お題置き場(CP混ぜこぜ)



水篠は上から下まですっかりと砂まみれになった自分の身体を見下ろしてため息を吐く。

今日のゲートは中々に厄介だった。モンスターの強さはレベリングにも大して役に立たないくらいだったが、一面砂嵐で全身が砂に塗れてしまって。

「口の中までじゃりじゃりするな…こんな格好で帰ったら掃除が大変になるし…」

どうしようかと考えていた所、恋人である黒須さんの家が近い事に気付いた。

「…シャワーと着替えをさせて貰おう」

自分に甘い黒須さんの事だからきっと連絡無しの砂まみれで行っても歓迎してくれるだろうとそのまま足を運ぶ。マンションの下で呼び出しをすれば案の定嬉しそうに出迎えてくれた。

「なんだ俺に会いたくなったのか?…ってこれまた凄い恰好だな。ゲート帰りか?」

「そう。砂まみれになっちゃって。このまま帰ると掃除が大変だからシャワーと着替えしに来た」

「俺の部屋なら良いのか」

「…駄目だった?」

苦笑する黒須さんに小首を傾げて問いかける。
付き合ってそこそこの時間を過ごしたからこそ、もう黒須さんが俺に甘いのはわかりきっていて。

「はぁー、最近は俺がその顔に弱い事解っててわざとやるからな…困ったもんだ。早く入ってこい。着替えは出しといてやるから」

わざとらしいため息をついて思った通りに了承をくれる。そして俺の砂まみれの頭をぐしゃぐしゃと掻き混ぜて風呂へと促した。

***

サッとシャワーを浴びてバスルームから出る。用意された、というか予備として置いてある俺の服に着替えて、ソファで寛いでいる黒須さんの元に近づいた。

「ありがと。さっぱりした」

「ん。そりゃ良かったな。旬、座れ。髪の毛乾かしてやるから」

「自然乾燥で良いのに」

「お前こんなに顔が良いのにそういうところ無頓着だよなあ…良いから座れって」

再度言われて仕方なく足の間に座ると、機嫌良さそうにドライヤーで髪を乾かし始めた。
黒須さんは俺の世話をするのが好きみたいで、事あるごとに身の回りの事をしようとするものだから自分が子供のように感じてしまって恥ずかしい。…まあ、少し嬉しい気持ちも無いとは言わないけれど。

「よし。…やっぱり綺麗な髪だな」

「ありがとう。…そう?自分じゃあんまり思わないけど」

「さっきも言ったが旬はそもそも無頓着過ぎるんだよ。まあ世話のし甲斐があって良いけどな」

髪を梳かれながらそんな会話をしていると、ふと聞こえ方に違和感を覚えた。先ほどまではドライヤーの音で気付かなかったのだが片耳が変な感じがして手のひらでぎゅっと押さえる。

「?どうした」

「ん…なんか…ざわざわというか、がさがさする?」

「がさがさ?…あー、砂が入り込んだのか?風呂で取り切れなかったんだな」

黒須さんに言われて気付く。頭から砂を被ったのだから確かに砂が入り込むこともあるだろう。

「だからか。聞こえにくい…」

「ちょっと待ってろよ」

眉間に皺を寄せている俺をひと撫でして立ち上がり、何かを引き出しから取り出したかと思えば直ぐに戻ってきて。

「じゃあ耳かきしてやるからソファに横になってくれ」

「!?い、いい!そんなことやらなくていい!」

なんだか嬉しそうに言うものだから俺は急いで後退る。髪の毛を乾かされるだけでも恥ずかしかったのに耳かきなんてさせられるか!

「なんでだよ。やってやるって言ってんだろ?ほら、横になれ」

「い、良いってば!やるなら自分でやるから!」

「良いからやらせろって。旬、ぐだぐだと我儘言ってねえで早くしろ」

「我儘じゃない!」

部屋の隅に逃げた俺を黒須さんがじわじわと追い詰めてきて、子供のように抱えられる。

「捕獲、だな。そのままだと気持ち悪いだろ?直ぐに終わるから良い子にしてろって」

「~~~っ!………直ぐに終わらせて」

「へいへい。じゃこっち頭な」

しぶしぶ膝に頭を預けるとそっと黒須さんの指が耳元に触れ、耳かきが内部でさわさわと音を立てる。
慎重に触れられる感覚と微かに聞こえてくる吐息に加え、触れている指や身体の温かさに急に眠気がやってきてウトウトとしてしまう。もうあとほんの少しで寝てしまうと思った瞬間、終わりを告げられて。

「旬、終わったぞ……寝てるのか?」

「ねてない…おきてる」

「返答がもうふわふわしちまってるな」

苦笑する気配が頭上から聞こえたのだが確認する程の余裕は無くて。このまま寝てしまおうかと思ったのだが耳元に感じる吐息と吹き込まれた低い声に一気に覚醒する

「…ベッド、行こうな」

反射的に跳ね起きたのだが既に遅く、欲を秘めた目で見つめられては動けなくなってしまって。成すがままに再び抱え上げられる。

「…ぜーんぶ終わったらゆっくり寝かせてやるから安心しろよ」












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