロシュートのすべて、とかつまらない回答はよしてくれよ。具体的な内容が知りたいんだ。例えば髪の色だったり筋肉量だったりな」
「髪の色…。………イルーゾォは、とても綺麗な髪の毛です。艶やかな黒髪は魅力的です」
「へぇ、意外だな。真っ先に金髪碧眼って答えるかと思った。じゃあ体型は?」
「…肥満でなければ…。チームの皆さんは理想的ですよ」
「特に誰?例えばリーダーとプロシュートだったらプロシュートの方が細身だし、オレとギアッチョならギアッチョの方が筋肉量が多いぜ」
「んー…じゃあメローネ」
「適当に言った?」
「理由は不健康そうだからです。何かときちんとしてなさそうで、親しみやすいです」
「ディ・モールト偏見」
「でもわたし、ギアッチョが好きです」
「えっ?」
「眼鏡をかけている男性が好きなのかもしれません。許されるならずっと見ていたいくらいです」
「へぇ〜…だってよ、ギアッチョ」
「………、………」
「照れてる…。…ならイルーゾォに眼鏡かけさせたら理想そのものって感じかい?髪型はあんなんでいいのか?」
「髪型は…長さはネエロさんくらいがいいです」
「常に頭巾被ってるからよく分からないんだが」
「じゃあメローネの短い方に揃えたくらい」
「オレ?髪切って黒染めして眼鏡かけたら君のどストライクって事か」
「完全に別人じゃあねぇか。大体オメーは性格のキショみでハナっからアウトオブ眼中だろーがッ!」
「きしょみ?あうと?ギアッチョ今何語喋ったんです?」
「今のはな、オレの性格が気色悪いから眼中にねぇだろって言ったんだぜ」
「自分で言ってて悲しくないんですか…?」
「ディ・モールト悲しい」
「見た目より中身の方が重要じゃあねぇのかァ?いくら見た目が好みでも性格がこれじゃあダメだろ」
「ギアッチョがこんな話題に乗って来るなんてな。ミエーレの好みが知りたいのかい?それともこの子が眼鏡好きだったと判明したのがよっぽど嬉しかったのかな」
「まさか変態が好みなわけねぇよなァァ〜ミエーレよォォ〜〜」
「無視?シンプルなイジメ」
「そうですね…性格は、…穏やかな人がいいです。怒りっぽくて大きな声を出す人や暴力を振るう人…物に当たり散らす人も苦手です」
「ギアッチョ完全に拒否られてるぜ」
「……………」
「イルーゾォも見下してくるから無しだろ?」
「確かに蔑まれるのは悲しいです…」
「ならリゾット、ホルマジオ、ペッシあたりか」
「…つーかよォ、プロシュートに当てはまるもんひとつもなくねぇか?オメーほんとにプロシュートの女かよ」
「はは!確かにプロシュートがこれを聞いたらへこむんじゃあないか?実は穏やかな黒髪短髪眼鏡のインテリヤクザが好みだなんて、プロシュートとは真逆だもんな!」
「ほんとは全くタイプじゃあないってはっきり言ってやれよ。どんな顔するか楽しみだぜ〜」
「プライドが傷付いて膝から崩れ落ちるんじゃあないか?」
「ハッ、ここに来て初めてまともに付き合ってる女だってのに気の毒なこったなァ?」
「逆にプロシュートがこいつに拘る理由はそこなのかもな。どストライク超好み抱いて!何番手でもいいから女にして!って言ってこねぇのはこいつが初めてなんじゃあないか?」
「確かに普段から野郎の方がよく動くよなぁ。言いなりになっちゃあいるがこいつが興味を示しているのはドルチェばっかでプロシュート自体にはさほどって感じだ」
「ああ。ミエーレ、君本当はプロシュートの事なんかこれっぽっちも好きじゃあないんじゃないか?」
「オラついてるヤクザに迫られて身を守る為に気持ちを誤魔化してるってんなら笑えねぇぜ。仕方なく付き合ってるなら正直に言え。もともと堅気のオメーをアジトにまで連れて来たってのが気に食わなかったんだぜオレはよォ」
「どうなんだいミエーレ?」
「怖くて断れねぇなら手を貸してやるぜ。このギアッチョの能力をもってすればプロシュートの野郎なんて怖かねぇだろ」
「……………」
「ミエーレ?」
「オイ?」
「違います…」
「何が?」
「プロシュートと付き合ってる現状がやっぱ違うなって気付いた?」
「違う!一瞬…二人が言うように本当はプロシュートの事興味なくて、好きじゃあないのかなって思ったけど…違います」
「………」
「確かに…好みのタイプを頭で考えた時に浮かんでくるのは…プロシュートとは全然違います。でも…頭じゃなくて心で、彼を求めて感じているんです。目が合っただけであんなに心があたたかくなる人は…世界中どこ探したってプロシュートだけです」
「お、おう…そうかよ…」
「好みじゃあないけど相性は良いって事かな」
「相性…?良いんでしょうか…」
「どう考えたってプロシュートの方こそ君なんか好みのタイプじゃあないだろ」
「えっ…」
「あいつが今まで遊んでたのは胸もケツもデカい色気ムンムンのいい女ばかりだ。発展途上の少女のような君に本気だなんてジョークだと思ったぜ。なぁギアッチョ?」
「あいつの遊び相手なんざ知らんが、まぁオメーは異例ではあるな。だからこそ本気なんだろうとも思うけどよ」
「お互いタイプじゃあない方が上手くいくって聞いた事あるぜ。タイプじゃあないのに惹かれ合ったなら言葉じゃ伝わらない何か特別なものがあるんじゃあないか?」
「何だそりゃあ…。ざっくりふわーっとしとるな」
「ざっくり、ふわっと…何かのドルチェみたいですね」
「…ドルチェだろ」
「…ドルチェだな」
「ドルチェ………」
《恋はドルチェ》
「…何してんです兄貴?中に入らないんですかい?」
「………、………ッ、とりあえず!眼鏡買いに行くぞペッシ!」
「え?老眼鏡…?ッ痛!な、殴る時はひとこと言ってくれよ兄貴ィ〜…」
「殴った!」
「う、うん…それは知ってる………ぐすっ…」
途中から部屋の外で聞いてた兄貴は色んな感情がぐちゃぐちゃになって密かに悶えていたのだったー。
Fine.
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