白川×旬
※元はネタからの派生の為、シーンが飛び飛びです
俺には忘れられない幼少期の記憶がある。あの人はすっかり忘れているようだけれど、きっと死んでも忘れられない、脳裏に焼き付いた強烈な記憶。
―――たいがくん!あそぼ!
―――ん、なんか、へんなかんじ…ふふっ、むねくすぐったいっ!…?たいがくん?ぁ、
―――ちゅーはすきな人とするんでしょ?おれね、たいがくんだいすきだからちゅーするの!
―――旬、口開けろ
―――くち?あーん…こう?────んぅ!っ、ふぁっ、んんっ!
―――…ん、旬の口は小さいな
―――んぅ、おくち、なかなにっ?、っん、んむっ、ふ、はぅ、
―――たいがくん、からだあつくて、へんなの…
***
首都ギルド定例会議後
「水篠ハンター!」
「白川ハンター、何でしょうか。いきなり腕を掴まないでください」
「申し訳ない。ですが最近余りにも露骨に自分を避け過ぎでは無いでしょうか。マスコミにも我進と白虎の軋轢か、等とあらぬ事を記事にされ始めています。何かあるのでしたらはっきり仰ってください」
「…別に何も」
「では何故露骨に目も合わせないんですか」
「2人とも落ち着いてください。水篠ハンター、白川社長に何かされたのでしたら今解決してしまった方が良いと思いますよ」
「まあそうだな。お兄さんたちが間に入ってやるからさ」
困惑と多少の怒りを滲ませている白川と冷徹に返す水篠。なんだか厄介そうな雰囲気を感じた為、黒須と最上が仲裁に入る。
「別に、話すようなことは無いんです」
「では何故避けているのです?確かに此方から見ていても水篠ハンターが避けている節が見えますが…」
「…気分で」
「いやいや、それは言い訳に無理があるだろ。まあ無理にとは言えないが、せめて白川と話してみないことには始まらないぜ。な?」
黒須が苦笑しながら背中を軽く叩くが複雑そうな顔をして水篠が黙り込んでしまったのでどう宥めて話を聞き出そうかと最上とアイコンタクトをしていたのだが、我慢が効かなくなった人間により全てが無に帰した。
「チッ、そんなガキみたいに黙り込んで何にも言わないなんて、どうせ大したことないんでしょう」
「は、あ!?大したことない!?その子供みたいな人間に手を出したのはあんたなのに!!?」
白川が苛ついたように発した言葉を受けて水篠がキレた。
「は?…白川、お前まさか…」
「それは流石に…」
「は!?違う!!何もしてない!!水篠ハンターも何か勘違いしていませんか!?」
水篠が言い渋っていた理由が分かった2人は軽蔑の視線を白川に向けるが、白川は身の潔白を訴える。だがキレた水篠は配慮というものを一切する気も無くなっていたので全て暴露してやることにした
「は?って言いたいのはこっちなんだけど。勘違い?勘違いだって?10にもならない頃の俺に手を出したのに????」
「え」
「10…?白川、お前そんな趣味が…?」
「水篠ハンターに手を出しただけでも問題ですがまさか未成年の頃から…?」
「違う!待て!誤解だ!」
「ふーん、誤解なんだ。ハンターになる前。消防士の頃父さんに連れられてしょっちゅう家でメシ食ってたのに。俺連れ帰って泊まらせたりしてたのに」
「………あ?」
「…水篠ハンターこっち来い」
「心当たりがあるんですか。…そうです、水篠ハンターは僕らの後ろにいて下さい」
どんどんと軽蔑の視線が強くなって行き、ついに2人して水篠を背に庇い始めた。
「いや待て、あの子は水篠ハンターとは似てな、…は?水篠?…水篠潤一郎さんの息子…?」
「はい」
「………旬?」
「はい」
無表情のまま吐き捨てるように返事をする水篠に原因に理解が及んだのか真っ青になっていく白川。
やっぱりそうなのか。ってことはコイツ本当に未成年の頃の水篠に手を出したって事か?正気か?と黙って心の中でドン引きする最上と黒須。
しっかりと騒動に巻き込まれていた犬飼はせめてこの醜聞が広まらないようにと現実逃避で信じてもいない神に祈りはじめた。
「あの、旬、いや水篠ハンター、大変申し訳ありません…」
「いやもう遅いだろ」
「ですね。レッドゲートの件から始まりマイナスだらけじゃないですか貴方。よく水篠ハンターをスカウトしようとしましたね。厚顔無恥も良いところですよ」
「最上黒須頼むからちょっと黙れ」
「…許すかどうかは別ですけど一先ず思い出したのなら話は終わりにします。…最上ハンター、黒須ハンター、犬飼課長。変な話に巻き込んですみませんでした。」
「いや、話聞いて納得した。どう考えても白川が悪いから気にすんな」
「慰謝料なりふんだくるのでしたら協力しますよ」
「御二方の仰る通り水篠ハンターに非はありませんからお気になさらず」
***
「…昔みたいにしないんですか?」
あーん、と悪戯するように笑いながら口をわざと開けてみせる旬に漸くかつての少年の姿が重なって見えて。
血迷った当時の気持ちが再び顔を出す。
「───んん!?ふ、っぁ、まっ、んぅっ!!」
「は、相変わらず小さい口だな」
「白川さ、まっ、て、ンん!ふぁッ、ん、はぅっ、ァっ、」
「煽ったのはお前だろう。責任取れ。」
「ちが、煽ってなんか、な、んぅ、ッ、」
「昔は少し触っただけだったな」
「やっ、白川さんッ、なんで服捲ってっ!?ッぁ、っ!」
「感度が良いのも変わらないのか」
「ッ!!ぁ、ん、っ!ゃ、変わらないっ、て、おぼえても、ぁっ、なかった、くせ、ンっ、にっ!」
キッと涙目で睨みつけられて触れていた手を1度止める
「それは本当に悪かった。水篠ハンターと旬が繋がらなかっただけで忘れていた訳じゃない」
「っ、…レッドゲートの後、俺また会えたと思って嬉しかったのに全然知らない人みたいな反応するし。まあ事故の後だからかもしれないと思って、きっと後日話してくれるだろうって、帰ろうとしたら肩思いっきり掴むし圧かけて酷い態度取るし…」
「悪かった」
お前の態度も相当悪かったぞ、とはこの状況下で言えるはずも無く。ただ黙って謝罪する。
旬の言う通りあの時思い出していたら、もしかすると白川の右腕として白虎ギルドに旬が居たかもしれないと考えると後悔の念が湧いてくる
「あの後も全然思い出さないから俺も段々ムカついてくるし、でも忘れてるならそれでいいかと思って俺のイライラが収まるまで距離置こうとしてたのに。それなのにあんな皆の前で捕まえるしガキとか言うし」
「…悪かった…ふっ、」
ぶちぶちと文句を言う旬に繰り返し謝るが、子供の頃の事を思い出した。
何かしら不満があると泣いたり子供らしい駄々を捏ねるわけでもなく、こうして下を向いて不満をぶちぶちと呟いて来るからその都度なだめるのに苦労したな、と思い出しうっかり笑ってしまった。
「人が文句つけてる時に笑うなんてどうかと思いますが!?」
「ふっ、くくっ、昔もそうやって嫌な事があると下向いてぶちぶちと文句を垂れていたなと思ったら懐かしくなってしまって」
「なっ…!?ぶちぶちと文句垂れる事になったのは誰のせいですか!?」
「ハハッ、すまんすまん」
立ち上がってさながら子猫の様に威嚇する旬にそう怒るな、と言いながら手を掴んで胡座をかいた足の上へ横向きに座らせる。
「っ、え、何して」
「昔不満がある時はよくこうして聞いていただろう」
「今と昔は違うし、ってか重いでしょう!」
「いや、昔から思っていたがお前は軽い」
というか軽すぎるだろう、ちゃんと食べているのか?と抱えたままぺたぺたと腹筋の辺りを触る白川に先程の触れ方を思い出し少し反応してしまう
「ちゃんと食べてる、ッん…」
「…旬、顔上げろ」
「ぇ?ンっ!んぅっんむっ、ぁ、はッぁん、っぅ、んんっ」
再びキスをして来た白川に抵抗しようにもしっかりと抱え込まれていて身動きが取れず成されるがままになってしまう。
「ん、ぅ、はっ、…はぁ、ん、」
身じろぎを止めて大人しくなった旬を見てそっと口を離すと、とろんとした目で白川を見つめる。
旬は別に今の白川の事だって嫌いなわけではないし、小さい頃は大好きだった訳で。
大人になって色々あったものの根本には好意が残っているのだからこんな風に再び手を出されるとどうしても昔の事を思い出して抵抗が弱くなってしまう。
「…ちゅーは好きな人とする、だったか?」
白川もすっかり過去の事を思い出したのか揶揄うように幼いころの発言を掘り返してくるが、その目は真剣そのもので。決して獲物を逃さんとするかのように薄く発光し始めていた。
その目を真正面から受け止め、ゾクリとした感覚が旬の背に走るがこのまま流されるなんて癪だと謎の負けず嫌いな性格が顔を出す
「…い、まの俺が大虎さん好きとは限らない、でしょ」
大虎さんは俺のこと好きなの?と上がった息を隠し強がってにやりと笑う旬に、そういえば普段は可愛かったのに勝負事になった瞬間生意気で負けず嫌いなクソガキになっていたな、と思い出す。
「そんな惚けた目で見られても説得力がないが」
「は、歳で目が悪くなったんじゃ、っぁん!!」
再び生意気な事を言う旬の胸を軽く抓る。
「好きじゃない人間にこんな反応を返すのか?」
「…っくそ、ばーか!大虎さんなんかきら、っん!ふ、ぁンっ、ゃっ、んんぅ」
言い返せなかったのか本当に子供みたいな悪態を吐く旬に苦笑しつつ流石に「嫌い」とは言われたくないので口を塞ぐ。
まあ元々此方が血迷って子供時代の旬に手を出したのが発端な訳だし、そんな態度も可愛いと思うほどに重症なのはこちらなのだから先に白旗を挙げてやろう
「…はぁ…旬。わかった。降参してやる」
「ふぁっ、は、ふっ、ぁ、…?」
「好きだ。小さい頃のお前も、今の生意気なお前も愛している」
「ぇ…!?」
「旬は?…どう思っている?」
「ぁ、っ、その…」
こちらからの告白に顔を赤くして下を向いて黙り込んでしまった旬の顔を覗き込む
「旬。聞かせてくれ」
「…っ、俺だって小さい頃から、その、大虎さんの事好き、だったし…今だって好き、に決まってるだろ…!」
言いながらしがみついてくる旬を力強く抱き締める。10年以上もかけて漸く手に入れた幸せを噛み締めながら。
「…大虎さん、」
「ん?なんだ?」
甘えるように擦り寄って来た旬をやはり今でも可愛いな、と思いながら耳を傾ける
「身体、熱くて変なんだけど…?」
吐息と共に昔の台詞で続きを誘ってくる旬に理性が切れる音がした。
「あ゛あ゛!クソっ!お前は本当に!!責任取れよ!」
「ふふふっ、違うだろ?大虎さんが俺の人生を変えた責任取るんだよ」
ね、大虎くん?と笑う旬に、先に降伏もしてしまったしもう一生こいつには勝てないのだろうな、と諦めを抱き、再び口付けを交わした。
俺には忘れられない幼少期の記憶がある。あの人はすっかり忘れているようだけれど、きっと死んでも忘れられない、脳裏に焼き付いた強烈な記憶。
―――たいがくん!あそぼ!
―――ん、なんか、へんなかんじ…ふふっ、むねくすぐったいっ!…?たいがくん?ぁ、
―――ちゅーはすきな人とするんでしょ?おれね、たいがくんだいすきだからちゅーするの!
―――旬、口開けろ
―――くち?あーん…こう?────んぅ!っ、ふぁっ、んんっ!
―――…ん、旬の口は小さいな
―――んぅ、おくち、なかなにっ?、っん、んむっ、ふ、はぅ、
―――たいがくん、からだあつくて、へんなの…
***
首都ギルド定例会議後
「水篠ハンター!」
「白川ハンター、何でしょうか。いきなり腕を掴まないでください」
「申し訳ない。ですが最近余りにも露骨に自分を避け過ぎでは無いでしょうか。マスコミにも我進と白虎の軋轢か、等とあらぬ事を記事にされ始めています。何かあるのでしたらはっきり仰ってください」
「…別に何も」
「では何故露骨に目も合わせないんですか」
「2人とも落ち着いてください。水篠ハンター、白川社長に何かされたのでしたら今解決してしまった方が良いと思いますよ」
「まあそうだな。お兄さんたちが間に入ってやるからさ」
困惑と多少の怒りを滲ませている白川と冷徹に返す水篠。なんだか厄介そうな雰囲気を感じた為、黒須と最上が仲裁に入る。
「別に、話すようなことは無いんです」
「では何故避けているのです?確かに此方から見ていても水篠ハンターが避けている節が見えますが…」
「…気分で」
「いやいや、それは言い訳に無理があるだろ。まあ無理にとは言えないが、せめて白川と話してみないことには始まらないぜ。な?」
黒須が苦笑しながら背中を軽く叩くが複雑そうな顔をして水篠が黙り込んでしまったのでどう宥めて話を聞き出そうかと最上とアイコンタクトをしていたのだが、我慢が効かなくなった人間により全てが無に帰した。
「チッ、そんなガキみたいに黙り込んで何にも言わないなんて、どうせ大したことないんでしょう」
「は、あ!?大したことない!?その子供みたいな人間に手を出したのはあんたなのに!!?」
白川が苛ついたように発した言葉を受けて水篠がキレた。
「は?…白川、お前まさか…」
「それは流石に…」
「は!?違う!!何もしてない!!水篠ハンターも何か勘違いしていませんか!?」
水篠が言い渋っていた理由が分かった2人は軽蔑の視線を白川に向けるが、白川は身の潔白を訴える。だがキレた水篠は配慮というものを一切する気も無くなっていたので全て暴露してやることにした
「は?って言いたいのはこっちなんだけど。勘違い?勘違いだって?10にもならない頃の俺に手を出したのに????」
「え」
「10…?白川、お前そんな趣味が…?」
「水篠ハンターに手を出しただけでも問題ですがまさか未成年の頃から…?」
「違う!待て!誤解だ!」
「ふーん、誤解なんだ。ハンターになる前。消防士の頃父さんに連れられてしょっちゅう家でメシ食ってたのに。俺連れ帰って泊まらせたりしてたのに」
「………あ?」
「…水篠ハンターこっち来い」
「心当たりがあるんですか。…そうです、水篠ハンターは僕らの後ろにいて下さい」
どんどんと軽蔑の視線が強くなって行き、ついに2人して水篠を背に庇い始めた。
「いや待て、あの子は水篠ハンターとは似てな、…は?水篠?…水篠潤一郎さんの息子…?」
「はい」
「………旬?」
「はい」
無表情のまま吐き捨てるように返事をする水篠に原因に理解が及んだのか真っ青になっていく白川。
やっぱりそうなのか。ってことはコイツ本当に未成年の頃の水篠に手を出したって事か?正気か?と黙って心の中でドン引きする最上と黒須。
しっかりと騒動に巻き込まれていた犬飼はせめてこの醜聞が広まらないようにと現実逃避で信じてもいない神に祈りはじめた。
「あの、旬、いや水篠ハンター、大変申し訳ありません…」
「いやもう遅いだろ」
「ですね。レッドゲートの件から始まりマイナスだらけじゃないですか貴方。よく水篠ハンターをスカウトしようとしましたね。厚顔無恥も良いところですよ」
「最上黒須頼むからちょっと黙れ」
「…許すかどうかは別ですけど一先ず思い出したのなら話は終わりにします。…最上ハンター、黒須ハンター、犬飼課長。変な話に巻き込んですみませんでした。」
「いや、話聞いて納得した。どう考えても白川が悪いから気にすんな」
「慰謝料なりふんだくるのでしたら協力しますよ」
「御二方の仰る通り水篠ハンターに非はありませんからお気になさらず」
***
「…昔みたいにしないんですか?」
あーん、と悪戯するように笑いながら口をわざと開けてみせる旬に漸くかつての少年の姿が重なって見えて。
血迷った当時の気持ちが再び顔を出す。
「───んん!?ふ、っぁ、まっ、んぅっ!!」
「は、相変わらず小さい口だな」
「白川さ、まっ、て、ンん!ふぁッ、ん、はぅっ、ァっ、」
「煽ったのはお前だろう。責任取れ。」
「ちが、煽ってなんか、な、んぅ、ッ、」
「昔は少し触っただけだったな」
「やっ、白川さんッ、なんで服捲ってっ!?ッぁ、っ!」
「感度が良いのも変わらないのか」
「ッ!!ぁ、ん、っ!ゃ、変わらないっ、て、おぼえても、ぁっ、なかった、くせ、ンっ、にっ!」
キッと涙目で睨みつけられて触れていた手を1度止める
「それは本当に悪かった。水篠ハンターと旬が繋がらなかっただけで忘れていた訳じゃない」
「っ、…レッドゲートの後、俺また会えたと思って嬉しかったのに全然知らない人みたいな反応するし。まあ事故の後だからかもしれないと思って、きっと後日話してくれるだろうって、帰ろうとしたら肩思いっきり掴むし圧かけて酷い態度取るし…」
「悪かった」
お前の態度も相当悪かったぞ、とはこの状況下で言えるはずも無く。ただ黙って謝罪する。
旬の言う通りあの時思い出していたら、もしかすると白川の右腕として白虎ギルドに旬が居たかもしれないと考えると後悔の念が湧いてくる
「あの後も全然思い出さないから俺も段々ムカついてくるし、でも忘れてるならそれでいいかと思って俺のイライラが収まるまで距離置こうとしてたのに。それなのにあんな皆の前で捕まえるしガキとか言うし」
「…悪かった…ふっ、」
ぶちぶちと文句を言う旬に繰り返し謝るが、子供の頃の事を思い出した。
何かしら不満があると泣いたり子供らしい駄々を捏ねるわけでもなく、こうして下を向いて不満をぶちぶちと呟いて来るからその都度なだめるのに苦労したな、と思い出しうっかり笑ってしまった。
「人が文句つけてる時に笑うなんてどうかと思いますが!?」
「ふっ、くくっ、昔もそうやって嫌な事があると下向いてぶちぶちと文句を垂れていたなと思ったら懐かしくなってしまって」
「なっ…!?ぶちぶちと文句垂れる事になったのは誰のせいですか!?」
「ハハッ、すまんすまん」
立ち上がってさながら子猫の様に威嚇する旬にそう怒るな、と言いながら手を掴んで胡座をかいた足の上へ横向きに座らせる。
「っ、え、何して」
「昔不満がある時はよくこうして聞いていただろう」
「今と昔は違うし、ってか重いでしょう!」
「いや、昔から思っていたがお前は軽い」
というか軽すぎるだろう、ちゃんと食べているのか?と抱えたままぺたぺたと腹筋の辺りを触る白川に先程の触れ方を思い出し少し反応してしまう
「ちゃんと食べてる、ッん…」
「…旬、顔上げろ」
「ぇ?ンっ!んぅっんむっ、ぁ、はッぁん、っぅ、んんっ」
再びキスをして来た白川に抵抗しようにもしっかりと抱え込まれていて身動きが取れず成されるがままになってしまう。
「ん、ぅ、はっ、…はぁ、ん、」
身じろぎを止めて大人しくなった旬を見てそっと口を離すと、とろんとした目で白川を見つめる。
旬は別に今の白川の事だって嫌いなわけではないし、小さい頃は大好きだった訳で。
大人になって色々あったものの根本には好意が残っているのだからこんな風に再び手を出されるとどうしても昔の事を思い出して抵抗が弱くなってしまう。
「…ちゅーは好きな人とする、だったか?」
白川もすっかり過去の事を思い出したのか揶揄うように幼いころの発言を掘り返してくるが、その目は真剣そのもので。決して獲物を逃さんとするかのように薄く発光し始めていた。
その目を真正面から受け止め、ゾクリとした感覚が旬の背に走るがこのまま流されるなんて癪だと謎の負けず嫌いな性格が顔を出す
「…い、まの俺が大虎さん好きとは限らない、でしょ」
大虎さんは俺のこと好きなの?と上がった息を隠し強がってにやりと笑う旬に、そういえば普段は可愛かったのに勝負事になった瞬間生意気で負けず嫌いなクソガキになっていたな、と思い出す。
「そんな惚けた目で見られても説得力がないが」
「は、歳で目が悪くなったんじゃ、っぁん!!」
再び生意気な事を言う旬の胸を軽く抓る。
「好きじゃない人間にこんな反応を返すのか?」
「…っくそ、ばーか!大虎さんなんかきら、っん!ふ、ぁンっ、ゃっ、んんぅ」
言い返せなかったのか本当に子供みたいな悪態を吐く旬に苦笑しつつ流石に「嫌い」とは言われたくないので口を塞ぐ。
まあ元々此方が血迷って子供時代の旬に手を出したのが発端な訳だし、そんな態度も可愛いと思うほどに重症なのはこちらなのだから先に白旗を挙げてやろう
「…はぁ…旬。わかった。降参してやる」
「ふぁっ、は、ふっ、ぁ、…?」
「好きだ。小さい頃のお前も、今の生意気なお前も愛している」
「ぇ…!?」
「旬は?…どう思っている?」
「ぁ、っ、その…」
こちらからの告白に顔を赤くして下を向いて黙り込んでしまった旬の顔を覗き込む
「旬。聞かせてくれ」
「…っ、俺だって小さい頃から、その、大虎さんの事好き、だったし…今だって好き、に決まってるだろ…!」
言いながらしがみついてくる旬を力強く抱き締める。10年以上もかけて漸く手に入れた幸せを噛み締めながら。
「…大虎さん、」
「ん?なんだ?」
甘えるように擦り寄って来た旬をやはり今でも可愛いな、と思いながら耳を傾ける
「身体、熱くて変なんだけど…?」
吐息と共に昔の台詞で続きを誘ってくる旬に理性が切れる音がした。
「あ゛あ゛!クソっ!お前は本当に!!責任取れよ!」
「ふふふっ、違うだろ?大虎さんが俺の人生を変えた責任取るんだよ」
ね、大虎くん?と笑う旬に、先に降伏もしてしまったしもう一生こいつには勝てないのだろうな、と諦めを抱き、再び口付けを交わした。