黒須×旬
「黒須ハンター、邪魔。退いて」
「おー、悪い悪い。なんだ、今日もお姫様はご機嫌斜めか?飯でも一緒に食いに行くか?」
「うるさい触んな行かない」ベシッ
「…あの、あれは一体…?」
「ああ、あれですか。…黒須ハンターが水篠ハンターの同意無しに手を出したんですよ。どこまでかは知りませんけどね。…チッ、事故を装ってギルドごと燃やしてくれば良かった」
「…は?同意無しに…?手を…?…………失礼、用事を思い出しました。」
一礼して足早に部屋を出ていく犬飼
「…あれは協会からも苦情が行くな。良くやった」
「貴方に褒められる言われはありませんがどうも。二人とも水篠ハンターの事を気に入っているのは間違いないですし、我が国が誇る国家権力級ハンターに手を出したのですから、それは苦情のひとつやふたつや百は聞いて貰わないと」
炎がどこまで拡がるのか楽しみです、と笑う最上にコイツも表に出さないだけで相当水篠のことを気に入ってるんだよなあ、と思いながらも気に入ってるのは自分もなので精々苦労すればいいと同じような悪どい笑みを浮かべて水篠に付き纏っている黒須を見る。
すると俺たちの視線に気付いたのか水篠がこちらを見て寄ってきた。
「最上ハンター、白川ハンター。あの人何とかなりませんか」
「僕らも心の底から残念ですが元々ああなんです。なりません。ですが壁にはなってあげますからここにいなさい」
「そうだな、始末したくてどうしようもない性格をしていてもS級だから無駄に厄介なんだ」
「おいおい、お前ら酷くないか?俺はただ水篠ハンターと仲良くなりたいだけなんだって」
「俺はなりたくない。どっか行け」
二人の間にすっと入り込み後ろに逃げる水篠。
「お呼びじゃないそうですよ。黒須ハンター諦めては?」
「しつこくした分嫌われるぞ」
日頃の憂さ晴らしとばかりに煽る二人に流石にイラっとする
「お前らこんな時にだけ意見合わせてんじゃねえよ!」
「もう嫌ってる」
「「ぶっ」」
容赦のない水篠の一言に同時に吹き出す二人
「酷いな。…でもこのまま逃げられると思うなよ。この後合同レイドの打ち合わせしなきゃいけないしなあ?」
「断っていい?」
黒須では無く最上と白川を見て尋ねる
「良いですよ」
「良いぞ」
「勝手に許可すんな。良くねえよ。水篠ハンターもなんでそっちに聞くんだ」
「会話したくない」
「随分と嫌われてますねえ」
「本当に何をしたんだ」
「何ってそりゃあセ「わー!!!」うわ、急にデカい声出すなよ」
「あんた馬鹿なのか!?!?」
「聞かれたから答えただけだろ?…ふーん、言って欲しく無いのか?でもここに居る限り俺も話しちまうかもしれないが…」
どうする?とにやにやしながら聞いてきた黒須に舌打ちを一つ。
「………チッ!!!さっさと行くぞ!!…最上ハンター、白川ハンター失礼します!」
「はいはい。2人ともじゃあなー」
上機嫌で水篠の腰を抱いて連れていこうとして手を伸ばし、抓られている黒須を後ろから見ながら最上が呟く
「だからあの男が一番厄介だと言うんです…あれは完全に毒牙にかかりましたね」
「手遅れか…」
助けてやりたいがああなったからには最早黒須の手からは逃げられまい。
だが此方としても折角懐いてきた水篠ハンターを取られるのも癪なのでもう少し抵抗出来るように黒須の悪い話を今度聞かせてやろう、と心に決めた。