Ⅰ
夢小説設定
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膨大な数の書物が天井までびっしり詰まった巨大な図書室。
すぐ頭の上を本がふよふよと流れていく。
授業をサボった罰に図書室の整理を言いつけられたニュートは、一目見てその仕事量に圧倒されそうになった。
自分の身長より高く積まれた本の山、山、山。
今日中に終わるだろうか……?
本棚は並んでいる本ごとに決められていてその順番通り並べなければいけない。
開いてる所に間違った本を入れると本棚に並べられた本が一斉に襲い掛かってくる魔法が掛かってくるのだ。
(ドサドサドサッ……!!)
……こんなふうに。
本棚に整然と並べられていた分厚い本たちがニュート目掛けて雪崩れの如く降って来た。
鈍い音と共に頭に本が直撃し、本の山の中に生き埋めとなった。
「わっ、大丈夫ですか?!」
「ああ、何とか……」
起き上がろうと身を捩る。
「あ、」
「あ……」
目の前にいた人物を見て二人同時に声を上げた。
「この前の……」
「どうも……」
言いかけた途端、頭部の痛みに顔を歪めた。
「赤くなってる……」
きっとさっき本で打ったところだ。
「医務室に行きましょ」
「どうってことない、」
「いいから、立てますか?」
ニュートに手を差し伸べた時、
他の男子生徒が本棚の影からひょこっと現れた。
「リジー!ここにいたのか、探したよ……だれそいつ?」
「あー……友だち。彼、怪我してるみたいでこれから医務室に連れてくから、ここお願いしてもいい?」
「何これ?!ていうか、俺に勉強教えてくれるんじゃなかったの?」
「ごめんね、また今度!」
そう言ってニュートを急かして逃げるように図書室を出て行った。
――
「なんか……ごめん」
ニュートが謝るとリジーは首を傾げた。
「君にも迷惑掛けちゃったし……彼、残念がってたから」
すると「いいんです」と少し困ったように笑った。
「あの人最近しつこく私に付き纏ってて、勝手に図書室まで追いかけて来て、急に勉強を教えてくれって言うから仕方なく付き合ってただけで……はい、氷。マダム・ポンフリーが戻ってきたらちゃんと見てもらってくださいね」
「あ、ありがとう……」
冷たい氷を額に当てるとすうっと頭が冷えて緊張が解れるような気がした。
「あの……この前のお礼も、まだちゃんと言ってなくて……ありがとうございました」
「お礼なんて……」
「あの時、私一人じゃどうしたらいいのか分からなくて……ほんとに助かりました」
「そ、そっか、それなら良かった……」
ニュートは安堵してほっと息をついた。
しん、と沈黙が流れる。
医務室は二人の他に今は誰もいなかった。
恐る恐る彼女が口を開いた。
「あの、スキャマンダー先輩は……動物がお好きなんですか?」
「あ、ああ……」
すると彼女はぱあっと顔を輝かせ「私も動物大好きなんです!」
「ほんとに?」
「はい!」
「そうなんだ、嬉しいな」
「あの、スキャマンダー先輩は、」
「ニュートでいいよ」
「でも私より年上だから、」
「慣れてないんだ、滅多にそんなふうに呼ばれないから」
「OK、じゃあ、ニュート。私のこともリジーって呼んで。嬉しいわ、新しいお友達が出来て」
よろしくね、ニュート。
よろしく、リジー。
そう言って二人は互いに握手を交わした。
この出会いが、如何なる運命を辿るのか。
未だ誰も知る由もない。
すぐ頭の上を本がふよふよと流れていく。
授業をサボった罰に図書室の整理を言いつけられたニュートは、一目見てその仕事量に圧倒されそうになった。
自分の身長より高く積まれた本の山、山、山。
今日中に終わるだろうか……?
本棚は並んでいる本ごとに決められていてその順番通り並べなければいけない。
開いてる所に間違った本を入れると本棚に並べられた本が一斉に襲い掛かってくる魔法が掛かってくるのだ。
(ドサドサドサッ……!!)
……こんなふうに。
本棚に整然と並べられていた分厚い本たちがニュート目掛けて雪崩れの如く降って来た。
鈍い音と共に頭に本が直撃し、本の山の中に生き埋めとなった。
「わっ、大丈夫ですか?!」
「ああ、何とか……」
起き上がろうと身を捩る。
「あ、」
「あ……」
目の前にいた人物を見て二人同時に声を上げた。
「この前の……」
「どうも……」
言いかけた途端、頭部の痛みに顔を歪めた。
「赤くなってる……」
きっとさっき本で打ったところだ。
「医務室に行きましょ」
「どうってことない、」
「いいから、立てますか?」
ニュートに手を差し伸べた時、
他の男子生徒が本棚の影からひょこっと現れた。
「リジー!ここにいたのか、探したよ……だれそいつ?」
「あー……友だち。彼、怪我してるみたいでこれから医務室に連れてくから、ここお願いしてもいい?」
「何これ?!ていうか、俺に勉強教えてくれるんじゃなかったの?」
「ごめんね、また今度!」
そう言ってニュートを急かして逃げるように図書室を出て行った。
――
「なんか……ごめん」
ニュートが謝るとリジーは首を傾げた。
「君にも迷惑掛けちゃったし……彼、残念がってたから」
すると「いいんです」と少し困ったように笑った。
「あの人最近しつこく私に付き纏ってて、勝手に図書室まで追いかけて来て、急に勉強を教えてくれって言うから仕方なく付き合ってただけで……はい、氷。マダム・ポンフリーが戻ってきたらちゃんと見てもらってくださいね」
「あ、ありがとう……」
冷たい氷を額に当てるとすうっと頭が冷えて緊張が解れるような気がした。
「あの……この前のお礼も、まだちゃんと言ってなくて……ありがとうございました」
「お礼なんて……」
「あの時、私一人じゃどうしたらいいのか分からなくて……ほんとに助かりました」
「そ、そっか、それなら良かった……」
ニュートは安堵してほっと息をついた。
しん、と沈黙が流れる。
医務室は二人の他に今は誰もいなかった。
恐る恐る彼女が口を開いた。
「あの、スキャマンダー先輩は……動物がお好きなんですか?」
「あ、ああ……」
すると彼女はぱあっと顔を輝かせ「私も動物大好きなんです!」
「ほんとに?」
「はい!」
「そうなんだ、嬉しいな」
「あの、スキャマンダー先輩は、」
「ニュートでいいよ」
「でも私より年上だから、」
「慣れてないんだ、滅多にそんなふうに呼ばれないから」
「OK、じゃあ、ニュート。私のこともリジーって呼んで。嬉しいわ、新しいお友達が出来て」
よろしくね、ニュート。
よろしく、リジー。
そう言って二人は互いに握手を交わした。
この出会いが、如何なる運命を辿るのか。
未だ誰も知る由もない。