Turquoise
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「別れる、もう絶対別れる」
まだぽろぽろと涙を零しながらぐすぐす鼻を鳴らすリジーにニュートは氷を手渡す。
じんじんと熱を持つ頬がゆっくりと冷まされていくのを感じながらまた一つ涙がじわりと視界を滲ませた。
「女の子の顔殴るとか最低、誰のために時間掛けておしゃれしたと思ってんの」
「リジー、ひねったのってどっち?」
「右。ねえ人の話聞いてた?」
「え?ああ、うん。手出して、湿布貼るから」
ニュートの態度にリジーは不満げな表情で渋々右手を差し出した。
折れそうなくらいに細い手首が腫れてじんわりと熱を帯びている。
ニュートは小さく息をついて湿布を貼る、リジーは黙ってその光景を眺めていた。
「どうせ本命じゃなかったし、きっぱり別れるわ。あいつが隠れてタバコ吸ってたのもバラしてやる」
少し落ち着いてきた様子のリジーにニュートは安堵した。
やっと泣き止んだかと思いきや今度は怒り始めた彼女に少し笑む。
「……好きでもないのに、どうして付き合ってたの?」
ぺり、爪の先で絆創膏の裏紙を剥がす。
靴ズレどっち?と聞くとリジーは何も言わずに紺色のハイソックスを脱いだ。
普段は分からない、裸足のつま先は目が覚めるような明るいターコイズブルーに彩られ、優等生の堂々たる校則違反にニュートはふっと笑った。
「ヤキモチ妬かせたくて」
「ああ……兄さんか。まだ好きなんだ」
子供の頃にテセウスに手を引かれ、ふざけて頬にキスをされて真っ赤になっていた彼女を思い出す。
自分のものでもないのに横から取られたみたいな気がして、小さいながらにも嫉妬した記憶が巻き戻っていく。
ニュートのごつごつした指がつま先に触れる。
誰かに触られることなんてそうそうない慣れない感覚に、思ったよりもダイレクトに温もりが伝わってきてリジーは思わず息を呑む。
「……違うよ」
リジーはおもむろに手を伸ばし、ニュートの前髪を指先で撫でた。
黄色い日差しの下で、色素の薄い瞳がターコイズブルーに揺らめく。
泣きはらして赤く染まった目尻に頭がぼうっとして、気づけば頬に手を伸ばしていた。
薄い唇を親指でなぞる、叩かれた方の口端が一箇所切れていた。
はじめて重ねた唇は少しだけしょっぱくて、心臓がギシギシ痛んだ。
リジーは涙目で微笑みながら「キスが染みる」と嬉しそうに笑った。
まだぽろぽろと涙を零しながらぐすぐす鼻を鳴らすリジーにニュートは氷を手渡す。
じんじんと熱を持つ頬がゆっくりと冷まされていくのを感じながらまた一つ涙がじわりと視界を滲ませた。
「女の子の顔殴るとか最低、誰のために時間掛けておしゃれしたと思ってんの」
「リジー、ひねったのってどっち?」
「右。ねえ人の話聞いてた?」
「え?ああ、うん。手出して、湿布貼るから」
ニュートの態度にリジーは不満げな表情で渋々右手を差し出した。
折れそうなくらいに細い手首が腫れてじんわりと熱を帯びている。
ニュートは小さく息をついて湿布を貼る、リジーは黙ってその光景を眺めていた。
「どうせ本命じゃなかったし、きっぱり別れるわ。あいつが隠れてタバコ吸ってたのもバラしてやる」
少し落ち着いてきた様子のリジーにニュートは安堵した。
やっと泣き止んだかと思いきや今度は怒り始めた彼女に少し笑む。
「……好きでもないのに、どうして付き合ってたの?」
ぺり、爪の先で絆創膏の裏紙を剥がす。
靴ズレどっち?と聞くとリジーは何も言わずに紺色のハイソックスを脱いだ。
普段は分からない、裸足のつま先は目が覚めるような明るいターコイズブルーに彩られ、優等生の堂々たる校則違反にニュートはふっと笑った。
「ヤキモチ妬かせたくて」
「ああ……兄さんか。まだ好きなんだ」
子供の頃にテセウスに手を引かれ、ふざけて頬にキスをされて真っ赤になっていた彼女を思い出す。
自分のものでもないのに横から取られたみたいな気がして、小さいながらにも嫉妬した記憶が巻き戻っていく。
ニュートのごつごつした指がつま先に触れる。
誰かに触られることなんてそうそうない慣れない感覚に、思ったよりもダイレクトに温もりが伝わってきてリジーは思わず息を呑む。
「……違うよ」
リジーはおもむろに手を伸ばし、ニュートの前髪を指先で撫でた。
黄色い日差しの下で、色素の薄い瞳がターコイズブルーに揺らめく。
泣きはらして赤く染まった目尻に頭がぼうっとして、気づけば頬に手を伸ばしていた。
薄い唇を親指でなぞる、叩かれた方の口端が一箇所切れていた。
はじめて重ねた唇は少しだけしょっぱくて、心臓がギシギシ痛んだ。
リジーは涙目で微笑みながら「キスが染みる」と嬉しそうに笑った。
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