If:誓いの夜
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アメリカで闇祓いとしての務めを果たし終えたリジーは、惜しまれつつも最近ようやく慣れ親しんだニューヨークの街を後にし、五年間の調査旅行を終えたニュートと共に、再び鉄道と霧の都、ロンドンの地へ降り立った。
その半年後、ニュートの生まれ育ったコッツウォルズの美しい丘の上で二人の結婚式が開かれた。
今をときめくベストセラー作家、ニュート・スキャマンダーの結婚は華々しく新聞の一面を飾ったが、結婚式は大切な家族や友人たちのみで慎ましく執り行われた。
リジーはミニーとオルガと一緒に三ヶ月掛けて、ベールにそれは見事な魔法動物たちの刺繍を施した。
リタは素晴らしく美しい花嫁を仕立て上げ、テセウスは涙ながらにスピーチを披露した。
ヘイミッシュはこの日のために大っ嫌いなお風呂に入れられ、コメディアンみたいな金色のリボンを首に巻いた二フラーは愉快でとても可愛らしかった。
伝統の銀食器は二フラーによる混乱が予想されるため使われず、代わりに木のスプーンという一風変わったもてなしは意外と招待客に評判が良かった。
アメリカの愛すべき友人、ゴールドスタイン姉妹からは愛のこもった手紙と可憐な花の絵が送られ、リジーの尊敬するもう一人の上司、グレイブス長官からは全ての人がお手本にできるような結婚式の作法に乗っ取った模範的な祝電が届いた。
途中、大雨に見舞われオーグリーがトランクから飛び出すというハプニングもあったが、人生一度きりの素晴らしい結婚式となった。
二人と動物たちの新たな新居は、結婚前からの約束通りロンドンから離れた空気の綺麗な田舎町に小さな家を買った。
庭に出ると小さなブランコと大きな林檎の木があって、ピケットがこの木をとても気に入ったのがこの家を選んだ理由の一つだ。
ただ一つ難点をあげるとすればニュートの実家からそう遠くなく、家族、主にテセウスとの交流が増えることだけが彼を最後まで悩ませた。
二フラーの巣のように豪華なものはなかったけど、思い出の品とたくさんの贈り物に囲まれた家の中は幸せで満ちている。
人生最高の日を終えて、家に帰った途端一日溜まった疲れが思い出したかのようにどっと出てリジーはベッドに倒れ込んだ。
「疲れた……」
ドレスってなんて歩きづらいのかしら、世のお姫様たちを尊敬する。
口を開く元気もなく、リジーは重い瞼を閉じようとする。
「何一人で寝ようとしてるんだい、リジー」
「んー……」
ぎし、ベッドが軋んで弾力のあるスプリングに身体が沈む。
お腹のら辺に感じる違和感にうつらうつら目を開けると、リジーの上に跨るニュートと目が合う。
青い瞳が、オレンジ色の燈で不自然にギラついていた。
「これから初夜だよ」
「……うっそでしょ~」
耳を疑う発言に、疲れのあまりなんとも可愛げのない本音が溢れる。
ニュートはタイを外して床に放り捨て、シャツのボタンを緩めた。
「大丈夫、やさしくしてあげるよ」
「わたし、疲れてるんだけど……」
「お疲れさま、すごく綺麗だったよ」
「ありがとう……んん、にゅーと ……っ」
唇を塞がれ、呼吸まで飲みこむように深く重なり合わさる。
すぐに息が上がって、脈は早くなり、生温い快感を求めて舌を絡め合う。
「ん……っ、どこにそんな元気が、残ってるの……」
「僕は結構……我慢強い方だと思うんだけど」
「じゃあ今度にして……」
「……一緒になれるまで何年掛かったか、分かってる?」
震えるほどに早鐘を打つ心臓の鼓動を落ちつかせるように、熱っぽい息を吐く。
許可もなく人の服を乱していく手を止めることもできず、リジーはぼんやりと聞かれたことに素直に答える。
「……五年」
耳から首筋にかけてなめらかな肌の上を濡れた唇が伝いおり、鎖骨に小さな痛みを感じてリジーはあまい声を洩らす。
きつく吸うと赤い内出血が彼女の白い肌に艶かしく映えて、ニュートはそれを何度も繰り返した。
それを残すのも、目にするのも、自分だけに許されているのだという事実が、彼の小さな自尊心と独占欲を満たしていく。
「五年どころじゃないよ。僕は、君と付き合いだしたあの日から、ずっと」
やわらかな胸に口づけしながら唇で啄み、舌で転がされ、歯を立てられてリジーは呼吸を震わせニュートの髪を撫でる。
そんなに長いこと、一途にも程がある。わたしはなんて幸せ者なんだろう。
何か言った方がいいかと思ったけど、言葉にならなかった。
胸から肋骨、お腹へと彼の硬く骨ばった指先が撫でる。
手のひらの体温にぞくぞくと背筋が粟立ち、まだ触れられてもいない身体の中心が熱を帯びて下着を濡らす。
疲れているけど、煽られた神経はもうしばらく治まりそうになく、触れてもらえるのを待って、はしたなく身を捩らせる。
その様子にニュートは恍惚として眼を細める。
「っ……あ、ああ」
身体の奥に差し込まれた指が熱いなかをかき回し、水気を纏ってゆっくりと引き抜かれる。
身体中あちこちに口づけられ痕を残され、頭に血が上って目眩がするほどに愛撫されて、でも絶頂に達するほどの快楽は与えられず、燻った熱のもどかしさに涙が滲む。
「リジー、どうしてほしい……?言ってごらん」
わざと焦らしてやりながら、ニュートが掠れた声で意地悪く尋ねる。
もう幾度となく触れて、口づけて、愛した身体だ。彼女が何を求めてるか、どこをどうすればいいか手に取るように分かる。
けど、今夜はまだ言うことを聞いてやるつもりはない。
リジーは肩で息をしながら、腕で視界を覆ったまま小さく頷いた。
裸足のつま先がもどかしげにシーツを擦る。
「も、やだ、ああっ……おねがい、いれて……っ」
「でも、もっとよく慣らさないと……君が痛い思いをするのはいやだ」
「いいから、はやく……やだ、なに、ひっ?!ああっ」
不意に彼女の脚の間にニュートが顔を寄せ、とろとろと蜜を零すそこを唾を含ませた舌で舐めあげた。
咄嗟に閉じようとするのを足首を掴んで固定し、余計に開かさせる。
生温い舌で愛液を舐めとり、狭い奥へ捩じ込むように刺激する。
片手で包皮を剥いた突起を舌先で撫でるとリジーは一際甲高い声を上げて達した。
理性なんてとっくの昔に崩れ落ち、快楽を逃そうとシーツに皺を寄せる足指や細かく打ち震えるしなやかな内腿に見蕩れながら硬く芯を持った自身を、散々とろけさせたそこに押しつける。
リジーは余韻に沈んだままぼんやりと、互いに繋がれた自分の手とニュートの手を眺めていた。
不意に押しつけられた熱に片手で厚い胸板を押しかえし、掠れた声で口を開きかけた時にはもう遅く。
達したばかりの敏感ななかへ、窮屈な粘膜を押し広げながら容赦なく杭が穿たれた。
「いれるよ……力抜いて、リジー……っ」
「待って、まだ、や、あ、ああっ!」
なかは熱く、待ち望んでいた快楽を飲みこもうときつく締まる。
挿入の刺激で再び絶頂へと押し上げられ、リジーは繋いだ手のひらを強く握りしめた。
過ぎた快楽に身体を震わせる彼女を気にしてやる余裕もなくニュートは腰を動かす。
浅いところをなるべく快楽を引き延ばすようにゆるゆると緩慢な動作で揺さぶる。
彼女の手をぎゅっと握ってやりながら、濡れた唇にキスをして囁いた。
「ね、リジー……いつか、僕らの赤ちゃんを産んでくれる?」
「赤ちゃん……?」
「そう……すぐじゃないけど、たぶん。今はまだ、二人っきりの時間も欲しいから……でも、いつか」
答える代わりにリジーは淡く微笑んでニュートの頬に手を当てる。彼は嬉しそうに表情を綻ばせた。
「ああ、嬉しいなぁ……愛してるよ、リジー」
一気に奥の深くを擦りつけるように突いてやるとリジーは涙を滲ませながら高い嬌声を上げる。
身体がぶつかり合うほどに激しく求め合い、ベッドが軋んで悲鳴のような音を立てる。
体内にじんわりと広がる熱を感じながら、リジーは自身の下腹部を撫でた。
最愛の人の血を受け継いだ、まだ存在しない赤ん坊に語りかけるように。
▶あとがき
その半年後、ニュートの生まれ育ったコッツウォルズの美しい丘の上で二人の結婚式が開かれた。
今をときめくベストセラー作家、ニュート・スキャマンダーの結婚は華々しく新聞の一面を飾ったが、結婚式は大切な家族や友人たちのみで慎ましく執り行われた。
リジーはミニーとオルガと一緒に三ヶ月掛けて、ベールにそれは見事な魔法動物たちの刺繍を施した。
リタは素晴らしく美しい花嫁を仕立て上げ、テセウスは涙ながらにスピーチを披露した。
ヘイミッシュはこの日のために大っ嫌いなお風呂に入れられ、コメディアンみたいな金色のリボンを首に巻いた二フラーは愉快でとても可愛らしかった。
伝統の銀食器は二フラーによる混乱が予想されるため使われず、代わりに木のスプーンという一風変わったもてなしは意外と招待客に評判が良かった。
アメリカの愛すべき友人、ゴールドスタイン姉妹からは愛のこもった手紙と可憐な花の絵が送られ、リジーの尊敬するもう一人の上司、グレイブス長官からは全ての人がお手本にできるような結婚式の作法に乗っ取った模範的な祝電が届いた。
途中、大雨に見舞われオーグリーがトランクから飛び出すというハプニングもあったが、人生一度きりの素晴らしい結婚式となった。
二人と動物たちの新たな新居は、結婚前からの約束通りロンドンから離れた空気の綺麗な田舎町に小さな家を買った。
庭に出ると小さなブランコと大きな林檎の木があって、ピケットがこの木をとても気に入ったのがこの家を選んだ理由の一つだ。
ただ一つ難点をあげるとすればニュートの実家からそう遠くなく、家族、主にテセウスとの交流が増えることだけが彼を最後まで悩ませた。
二フラーの巣のように豪華なものはなかったけど、思い出の品とたくさんの贈り物に囲まれた家の中は幸せで満ちている。
人生最高の日を終えて、家に帰った途端一日溜まった疲れが思い出したかのようにどっと出てリジーはベッドに倒れ込んだ。
「疲れた……」
ドレスってなんて歩きづらいのかしら、世のお姫様たちを尊敬する。
口を開く元気もなく、リジーは重い瞼を閉じようとする。
「何一人で寝ようとしてるんだい、リジー」
「んー……」
ぎし、ベッドが軋んで弾力のあるスプリングに身体が沈む。
お腹のら辺に感じる違和感にうつらうつら目を開けると、リジーの上に跨るニュートと目が合う。
青い瞳が、オレンジ色の燈で不自然にギラついていた。
「これから初夜だよ」
「……うっそでしょ~」
耳を疑う発言に、疲れのあまりなんとも可愛げのない本音が溢れる。
ニュートはタイを外して床に放り捨て、シャツのボタンを緩めた。
「大丈夫、やさしくしてあげるよ」
「わたし、疲れてるんだけど……」
「お疲れさま、すごく綺麗だったよ」
「ありがとう……んん、にゅーと ……っ」
唇を塞がれ、呼吸まで飲みこむように深く重なり合わさる。
すぐに息が上がって、脈は早くなり、生温い快感を求めて舌を絡め合う。
「ん……っ、どこにそんな元気が、残ってるの……」
「僕は結構……我慢強い方だと思うんだけど」
「じゃあ今度にして……」
「……一緒になれるまで何年掛かったか、分かってる?」
震えるほどに早鐘を打つ心臓の鼓動を落ちつかせるように、熱っぽい息を吐く。
許可もなく人の服を乱していく手を止めることもできず、リジーはぼんやりと聞かれたことに素直に答える。
「……五年」
耳から首筋にかけてなめらかな肌の上を濡れた唇が伝いおり、鎖骨に小さな痛みを感じてリジーはあまい声を洩らす。
きつく吸うと赤い内出血が彼女の白い肌に艶かしく映えて、ニュートはそれを何度も繰り返した。
それを残すのも、目にするのも、自分だけに許されているのだという事実が、彼の小さな自尊心と独占欲を満たしていく。
「五年どころじゃないよ。僕は、君と付き合いだしたあの日から、ずっと」
やわらかな胸に口づけしながら唇で啄み、舌で転がされ、歯を立てられてリジーは呼吸を震わせニュートの髪を撫でる。
そんなに長いこと、一途にも程がある。わたしはなんて幸せ者なんだろう。
何か言った方がいいかと思ったけど、言葉にならなかった。
胸から肋骨、お腹へと彼の硬く骨ばった指先が撫でる。
手のひらの体温にぞくぞくと背筋が粟立ち、まだ触れられてもいない身体の中心が熱を帯びて下着を濡らす。
疲れているけど、煽られた神経はもうしばらく治まりそうになく、触れてもらえるのを待って、はしたなく身を捩らせる。
その様子にニュートは恍惚として眼を細める。
「っ……あ、ああ」
身体の奥に差し込まれた指が熱いなかをかき回し、水気を纏ってゆっくりと引き抜かれる。
身体中あちこちに口づけられ痕を残され、頭に血が上って目眩がするほどに愛撫されて、でも絶頂に達するほどの快楽は与えられず、燻った熱のもどかしさに涙が滲む。
「リジー、どうしてほしい……?言ってごらん」
わざと焦らしてやりながら、ニュートが掠れた声で意地悪く尋ねる。
もう幾度となく触れて、口づけて、愛した身体だ。彼女が何を求めてるか、どこをどうすればいいか手に取るように分かる。
けど、今夜はまだ言うことを聞いてやるつもりはない。
リジーは肩で息をしながら、腕で視界を覆ったまま小さく頷いた。
裸足のつま先がもどかしげにシーツを擦る。
「も、やだ、ああっ……おねがい、いれて……っ」
「でも、もっとよく慣らさないと……君が痛い思いをするのはいやだ」
「いいから、はやく……やだ、なに、ひっ?!ああっ」
不意に彼女の脚の間にニュートが顔を寄せ、とろとろと蜜を零すそこを唾を含ませた舌で舐めあげた。
咄嗟に閉じようとするのを足首を掴んで固定し、余計に開かさせる。
生温い舌で愛液を舐めとり、狭い奥へ捩じ込むように刺激する。
片手で包皮を剥いた突起を舌先で撫でるとリジーは一際甲高い声を上げて達した。
理性なんてとっくの昔に崩れ落ち、快楽を逃そうとシーツに皺を寄せる足指や細かく打ち震えるしなやかな内腿に見蕩れながら硬く芯を持った自身を、散々とろけさせたそこに押しつける。
リジーは余韻に沈んだままぼんやりと、互いに繋がれた自分の手とニュートの手を眺めていた。
不意に押しつけられた熱に片手で厚い胸板を押しかえし、掠れた声で口を開きかけた時にはもう遅く。
達したばかりの敏感ななかへ、窮屈な粘膜を押し広げながら容赦なく杭が穿たれた。
「いれるよ……力抜いて、リジー……っ」
「待って、まだ、や、あ、ああっ!」
なかは熱く、待ち望んでいた快楽を飲みこもうときつく締まる。
挿入の刺激で再び絶頂へと押し上げられ、リジーは繋いだ手のひらを強く握りしめた。
過ぎた快楽に身体を震わせる彼女を気にしてやる余裕もなくニュートは腰を動かす。
浅いところをなるべく快楽を引き延ばすようにゆるゆると緩慢な動作で揺さぶる。
彼女の手をぎゅっと握ってやりながら、濡れた唇にキスをして囁いた。
「ね、リジー……いつか、僕らの赤ちゃんを産んでくれる?」
「赤ちゃん……?」
「そう……すぐじゃないけど、たぶん。今はまだ、二人っきりの時間も欲しいから……でも、いつか」
答える代わりにリジーは淡く微笑んでニュートの頬に手を当てる。彼は嬉しそうに表情を綻ばせた。
「ああ、嬉しいなぁ……愛してるよ、リジー」
一気に奥の深くを擦りつけるように突いてやるとリジーは涙を滲ませながら高い嬌声を上げる。
身体がぶつかり合うほどに激しく求め合い、ベッドが軋んで悲鳴のような音を立てる。
体内にじんわりと広がる熱を感じながら、リジーは自身の下腹部を撫でた。
最愛の人の血を受け継いだ、まだ存在しない赤ん坊に語りかけるように。
▶あとがき
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