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「ごめん、少しここで待ってて、今日バンティが休みなんだ」
アパートの玄関に入るなり、ニュートはそう言って先に部屋の中に入った。
よくよく耳を澄ますと、中から小さな物音が響いている。
ベイビー二フラーたちが暴れているのだろう、あの生き物は室内飼いには向いていない。
リジーは香水をつけ直そうとハンドバッグの中を探る、けれど思い直してやっぱり止めた。
動物たちに香水の香りは強すぎるだろうから、それに彼もきっとそういうのは好まない。
代わりにコンパクトを取り出して、深紅に塗られた唇をティッシュで軽くそっと抑える。
ふと音が鳴り止み「どうぞ、入って」と中からニュートの声がして、リジーは慌ててコンパクトを鞄の中に仕舞った。
「さあ、入って。みんなもきっと、君を気に入るよ」
ニュートはいつになく嬉しそうにリジーの手を引いて地下室への階段を降りていく。
初めて目にするその光景にリジーは思わず感動のあまり言葉を失う。
そこは想像を遥かに超える雄大な空間で、まさに動物たちの命の楽園だった。
すぐに二フラーがリジーの匂いをかぎに来て、すりすりと体をすりつけてじゃれつく。
「二フラー、久しぶり。覚えててくれたの?あなたのベビーたち、とってもかわいいわね。でもちょっと躾が甘いわよ」
しゃがんで顎を撫でてやると二フラーはご機嫌になって、お腹のポケットから金ボタンを取り出してリジーに差し出した。
「?綺麗ね、くれるの?でも大切なものなんでしょう?」
それを見たニュートはぎょっとして慌てて二フラーのお腹にボタンをねじ込む。
「ダメダメダメ、君には妻も子どももいるだろう?彼女はダメだ」
「なんの話?」
「求愛だよ」
リジーはぽかんとして、とぼとぼ巣に帰ってく二フラーを見て満更でもなさそうにふふっと笑った。
その手を今度はデミガイズのドゥーガルが引っぱる。
「なあに?ああ、あなたがドゥーガルね?ジェイコブのパンにそっくり、あなたのパンが一番美味しかった」
ドゥーガルは嬉しそうに繋いだ手を振る。
気づけばリジーの周りにたくさんの動物たちが集まってきていた。
ヒョウのような姿をしたヌンドゥが猫のようにゴロゴロと喉を鳴らしながら「撫でろ」と言わんばかりにリジーの腕の間に顔を突っ込む。
足元ではムーンカーフの群れが大きなつぶらな瞳でじっとこちらを見つめている。
ピケットはいつの間にかリジーの肩の上に登ってきて得意な顔をしていた。
「君たち退いてくれ、ほらあっち行って、一人ずつ僕が紹介するから……ちょっとそれ、なんだいそれは?ヌンドゥ、僕にだってそんなことしてくれたことないじゃないか……!」
リジーに撫でてもらいゴロゴロと喉を鳴らし、足元に寝そべりながら大きな肉球でがっしりとリジーの腕を掴んでいる。
「懐っこいのね、子猫みたい」
「まさか……君にだけだよ」
一発の咆吼で四つの村を崩壊させた彼が、子猫のようにじゃれつく姿をニュートは呆然と眺めていた。
どうやら本人は気づいていないが、驚くほどリジーは動物に懐かれやすいらしい。
ニュートはなぜか動物たちに彼女を取られてしまったような気がして、家に連れてきたことをほんの少し後悔した。
「ほらそろそろ放して、リジーが困ってるだろう」
「わたしは大丈夫よ?」
ニュートはぐいっとリジーの肩を抱き寄せる、すると何かに引っ張られるような感覚がして自然と彼女の体が腕の中からすり抜けていく。
ドゥーガルがリジーの手を引っ張り、ピケットはニュートの手を一生懸命リジーの肩から外そうとしている。
二フラーはお腹をいっぱいに膨らませて、走って再びリジーの元に戻ってきた。
しまいにはエルンペントまで出てきそうになって大混乱。
「君たち!言うことを聞いて、ちょっと二フラー何度来たってダメなものはダメだって、ダメダメ!みんなリジーはダメ!」
一方でニュートに、一方で動物たちに引っぱられながらリジーは辟易と声を上げた。
「もう……いい加減にしてー!」
▶あとがき
アパートの玄関に入るなり、ニュートはそう言って先に部屋の中に入った。
よくよく耳を澄ますと、中から小さな物音が響いている。
ベイビー二フラーたちが暴れているのだろう、あの生き物は室内飼いには向いていない。
リジーは香水をつけ直そうとハンドバッグの中を探る、けれど思い直してやっぱり止めた。
動物たちに香水の香りは強すぎるだろうから、それに彼もきっとそういうのは好まない。
代わりにコンパクトを取り出して、深紅に塗られた唇をティッシュで軽くそっと抑える。
ふと音が鳴り止み「どうぞ、入って」と中からニュートの声がして、リジーは慌ててコンパクトを鞄の中に仕舞った。
「さあ、入って。みんなもきっと、君を気に入るよ」
ニュートはいつになく嬉しそうにリジーの手を引いて地下室への階段を降りていく。
初めて目にするその光景にリジーは思わず感動のあまり言葉を失う。
そこは想像を遥かに超える雄大な空間で、まさに動物たちの命の楽園だった。
すぐに二フラーがリジーの匂いをかぎに来て、すりすりと体をすりつけてじゃれつく。
「二フラー、久しぶり。覚えててくれたの?あなたのベビーたち、とってもかわいいわね。でもちょっと躾が甘いわよ」
しゃがんで顎を撫でてやると二フラーはご機嫌になって、お腹のポケットから金ボタンを取り出してリジーに差し出した。
「?綺麗ね、くれるの?でも大切なものなんでしょう?」
それを見たニュートはぎょっとして慌てて二フラーのお腹にボタンをねじ込む。
「ダメダメダメ、君には妻も子どももいるだろう?彼女はダメだ」
「なんの話?」
「求愛だよ」
リジーはぽかんとして、とぼとぼ巣に帰ってく二フラーを見て満更でもなさそうにふふっと笑った。
その手を今度はデミガイズのドゥーガルが引っぱる。
「なあに?ああ、あなたがドゥーガルね?ジェイコブのパンにそっくり、あなたのパンが一番美味しかった」
ドゥーガルは嬉しそうに繋いだ手を振る。
気づけばリジーの周りにたくさんの動物たちが集まってきていた。
ヒョウのような姿をしたヌンドゥが猫のようにゴロゴロと喉を鳴らしながら「撫でろ」と言わんばかりにリジーの腕の間に顔を突っ込む。
足元ではムーンカーフの群れが大きなつぶらな瞳でじっとこちらを見つめている。
ピケットはいつの間にかリジーの肩の上に登ってきて得意な顔をしていた。
「君たち退いてくれ、ほらあっち行って、一人ずつ僕が紹介するから……ちょっとそれ、なんだいそれは?ヌンドゥ、僕にだってそんなことしてくれたことないじゃないか……!」
リジーに撫でてもらいゴロゴロと喉を鳴らし、足元に寝そべりながら大きな肉球でがっしりとリジーの腕を掴んでいる。
「懐っこいのね、子猫みたい」
「まさか……君にだけだよ」
一発の咆吼で四つの村を崩壊させた彼が、子猫のようにじゃれつく姿をニュートは呆然と眺めていた。
どうやら本人は気づいていないが、驚くほどリジーは動物に懐かれやすいらしい。
ニュートはなぜか動物たちに彼女を取られてしまったような気がして、家に連れてきたことをほんの少し後悔した。
「ほらそろそろ放して、リジーが困ってるだろう」
「わたしは大丈夫よ?」
ニュートはぐいっとリジーの肩を抱き寄せる、すると何かに引っ張られるような感覚がして自然と彼女の体が腕の中からすり抜けていく。
ドゥーガルがリジーの手を引っ張り、ピケットはニュートの手を一生懸命リジーの肩から外そうとしている。
二フラーはお腹をいっぱいに膨らませて、走って再びリジーの元に戻ってきた。
しまいにはエルンペントまで出てきそうになって大混乱。
「君たち!言うことを聞いて、ちょっと二フラー何度来たってダメなものはダメだって、ダメダメ!みんなリジーはダメ!」
一方でニュートに、一方で動物たちに引っぱられながらリジーは辟易と声を上げた。
「もう……いい加減にしてー!」
▶あとがき