Ⅱ
夢小説設定
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リジーは鏡の前に立ち、曇り一つない磨きあげられた薄い銀盤に映る自分の姿に、満足げにほうっと息をついた。
ふんわり広がった裾を撫でると、繊細な花模様の描かれたレースが指先に触れる。
夏の原っぱのような若草色のドレスは、清楚で可憐な雰囲気を醸し出し、友人の強い推しもあって、何より彼女によく似合っている。
髪もドレスに合うようシンプルに、しかし華やかに結い上げ、足元にはいつだったか履きそびれた白いパンプスを履いた。
唇に薄く紅をのせ、胸元には黄色い小菊を飾り、白い手袋にきゅっと指を通す。
鏡の前でくるりと一回転してみると思ったよりもスカートが大きく広がり、まるでシンデレラになったような心地で衣擦れの音にうっとりと耳を澄ませた。
ガーデンパーティのことを聞いた日から、リジーはニュートがいつ言い出すのかと焦がれ待ち続けた。
パーティが近づくにつれ、不安が募り、いい加減きっぱり諦めた方がいいと頭に過ぎった頃。
その瞬間は突然訪れ、喜びに浸る間もなく突風のように過ぎ去った。
純愛小説に出てくるようないじらしく、ロマンティックな場面をそっと夢見たりしていたが、実際は移動教室でたまたま廊下ですれ違った時だったし、急いでてお互いそれどころではなくまともに返事も出来なかったし、群衆に揉まれながらでロマンもムードも欠片もなかった。
ある意味大胆な行動に出たものだと呆れ果てたものだ。
わあ、きれい。
リジーを見てオルガは素直に笑みを浮かべ、手を叩いた。
ミニーは完成した姿を見て満足げに頷きながら「やっぱり、よく似合うわ」と感嘆の息をもらした。
華やかにドレスアップした少女たちは賑やかに談笑しながら階下へ下りた。
美しく装った人たちが出入りし、大広間からは優雅なワルツが漏れ聞こえてくる。
まるで、別世界のよう。
歩くたびにヒールがコツコツ地を叩く音に胸を高鳴らせる。
慣れない格好のせいか空中を歩いてるような不思議な浮遊感を覚えた。
ほら、あそこに。
オルガがそっと耳打ちする。
彼女の視線の方向をじっと辿ると見慣れた後ろ姿が。
リジーは思わずさっと物陰に身を隠した。
「どうしたの?彼、待ってるわよ」
「私、どこも変じゃない?やっぱりパリ・モードのほうが良かったかしら」
「そんなことないわよ、オンディーヌみたいで可愛いわ」
「ちょっと派手すぎない?やっぱり花はないほうが、」
「大丈夫、自信を持って、行ってらっしゃい!」
ミニーにぽんっと背中を押され、リジーは何か言いたげに何度も友人たちの方を振り返りながらおずおずと足を踏み出した。
ふんわり広がった裾を撫でると、繊細な花模様の描かれたレースが指先に触れる。
夏の原っぱのような若草色のドレスは、清楚で可憐な雰囲気を醸し出し、友人の強い推しもあって、何より彼女によく似合っている。
髪もドレスに合うようシンプルに、しかし華やかに結い上げ、足元にはいつだったか履きそびれた白いパンプスを履いた。
唇に薄く紅をのせ、胸元には黄色い小菊を飾り、白い手袋にきゅっと指を通す。
鏡の前でくるりと一回転してみると思ったよりもスカートが大きく広がり、まるでシンデレラになったような心地で衣擦れの音にうっとりと耳を澄ませた。
ガーデンパーティのことを聞いた日から、リジーはニュートがいつ言い出すのかと焦がれ待ち続けた。
パーティが近づくにつれ、不安が募り、いい加減きっぱり諦めた方がいいと頭に過ぎった頃。
その瞬間は突然訪れ、喜びに浸る間もなく突風のように過ぎ去った。
純愛小説に出てくるようないじらしく、ロマンティックな場面をそっと夢見たりしていたが、実際は移動教室でたまたま廊下ですれ違った時だったし、急いでてお互いそれどころではなくまともに返事も出来なかったし、群衆に揉まれながらでロマンもムードも欠片もなかった。
ある意味大胆な行動に出たものだと呆れ果てたものだ。
わあ、きれい。
リジーを見てオルガは素直に笑みを浮かべ、手を叩いた。
ミニーは完成した姿を見て満足げに頷きながら「やっぱり、よく似合うわ」と感嘆の息をもらした。
華やかにドレスアップした少女たちは賑やかに談笑しながら階下へ下りた。
美しく装った人たちが出入りし、大広間からは優雅なワルツが漏れ聞こえてくる。
まるで、別世界のよう。
歩くたびにヒールがコツコツ地を叩く音に胸を高鳴らせる。
慣れない格好のせいか空中を歩いてるような不思議な浮遊感を覚えた。
ほら、あそこに。
オルガがそっと耳打ちする。
彼女の視線の方向をじっと辿ると見慣れた後ろ姿が。
リジーは思わずさっと物陰に身を隠した。
「どうしたの?彼、待ってるわよ」
「私、どこも変じゃない?やっぱりパリ・モードのほうが良かったかしら」
「そんなことないわよ、オンディーヌみたいで可愛いわ」
「ちょっと派手すぎない?やっぱり花はないほうが、」
「大丈夫、自信を持って、行ってらっしゃい!」
ミニーにぽんっと背中を押され、リジーは何か言いたげに何度も友人たちの方を振り返りながらおずおずと足を踏み出した。