お題置き場(CP混ぜこぜ)
我進ギルドの扉を開けると、テーブルの上に大きな段ボール箱が置いてあった。
「これ、なに?」
「あ、水篠さん!お疲れ様です!…ああこれ、なんかさっき明菜姉ちゃんが来て置いて行ったんですよね。何でもポッキーのCMに今度出演するらしくて、協賛品として大量に貰ったんだとか。それで今配り歩いているみたいで事務所にも置いていったんです」
「じゃあこのでかい段ボールの中身は全部ポッキー?」
驚いて目を瞬かせると諸菱君が頷く。
「そうみたいです。僕もちらっと開けて見ただけですが、色々な味もはいってるみたいでした。あ、そうだ。水篠さん妹さんとかにも持って帰ってあげたらどうですか?僕と事務員の方々だけじゃ到底消費出来ませんし」
「そうだな。葵は甘いもの好きだし…少し貰っていって良いか?」
「勿論です!少しと言わずに沢山持って行ってください!ポッキーは流石にお茶請けにも出せませんから」
諸菱君の言葉に確かにな、と納得する。クッキー等ならばまだしも流石にポッキーはお客様に出せないだろう。そういうことならば、と遠慮なく袋いっぱいに詰めて貰い用件を済ませて事務所を出る。
そろそろ葵も帰る頃だろうし、たまには近くまで迎えにでも行くかと歩いていると公園に差し掛かった辺りで目当ての人影を見つけた。
「…あれ、お兄ちゃん!?どうしてここに?」
「たまには迎えに行こうと思ってな。丁度良かった」
「へー、なにそれ珍しいじゃん。…あれ、お兄ちゃんその袋何?」
流石目ざといな、と苦笑して袋を葵の目の前に掲げる。
「ポッキーを沢山貰ったんだ。食べるだろ?」
中身を伝えると葵の目が輝く。相変わらず甘いものの事になるとわかりやすい。この顔が見たくてつい甘やかしてしまうんだよなあと内心で苦笑しつつ袋ごと葵に渡してやる。
「えー!こんなに沢山どうしたの!?全部食べていいの!?」
「良いよ。明菜さんが協賛品として貰って来たものらしい」
「はわー…やっぱり芸能人って凄いんだ…!ねね、お兄ちゃん!そこの公園で少し食べていい?私丁度お腹空いてたんだよねー」
「良いけど夕飯はいらなくなったら母さん怒るぞ」
「大丈夫!甘いものは別腹なんだから!ほら、お兄ちゃん!そこのベンチで食べようよ!」
都合の良い事を言う葵に引っ張られ、ベンチに座って袋の中身を広げる。詰めるのは諸菱君がやってくれたのだが、各種の味を入れてくれたらしい。定番のポッキーに加え地域限定のフルーツ味等も入っていて葵が嬉しそうに吟味し始めた。
「え、凄い!見たことないポッキーがこんなに!お兄ちゃんどれ食べたい?」
「俺はいいから葵が食べたいやつを選べばいいよ。ただ一袋にしておけよ?本当に夕飯入らなくなるぞ」
「はぁーい」
どれにしようかなーとご機嫌に選ぶ葵を微笑ましく眺めているとようやく決まったのか箱を開けて一袋取り出した。
「…結局普通のやつで良いのか?」
「うん!あのね、地域限定のやつとかは滅多に見ないから家に帰ってからお母さんとお兄ちゃんと三人で食べる。だから今お兄ちゃんと二人で食べるのは普通のやつね!」
はい、あーん!と袋からポッキーを差し出してくる葵の頭を一つ撫でてやり口を開けて一本貰う。そして袋から自分も一本取り出して同様に葵の口元へ。
その後は二人でのんびりと公園で遊ぶ子供たちを眺めながら他愛ない話をして食べ進め、最後の一本は葵の口の中に入れてやる
「あーん。…二人で食べるのも美味しいけど、やっぱり三人で食べたいよね。早く帰ってお母さんにもこのポッキー見せてあげよ!」
最後の一本を食べ終えた葵がパッと立ち上がって再び俺の手を引いて帰りを急かす。本当に良い子に育ったな、等と親のような気持ちになりながら引かれるがままに公園を後にした。
後日、公園でのひとときを盗撮されていたせいで一時恋人疑惑が流れたり、誤解が晴れた後には葵と共にポッキーのCMに出ないか、等の勧誘に悩まされるのだった。