Ⅲ
夢小説設定
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式は滞りなく進み、同窓の懐かしい友人たちや家族らに見守られながら、オルガは最愛の人と共に新たな人生の一歩を踏み出していった。
ステキな結婚式だった。
帰りの道すがら、まだ余韻の抜けきらぬままミニーが呟いた。
彼女の手には白いバラのブーケが握られている。
「次はあなたよ」
ブーケトスで花嫁のブーケを受け取った女性が次の花嫁になる。
まさに幸せのバトンタッチ。
残念ながらリジーの手元には飛んでこず、彼女は複雑な気持ちでブーケを見つめて言った。
親友の幸運が恨めしいわけじゃない。
近い将来、彼女の門出の日にも一緒に立ち会えたら、どれだけ素晴らしいことか。
ただ、幸せそうなオルガを見たら……羨ましく思わずにはいられないのだ。
「どうかしら。リジーと違って、結婚したいと思うような人もいないし」
今は自分のことで精一杯。
うんざりした口調で言った彼女の表情は、どこか満足げな様子だった。
「私も、今はあんまり考えてないかな……」
「そうなの?」
ミニーが意外そうな声を上げる。
どこか揶揄する響きではなく、言葉の裏に込められた純粋な関心に安堵した。
「やっと帰ってきたんですもの。余分に待った分、取り返さなきゃ」
離ればなれだった五年間、戦争という理不尽に奪われてしまった時間はもう二度と戻らない。
時計の針はずれたまま、それでも時間はただ茫漠と過ぎていく。
「……ホグワーツに帰りたいわ、あの頃に戻りたい」
石造りの美しい荘厳な城。
古い書物の匂いがする図書室。
木漏れ日に照らされる温室の植物たち。
懐かしい彩られた記憶が次から次へと溢れだし、振り返れば思い出は尽きない。
同じ世界と同じ時を共有できた、永遠に続くと思っていた夢のような日々。
今はもう、無数に存在する別々の世界でそれぞれの時間を生きている。
思い出や感情に蓋をして、停滞を許さず淡々と。
ひとつの時代が終わったのだと、リジーは心の中で嘆いた。
ステキな結婚式だった。
帰りの道すがら、まだ余韻の抜けきらぬままミニーが呟いた。
彼女の手には白いバラのブーケが握られている。
「次はあなたよ」
ブーケトスで花嫁のブーケを受け取った女性が次の花嫁になる。
まさに幸せのバトンタッチ。
残念ながらリジーの手元には飛んでこず、彼女は複雑な気持ちでブーケを見つめて言った。
親友の幸運が恨めしいわけじゃない。
近い将来、彼女の門出の日にも一緒に立ち会えたら、どれだけ素晴らしいことか。
ただ、幸せそうなオルガを見たら……羨ましく思わずにはいられないのだ。
「どうかしら。リジーと違って、結婚したいと思うような人もいないし」
今は自分のことで精一杯。
うんざりした口調で言った彼女の表情は、どこか満足げな様子だった。
「私も、今はあんまり考えてないかな……」
「そうなの?」
ミニーが意外そうな声を上げる。
どこか揶揄する響きではなく、言葉の裏に込められた純粋な関心に安堵した。
「やっと帰ってきたんですもの。余分に待った分、取り返さなきゃ」
離ればなれだった五年間、戦争という理不尽に奪われてしまった時間はもう二度と戻らない。
時計の針はずれたまま、それでも時間はただ茫漠と過ぎていく。
「……ホグワーツに帰りたいわ、あの頃に戻りたい」
石造りの美しい荘厳な城。
古い書物の匂いがする図書室。
木漏れ日に照らされる温室の植物たち。
懐かしい彩られた記憶が次から次へと溢れだし、振り返れば思い出は尽きない。
同じ世界と同じ時を共有できた、永遠に続くと思っていた夢のような日々。
今はもう、無数に存在する別々の世界でそれぞれの時間を生きている。
思い出や感情に蓋をして、停滞を許さず淡々と。
ひとつの時代が終わったのだと、リジーは心の中で嘆いた。