Ⅰ
夢小説設定
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「生憎、先生方は期末試験の準備で大忙しでね」
アルバス・ダンブルドアがゆったりとした口調で無精髭を生やした口元に笑みを浮かべる。
「わたしはたまたま通りかかっただけなんだが、まあ体よく押し付けられたんだな。だが困ったことに、気難しい話は苦手でねぇ。まあ二人とも、そんな所にぼうっと突っ立ってないで掛けなさい。お茶でも飲むかい?」
「いいえ、結構です……先生」
勧められるがままに、おずおずと腰掛ける。
いつも授業を受けている慣れ親しんだ教室も、今は夜のせいかひどく寒々しく、いつも他の生徒でいっぱいのはずが、自分たちだけ世界に取り残されたような感じがした。
「何も森に入ったぐらいで退学になどせんよ、まあせいぜい補習と中庭の草むしり程度かな」
ダンブルドアが冗談めかして言ったが、とても笑える気にはなれなかった。
「それで、こんな夜遅くに森へ行ったのはなぜかな?ん?」
「噂を、確かめに行ったんです……」
リジーが震える声で、しかししっかりとした口調で口を開いた。
「最近、学校で噂の怪物の事を調べてたんです、私がニュートを誘って森に行きました、彼はただ私を心配して付いて来てくれただけです」
ダンブルドアは黙ってリジーの目をじっと見つめた。
その目に、何もかも見透かされそうな気がして自然と逸らしたくなるのを我慢しながらリジーも真っ直ぐ目を合わせた。
「今の話は本当かいニュート?」
今度はニュートの方に目を向けた。
不意をつかれ、びくっと肩を震わせる。
「本当です、でも……」
ごくりと唾を飲み込み、視線を上げ、口を開いた。
「規則を知りながらその危険性を充分に理解していませんでした、年長者の僕が彼女を止めるべきでした、僕にも責任があります」
リジーは驚いてニュートを見た。
「……どんな理由があろうとも、未成年の生徒二人だけで森に入るのはよろしくないね、自分の身は自分で守らなければいけない。命は何物にも代えがたい、かけがえのない唯一のものだ。今回は無事だったとはいえバカな真似をしたと重々反省するように、いいね?」
ダンブルドアがきっぱりと述べると、二人は小さく頷いた。
「先生方にはわたしから事情を説明しておこう、二人とも寮に戻って今夜はもう休みなさい」
「あの!お願いがあるんです――」
「雛のことなら心配はいらない、マダム・ポンフリーが手厚く面倒を見てくれてる、獣は専門外だと嘆いておられたが。回復次第然るべきところへきちんと引き渡すつもりだよ。……母鳥の方も夜が明け次第埋葬の準備を整える」
「あ、ありがとうございます!」
ダンブルドアは何もかもお見通しだったようだ。
二人はほっとした表情で顔を見合わせた。
アルバス・ダンブルドアがゆったりとした口調で無精髭を生やした口元に笑みを浮かべる。
「わたしはたまたま通りかかっただけなんだが、まあ体よく押し付けられたんだな。だが困ったことに、気難しい話は苦手でねぇ。まあ二人とも、そんな所にぼうっと突っ立ってないで掛けなさい。お茶でも飲むかい?」
「いいえ、結構です……先生」
勧められるがままに、おずおずと腰掛ける。
いつも授業を受けている慣れ親しんだ教室も、今は夜のせいかひどく寒々しく、いつも他の生徒でいっぱいのはずが、自分たちだけ世界に取り残されたような感じがした。
「何も森に入ったぐらいで退学になどせんよ、まあせいぜい補習と中庭の草むしり程度かな」
ダンブルドアが冗談めかして言ったが、とても笑える気にはなれなかった。
「それで、こんな夜遅くに森へ行ったのはなぜかな?ん?」
「噂を、確かめに行ったんです……」
リジーが震える声で、しかししっかりとした口調で口を開いた。
「最近、学校で噂の怪物の事を調べてたんです、私がニュートを誘って森に行きました、彼はただ私を心配して付いて来てくれただけです」
ダンブルドアは黙ってリジーの目をじっと見つめた。
その目に、何もかも見透かされそうな気がして自然と逸らしたくなるのを我慢しながらリジーも真っ直ぐ目を合わせた。
「今の話は本当かいニュート?」
今度はニュートの方に目を向けた。
不意をつかれ、びくっと肩を震わせる。
「本当です、でも……」
ごくりと唾を飲み込み、視線を上げ、口を開いた。
「規則を知りながらその危険性を充分に理解していませんでした、年長者の僕が彼女を止めるべきでした、僕にも責任があります」
リジーは驚いてニュートを見た。
「……どんな理由があろうとも、未成年の生徒二人だけで森に入るのはよろしくないね、自分の身は自分で守らなければいけない。命は何物にも代えがたい、かけがえのない唯一のものだ。今回は無事だったとはいえバカな真似をしたと重々反省するように、いいね?」
ダンブルドアがきっぱりと述べると、二人は小さく頷いた。
「先生方にはわたしから事情を説明しておこう、二人とも寮に戻って今夜はもう休みなさい」
「あの!お願いがあるんです――」
「雛のことなら心配はいらない、マダム・ポンフリーが手厚く面倒を見てくれてる、獣は専門外だと嘆いておられたが。回復次第然るべきところへきちんと引き渡すつもりだよ。……母鳥の方も夜が明け次第埋葬の準備を整える」
「あ、ありがとうございます!」
ダンブルドアは何もかもお見通しだったようだ。
二人はほっとした表情で顔を見合わせた。