Ⅲ
夢小説設定
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――親愛なるニュートへ、メリークリスマス!
小さなお友達の幸せを祈って、心からありったけの愛とともに。リジーより。
XOXOXO P.S. 振らないで!
エジプトとニューヨークとの時間差も考慮した上で、しっかり朝一番の郵便で届いたクリスマスカードにニュートは小さくキスをして、大切に手帳の間に挟んだ。
プレゼントに掛けられた金銀の長いリボンに興味津々で飛びつく二フラーを脇へ下ろしながら、プレゼントの箱は片っ端から振りたくなる衝動をぐっと堪えて、指示通り大きめのずっしりとした重みのある箱の蓋をそっと取り去る。
中には美しいティーセットがひと揃い、慎重に納められていた。
深い紺色の地に点々と真冬の星たちが浮かんだ夜空のティーカップ、それに揃いのソーサーと大きな銀のスプーンが三つ。
ティースプーンにしては大きすぎるそれには「Niffler」と流麗な綴り字で刻印が施されている。ピケットとドゥーガルの分もあった。
ニュートはそれを大切そうに指で一撫でして、二フラーの前に掲げる。
瞬間、凄まじい勢いで跳躍した二フラーが攫っていった。
ニュートは早速貰ったばかりのティーセットを並べて朝食の支度に取り掛かる。
乾いたパンを適当に口の中に放り込みながらお湯を沸かす。
ニュートは朝食に手間取らない主義だ、別にパンはトーストしてなくてもいいし、バターもなくていい。男一人の食事なんて、要は腹に溜まればなんだっていい。
紅茶を蒸らす三分間だけはじっくりと待つ、イギリスで生まれ育ったからか紅茶には小さなこだわりがある。
ニュートは三分間ゆっくり考えた。
今日はクリスマスだ、特別な日だ、だって一年に一度しか来ないから。
いい加減早くプレゼントを決めないといけない、午前中の郵便に間に合わせないと。ニュートの傍らには包装用の包み紙とリボンと書きかけのクリスマスカードが散乱していた。
ニュートはちらりと二フラーを振り返る、そして時計を見た。
時刻は朝の午前七時、ニューヨークはまだ夜中の三時頃だろう。
頭の中で今日一日の予定を順序を追って確認する、いつも通り動物たちの世話をして、スフィンクスの相手をしに行って、原稿にキリをつけて……。
――クリスマスなのに?クリスマスなのに、僕は原稿を書かなければいけないのか?なぜ?
ここまでで既に五分が経過していた、ニュートは蒸らしすぎた渋い紅茶を僅かに眉を寄せながらすすり、朝食を完了した。
手早く身支度を整え、拡張魔法を掛けたトランクの中へ降りて行き、巣の中でプレゼントの銀のスプーンを抱えて転げ回っている二フラーに告げる。
「僕のお金を返してもらうよ、二フラー」
二フラーの動きが一瞬硬直する、信じられないと言った目でニュートの目をじっと見つめ、くんくん鼻を鳴らし、二フラーはニュートの顔目掛けて飛びかかった。
ニュートは素早く身を躱して二フラーを避け、巣の中に散らばる金貨の中から枚数を数えて掴んだ。
ニュートの貯蓄はほとんどこの中に収まっている、実際二フラーは信頼出来る銀行家ではあるが引き出しに毎回一苦労するのは難点だ。
ニュートは急いで動物たちの世話を終え、電話を掛けに行った。
長いコール音の後にコッツウォルズのスキャマンダー家に電話が繋がった。
小さなお友達の幸せを祈って、心からありったけの愛とともに。リジーより。
XOXOXO P.S. 振らないで!
エジプトとニューヨークとの時間差も考慮した上で、しっかり朝一番の郵便で届いたクリスマスカードにニュートは小さくキスをして、大切に手帳の間に挟んだ。
プレゼントに掛けられた金銀の長いリボンに興味津々で飛びつく二フラーを脇へ下ろしながら、プレゼントの箱は片っ端から振りたくなる衝動をぐっと堪えて、指示通り大きめのずっしりとした重みのある箱の蓋をそっと取り去る。
中には美しいティーセットがひと揃い、慎重に納められていた。
深い紺色の地に点々と真冬の星たちが浮かんだ夜空のティーカップ、それに揃いのソーサーと大きな銀のスプーンが三つ。
ティースプーンにしては大きすぎるそれには「Niffler」と流麗な綴り字で刻印が施されている。ピケットとドゥーガルの分もあった。
ニュートはそれを大切そうに指で一撫でして、二フラーの前に掲げる。
瞬間、凄まじい勢いで跳躍した二フラーが攫っていった。
ニュートは早速貰ったばかりのティーセットを並べて朝食の支度に取り掛かる。
乾いたパンを適当に口の中に放り込みながらお湯を沸かす。
ニュートは朝食に手間取らない主義だ、別にパンはトーストしてなくてもいいし、バターもなくていい。男一人の食事なんて、要は腹に溜まればなんだっていい。
紅茶を蒸らす三分間だけはじっくりと待つ、イギリスで生まれ育ったからか紅茶には小さなこだわりがある。
ニュートは三分間ゆっくり考えた。
今日はクリスマスだ、特別な日だ、だって一年に一度しか来ないから。
いい加減早くプレゼントを決めないといけない、午前中の郵便に間に合わせないと。ニュートの傍らには包装用の包み紙とリボンと書きかけのクリスマスカードが散乱していた。
ニュートはちらりと二フラーを振り返る、そして時計を見た。
時刻は朝の午前七時、ニューヨークはまだ夜中の三時頃だろう。
頭の中で今日一日の予定を順序を追って確認する、いつも通り動物たちの世話をして、スフィンクスの相手をしに行って、原稿にキリをつけて……。
――クリスマスなのに?クリスマスなのに、僕は原稿を書かなければいけないのか?なぜ?
ここまでで既に五分が経過していた、ニュートは蒸らしすぎた渋い紅茶を僅かに眉を寄せながらすすり、朝食を完了した。
手早く身支度を整え、拡張魔法を掛けたトランクの中へ降りて行き、巣の中でプレゼントの銀のスプーンを抱えて転げ回っている二フラーに告げる。
「僕のお金を返してもらうよ、二フラー」
二フラーの動きが一瞬硬直する、信じられないと言った目でニュートの目をじっと見つめ、くんくん鼻を鳴らし、二フラーはニュートの顔目掛けて飛びかかった。
ニュートは素早く身を躱して二フラーを避け、巣の中に散らばる金貨の中から枚数を数えて掴んだ。
ニュートの貯蓄はほとんどこの中に収まっている、実際二フラーは信頼出来る銀行家ではあるが引き出しに毎回一苦労するのは難点だ。
ニュートは急いで動物たちの世話を終え、電話を掛けに行った。
長いコール音の後にコッツウォルズのスキャマンダー家に電話が繋がった。