Ⅱ
夢小説設定
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校長室に呼ばれたニュートは落ち着かない様子で、座り心地の良さそうなソファに言われるがままに腰を下ろした。
ダンブルドアが愛想よく菓子などを勧めてくる。
校長室には他に、校長、理事長、それから理事会の筆頭であり次期魔法大臣と謳われるリタの父がいた。
校内で起こった事故に、これだけの大人が動いている。
ニュートはこの状況にただならぬものを感じた。
「……事故じゃないんですか?リタはどうなるんですか?」
「まあまあ」
ダンブルドアがやんわりと宥める。
「手短に済ませよう」
レストレンジが厳かに言う。
「火災が起きた時、君は隣の教室にいて騒ぎを聞きつけ避難した。だがすぐに引き返し、ジャービーを助けるため魔法科学実験室に戻り、ジャービーと、逃げ遅れたと思われるリタ・レストレンジを見つけた、ここまで間違いはないな?」
「……はい」
「その時、実験室には他に誰も居なかったんだな?」
「レストレンジ、」
ダンブルドアが静かに肩を叩く。
レストレンジは居心地悪そうに閉口した。
「……彼女は、何と言ってましたか」
「不注意だったと」
「……レストレンジ家ともあろう者が、なんと嘆かわしい。しかも、よりによってこんな時期に……」
その言葉にニュートは驚く。
「あの……彼女も、怪我をしてるはずですが……」
「それが何だね」
「心配じゃないんですか?一人娘でしょう」
「心配?……ああ、勿論心配だとも。それに、君には感謝してもし尽くせないな、礼を言おう」
「だがそれとこれとは別だ」レストレンジはすぐにきっぱりと言い切った。
「私は、今回の大臣選に全てを賭けているんだ。なのに、娘が学校で問題を起こしたなどと知れたら……」
「家族より他に重要なものがありますか」ダンブルドアが厳しく窘める。
彼は数秒の沈黙の後、静かに「ええ」と肯いた。
「……娘を海外に療養に行かせようと思う」
「療養?」
「知り合いの寄宿学校に入れるつもりだ、二度と杖は持たせん。校長殿、それで宜しいだろうか」
「寄宿学校、って……ちょっと待ってください!」
ニュートは立ち上がり、電話を掛けようとするレストレンジを慌てて止める、寸前のところで一歩先に受話器を上から押さえつけた。
「もう一度、考えなおしていただけませんか。こんなの、彼女が可哀想すぎる」
「……そういえば君は、昔からうちのと親しくしてくれていたな」
「……はい」
「君のお父上の事はよく知っている、家柄も悪くない。将来は君か、君の兄さんに娘をとも思っていた、こんな事になる前まではな」
「……」
「当分、娘は魔法界から引き離す。申し訳ないが、これ以上あれに関わらないでくれたまえ」
「僕は……」
「ニュート、もういい」ダンブルドアが静かに宥める。
ニュートは遣る瀬無さに頭を抱え、力なくソファに腰を下ろした。
幼馴染みがこんな形で退学になるのを、自分はただ見ていることしか出来ないのか。
憤りで頭にカッと血が上るのが分かった。
「……僕が代わりになる」
考え無しに口をついて出た言葉に自分でも驚く。
「僕が、火事の原因は僕だ、僕の不注意で」
電話口の向こうに聞こえるように声を張り上げる。
「リタは関係ない、僕が退学になる。だから、彼女を学校に残してあげてください。お願いします!」
こんな事してどうなるか、先のことなんて全く考えていなかった。
ただ必至に、頭を下げた。
ダンブルドアが愛想よく菓子などを勧めてくる。
校長室には他に、校長、理事長、それから理事会の筆頭であり次期魔法大臣と謳われるリタの父がいた。
校内で起こった事故に、これだけの大人が動いている。
ニュートはこの状況にただならぬものを感じた。
「……事故じゃないんですか?リタはどうなるんですか?」
「まあまあ」
ダンブルドアがやんわりと宥める。
「手短に済ませよう」
レストレンジが厳かに言う。
「火災が起きた時、君は隣の教室にいて騒ぎを聞きつけ避難した。だがすぐに引き返し、ジャービーを助けるため魔法科学実験室に戻り、ジャービーと、逃げ遅れたと思われるリタ・レストレンジを見つけた、ここまで間違いはないな?」
「……はい」
「その時、実験室には他に誰も居なかったんだな?」
「レストレンジ、」
ダンブルドアが静かに肩を叩く。
レストレンジは居心地悪そうに閉口した。
「……彼女は、何と言ってましたか」
「不注意だったと」
「……レストレンジ家ともあろう者が、なんと嘆かわしい。しかも、よりによってこんな時期に……」
その言葉にニュートは驚く。
「あの……彼女も、怪我をしてるはずですが……」
「それが何だね」
「心配じゃないんですか?一人娘でしょう」
「心配?……ああ、勿論心配だとも。それに、君には感謝してもし尽くせないな、礼を言おう」
「だがそれとこれとは別だ」レストレンジはすぐにきっぱりと言い切った。
「私は、今回の大臣選に全てを賭けているんだ。なのに、娘が学校で問題を起こしたなどと知れたら……」
「家族より他に重要なものがありますか」ダンブルドアが厳しく窘める。
彼は数秒の沈黙の後、静かに「ええ」と肯いた。
「……娘を海外に療養に行かせようと思う」
「療養?」
「知り合いの寄宿学校に入れるつもりだ、二度と杖は持たせん。校長殿、それで宜しいだろうか」
「寄宿学校、って……ちょっと待ってください!」
ニュートは立ち上がり、電話を掛けようとするレストレンジを慌てて止める、寸前のところで一歩先に受話器を上から押さえつけた。
「もう一度、考えなおしていただけませんか。こんなの、彼女が可哀想すぎる」
「……そういえば君は、昔からうちのと親しくしてくれていたな」
「……はい」
「君のお父上の事はよく知っている、家柄も悪くない。将来は君か、君の兄さんに娘をとも思っていた、こんな事になる前まではな」
「……」
「当分、娘は魔法界から引き離す。申し訳ないが、これ以上あれに関わらないでくれたまえ」
「僕は……」
「ニュート、もういい」ダンブルドアが静かに宥める。
ニュートは遣る瀬無さに頭を抱え、力なくソファに腰を下ろした。
幼馴染みがこんな形で退学になるのを、自分はただ見ていることしか出来ないのか。
憤りで頭にカッと血が上るのが分かった。
「……僕が代わりになる」
考え無しに口をついて出た言葉に自分でも驚く。
「僕が、火事の原因は僕だ、僕の不注意で」
電話口の向こうに聞こえるように声を張り上げる。
「リタは関係ない、僕が退学になる。だから、彼女を学校に残してあげてください。お願いします!」
こんな事してどうなるか、先のことなんて全く考えていなかった。
ただ必至に、頭を下げた。