Ⅲ
夢小説設定
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愛するニュートへ。
朝焼けに染まる大西洋はすごく綺麗。
でもあなたの言った通り、半日が限界だったわ。
船酔いがひどくて本も読めないし、デッキは寒いし。
ヘイミッシュを連れてきたことがバレたらどうなるのか、ずっとヒヤヒヤしてた。
あの状況で三日間も船旅を楽しんでいられたなんて信じられない!ニュートは忍耐の塊ね……
――
長い六日間の船旅の終わりに、船が汽笛を鳴らす。
リジーはふうっと息をつき、書きかけの便箋を封筒に仕舞った。
コートを羽織り、荷物を抱えて、海上を後にする。
空気も、人も、景色もイギリスとさして変わらない。
気難しい表情を浮かべた入国審査官にアメリカ訛りで「食べ物や、生き物は入ってない?」と尋ねられてはじめて、こんなに遠くまで来てしまったのだと、少し怖くなった。
リジーは微笑みながら肩を竦めると、審査官はぱっと見ただけですぐに彼女を通した。
バッグの中のヘイミッシュに気づかずに。
リジーは隅に行くと、手紙にそっとこう書き足した。
――荷物検査をパスするコツは、堂々としてること。愛想よく微笑みかけられればなお良い。アメリカの入国審査方法は見直した方がいいと思う。
港を一歩出ると、ここが見知らぬ異国の地であることを強く理解した。
朝焼けに染まる大西洋はすごく綺麗。
でもあなたの言った通り、半日が限界だったわ。
船酔いがひどくて本も読めないし、デッキは寒いし。
ヘイミッシュを連れてきたことがバレたらどうなるのか、ずっとヒヤヒヤしてた。
あの状況で三日間も船旅を楽しんでいられたなんて信じられない!ニュートは忍耐の塊ね……
――
長い六日間の船旅の終わりに、船が汽笛を鳴らす。
リジーはふうっと息をつき、書きかけの便箋を封筒に仕舞った。
コートを羽織り、荷物を抱えて、海上を後にする。
空気も、人も、景色もイギリスとさして変わらない。
気難しい表情を浮かべた入国審査官にアメリカ訛りで「食べ物や、生き物は入ってない?」と尋ねられてはじめて、こんなに遠くまで来てしまったのだと、少し怖くなった。
リジーは微笑みながら肩を竦めると、審査官はぱっと見ただけですぐに彼女を通した。
バッグの中のヘイミッシュに気づかずに。
リジーは隅に行くと、手紙にそっとこう書き足した。
――荷物検査をパスするコツは、堂々としてること。愛想よく微笑みかけられればなお良い。アメリカの入国審査方法は見直した方がいいと思う。
港を一歩出ると、ここが見知らぬ異国の地であることを強く理解した。