白川×旬




合鍵を使って上がり込んだ部屋で旬は頭を抱えていた

10/6。今日は大虎さんの誕生日だ。でも何も用意出来ていない。いや、買おうとはしたのだが、高校生の自分ではそもそも親から貰った小遣いから捻出する形になるし、そうなるとなんだか話が違う気がして迷っている間に誕生日当日を迎えてしまったのだ。父さん情報によると隊員の中でも大虎さんは人気が高いので今日は誕生会として飲みに連れ出される予定らしい。つまり直ぐに帰ってくる訳では無いし、その間に何かを、と思っていたのだが如何せんなにも思いつかない。

「どうしよう…こうなったら…死ぬほど恥ずかしいけどアレしかないか…?」

用意出来ていないのだから仕方がない、と意気込んで大虎さんが帰ってくるのを待つ

***

ガチャリ

「…旬?来ているのか?」

今日は誕生日という事で酒を散々飲まされ、ほろ酔い気分のまま玄関を開けると見覚えのある靴が玄関に揃えられていた。誕生日に訪問とは可愛い事をしてくれる、とクスリと笑いながらリビングのドアを開けると、ソファで旬が寝ていて。

「…まあこんな時間だしな」

「…ん…たいがさん…?あっ!…ごめん、俺寝てた…!…おかえりなさい」

「ただいま。いや、俺も遅くなったからな。気にしないでくれ」

ばっと起きた旬がおかえりなさいと言ってくれるだけでなんだか心安らぐ気持ちになるのだが…目線をふと下に向ける。
旬の格好は既にパジャマに着替えているのだが…前のボタンが全部外され、白い肌が惜しげも無く露出していて。俺がじっと見ているのに気付いたのか、照れたように寄ってくるものだから微笑ましくなりボタンをひとつふたつと留めてやる

「風邪を引くだろう」

すると旬がなんだかショックを受けたような顔をしたので何か悪いことを言っただろうか?と首を傾げると俯いた旬がボタンを留める俺の手を途中で掴み、小さく呟いた。

「今日…大虎さん誕生日なのに俺何にもプレゼント用意出来てなくて…」

「なんだ、そんなことか。以前ならまだしも今のお前は高校生だし気にする事はない」

用意出来なかったことを悔やんでいるのかと笑って言えばそうじゃない、と首を振る旬

「違くて!その…だから…代わりに…えっと…これ、誘ってる、つもりだった…ん、だけど…」

真っ赤になりながら掴んでいる手をパジャマの空いている隙間から素肌に触れさせる旬に固まってしまう。

「…っ、プレゼント…用意出来なかった、から…その…代わり、に…俺のこと…好きにして、いい…よ」

「!!」

旬はまだ高校生なのでこの世界では手出しをしていなかった、が。今、なんていった?誘っている?好きにしていい?…あの素直じゃない旬が?

「…本気か?」

触れさせていた素肌をそっと撫でるとビクリと震え、じわじわと赤くなる顔を逸らしながらも小さく頷いた旬を抱え上げ寝室へ連れて行った。
ベッドの上へと旬を降ろすと先ほど自分で留めたボタンを再び外す。

「えっ」

「誘うつもりでいたんだろう?…ほら、戻したから誘ってみてくれ」

顔を赤くして此方を睨みつける旬だが折角の機会を捨てる訳が無いだろう。誕生日なのだからこのくらいは許されるだろう、と続ければ恥ずかしそうに目線を逸らす。

「どうした?怖気づいたならば止めておくか?」

「怖気づく訳ないだろ!」

わざと煽れば案の定ばっと身体ごと起こして噛みついてくる旬は世界が変わろうとも負けず嫌いは健在だな、と思い口角が上がった。

「誕生日プレゼントをくれるんだろう?」

「チッ。………ああ!もう!」

舌打ちをして悩んでいた様だったが突然大声を出したかと思えば俺を力尽くで押し倒し、馬乗りになって照れ隠しなのか喧嘩を売る様に叫んできた。

「俺がプレゼントだから!全部やる!好きにすれば!?」

「ふっ、くく、っ、…はははっ!」

内容は甘いものだったがまるでやけっぱちのような言い草にクツクツと笑いが零れてしまって更に睨まれる。だがこんなにも可愛い誘いを聞けば笑ってしまうのも仕方がないと思う。

「何笑ってんだよ!」

「くくっ、いやすまん。……旬。全部、貰って良いんだな?」

腹に乗ったままの旬の頬に腕を伸ばし、笑いながら撫でれば微かに擦り寄ってきたので顔を寄せ旬に口付ける。

「そうだって言ってるだろ。……ん、…誕生日おめでとう、大虎さん」

「ああ、ありがとう。…今までの人生の中で一番良いプレゼントだな」

はだけたままのパジャマを脱がし、二人でベッドへと沈み込んだ













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