Ⅲ
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「新セーレム救世軍」ニューヨークを拠点に魔女の迫害、魔法使いとの戦争を呼び掛ける過激派団体。
幼い孤児たちを何人も世話し、表向きは慎ましい宣教師一家を装いつつも、その裏では躾と称し子供たちに虐待を繰り返している。
彼らについて同僚の闇祓いたちから得られた情報は少なかった、情報そのものを掴んでいないと言うよりもあまり思い出したくないことのようで誰も多くを語ろうとはしなかった。
資料室もひととおり見て回ったが、不思議なことにセーレム救世軍についての資料はファイル一冊、紙きれ一枚とて残されていなかった。
ありえないことだ、そもそも初めから議会が彼らをマークしていないはずがないのに資料が一つも残されていないなんて。
リジーはふとある闇祓いが口にした一言を思い出す、「――頼むからゴールドスタインの二の舞だけはやめてくれ」
ゴールドスタインという名前の人物をリジーは一人だけ知っている、でも彼女は闇祓いではないはず……
それにクリーデンスというあの青年……あの少女が言っていたミセス・ベアボーンについても情報が欲しい。
リジーはポケットの中に一枚忍ばせていたセーレムのビラをそっと広げる。
幼い子供にこんなものを配らせるなんて、どうかしている。
ろくな食事も着るものも与えず、冬の路頭に立たせるなんて。
少女のひどく怯えたような眼が今も胸の奥に焼きついている。
どれだけ憐れんだところであの少女を救うことなんてわたしには出来ない、マフィン一つであの子を幸せにしてあげることも出来ない。
そのことをわたしはこの仕事に就いてから教えてもらった。
所詮他人の、生きる世界も違うわたしが肩入れするべきではない。
彼女のような子供たちはニューヨークに限らず世界中にいる。
知ることには責任が伴う、だからこれ以上の調査には一個人の感情だけでは動けない。
……あくまでもわたし個人としては。
幼い孤児たちを何人も世話し、表向きは慎ましい宣教師一家を装いつつも、その裏では躾と称し子供たちに虐待を繰り返している。
彼らについて同僚の闇祓いたちから得られた情報は少なかった、情報そのものを掴んでいないと言うよりもあまり思い出したくないことのようで誰も多くを語ろうとはしなかった。
資料室もひととおり見て回ったが、不思議なことにセーレム救世軍についての資料はファイル一冊、紙きれ一枚とて残されていなかった。
ありえないことだ、そもそも初めから議会が彼らをマークしていないはずがないのに資料が一つも残されていないなんて。
リジーはふとある闇祓いが口にした一言を思い出す、「――頼むからゴールドスタインの二の舞だけはやめてくれ」
ゴールドスタインという名前の人物をリジーは一人だけ知っている、でも彼女は闇祓いではないはず……
それにクリーデンスというあの青年……あの少女が言っていたミセス・ベアボーンについても情報が欲しい。
リジーはポケットの中に一枚忍ばせていたセーレムのビラをそっと広げる。
幼い子供にこんなものを配らせるなんて、どうかしている。
ろくな食事も着るものも与えず、冬の路頭に立たせるなんて。
少女のひどく怯えたような眼が今も胸の奥に焼きついている。
どれだけ憐れんだところであの少女を救うことなんてわたしには出来ない、マフィン一つであの子を幸せにしてあげることも出来ない。
そのことをわたしはこの仕事に就いてから教えてもらった。
所詮他人の、生きる世界も違うわたしが肩入れするべきではない。
彼女のような子供たちはニューヨークに限らず世界中にいる。
知ることには責任が伴う、だからこれ以上の調査には一個人の感情だけでは動けない。
……あくまでもわたし個人としては。