Brunette
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
8.23 Twitter魔法夢ワンライ企画作品
「何気ない日常」
「……これ、どうなってるの」
ニュートははてなのたくさん浮かんだ不思議な顔つきでしみじみと眺めながら、綺麗に編まれたリジーの髪を一房手に取る。
艶やかな長いブルネットは一糸の乱れもなく丁寧に複雑に編み込まれ、絹糸のようななめらかさが指先から伝わる。
ニュートはそれをひっくり返してみたり、じっと観察してみるが何がどうなっているのかさっぱり分からない。
「もう、なあに?」
パジャマ姿で寝支度を整えたリジーがうっとおしげに三つ編みを引っ張り返す。
「これ解いてみてもいい?」
ニュートはあくまで至極真面目な顔でそう言うものだからリジーは「はあ?」と言いながらも思わず笑いが込み上げてくる。
「全く……どうぞ、好きにしてください」
「どうも」
するする、といとも簡単に三つ編みが解かれる。
せっかく編んだのに、せめてもう少し惜しんでほしいとリジーは文句を言いつつも鏡台に肘をついてそっと目を閉じる。
指先で髪をすかれ、「んー」とか「あれ?」とか言いながら、ニュートは見よう見まねで波打つブルネットを不器用に編んでいく。
どんな風になってるかなんて見なくても分かる、リジーは目を瞑ったままくすくす笑う。
髪を触られるのは嫌いじゃない。
あのゴツゴツした大きな手に、普段自分の髪なんて気にしたことないくせに、ひどく優しい手つきで愛おしそうに髪を撫でられると心地よくて。
どうしようもなく幸せで、こんなに幸せでいていいのかと不安になるほどに。
「……できた?」
「うーん……君がやったのとなんか違う」
リジーは恐る恐る目を開ける、鏡を見つめながら不器用な緩い頭にされた自分と目が合って、どこか嬉しそうに「下手くそ」と笑う。
「交代、ニュートの番よ」
「え、僕はいいよ」
「誰が逃がすか、はい座って座って。思いっきり可愛くしてあげる~」
シャワーを浴びて半乾きのまま濡れた頭をわしゃわしゃ撫でながらリジーは櫛を片手に満面の笑みを浮かべて笑う。
「フランスのお姫さまは頭に船を乗せてんだって」とここ最近で一番楽しそうにリジーが言うと、ニュートは深刻な表情で鏡をじっと見つめ、自分の頭にロイヤルスチーム号を乗せてみて、ぷはっと吹き出した。
名前もない、何気ないありふれた日常の瞬間。
そういう小さな節々に、「ああ、幸せだ」と泣きたくなるほどどうしようもなく心から満ち足りていくのだ。
「何気ない日常」
「……これ、どうなってるの」
ニュートははてなのたくさん浮かんだ不思議な顔つきでしみじみと眺めながら、綺麗に編まれたリジーの髪を一房手に取る。
艶やかな長いブルネットは一糸の乱れもなく丁寧に複雑に編み込まれ、絹糸のようななめらかさが指先から伝わる。
ニュートはそれをひっくり返してみたり、じっと観察してみるが何がどうなっているのかさっぱり分からない。
「もう、なあに?」
パジャマ姿で寝支度を整えたリジーがうっとおしげに三つ編みを引っ張り返す。
「これ解いてみてもいい?」
ニュートはあくまで至極真面目な顔でそう言うものだからリジーは「はあ?」と言いながらも思わず笑いが込み上げてくる。
「全く……どうぞ、好きにしてください」
「どうも」
するする、といとも簡単に三つ編みが解かれる。
せっかく編んだのに、せめてもう少し惜しんでほしいとリジーは文句を言いつつも鏡台に肘をついてそっと目を閉じる。
指先で髪をすかれ、「んー」とか「あれ?」とか言いながら、ニュートは見よう見まねで波打つブルネットを不器用に編んでいく。
どんな風になってるかなんて見なくても分かる、リジーは目を瞑ったままくすくす笑う。
髪を触られるのは嫌いじゃない。
あのゴツゴツした大きな手に、普段自分の髪なんて気にしたことないくせに、ひどく優しい手つきで愛おしそうに髪を撫でられると心地よくて。
どうしようもなく幸せで、こんなに幸せでいていいのかと不安になるほどに。
「……できた?」
「うーん……君がやったのとなんか違う」
リジーは恐る恐る目を開ける、鏡を見つめながら不器用な緩い頭にされた自分と目が合って、どこか嬉しそうに「下手くそ」と笑う。
「交代、ニュートの番よ」
「え、僕はいいよ」
「誰が逃がすか、はい座って座って。思いっきり可愛くしてあげる~」
シャワーを浴びて半乾きのまま濡れた頭をわしゃわしゃ撫でながらリジーは櫛を片手に満面の笑みを浮かべて笑う。
「フランスのお姫さまは頭に船を乗せてんだって」とここ最近で一番楽しそうにリジーが言うと、ニュートは深刻な表情で鏡をじっと見つめ、自分の頭にロイヤルスチーム号を乗せてみて、ぷはっと吹き出した。
名前もない、何気ないありふれた日常の瞬間。
そういう小さな節々に、「ああ、幸せだ」と泣きたくなるほどどうしようもなく心から満ち足りていくのだ。
1/1ページ