お題置き場(CP混ぜこぜ)


俺は今日も今日とてレベルアップのためにゲート攻略をしている。
最近は一人でレイドを行う事がお決まりとなってきたのだが、今日は違う。このゲート攻略が終わり次第、諸菱君が迎えに来て次のレイドには一緒に向かうらしい。
なんでも「水篠さんとずっと一緒にやってきたのに、最近一人でのレイドばっかり…僕も副ギルドマスターとして役に立ちたいので!一緒に行きます!」と押され、了承したのだが正直諸菱君には日々助けられてるし…。

「別にそれで充分なんだけどなあ」

ボスモンスターにトドメをさしながらひとり呟く。
そんなことを考えながらよそ見をしていたのが悪かったのか、切り裂いたボスモンスターの身体から吹き出る血を頭からもろに浴びてしまった。
早く拭かなければ、とインベントリからタオルを取り出して顔を拭いたのだが…。

「っ!…い、た…!」

目の奥がなんだかゴロゴロする。というか突き刺さるような鈍い痛みが走り、目をはっきりと開けていられない。

「いったい何なんだ…?」

ぼやける視界で足元を見れば、キラリと光る何かがあって。拾い上げてみると、どうやらモンスターの鱗の欠片のようだ。恐らく切り裂いた時に一緒に浴びてしまったのかもしれない。
納得すると同時に、これは明るい所で洗い流さないと駄目かもしれない、と判断し一先ずゲートの外に向かって歩きはじめる。
ベルやイグリットは自分が運ぶとアピールしてきたが、別に全く見えない訳じゃ無いし、今回のゲート内はほぼ一本道だった事もあってかすんだ視界でも支障は無い。
そうして暫く出口に向けて歩いていたのだが…段々と目の痛みが増してきて、痛みで涙が勝手に出てきてしまう。
そういえば涙は異物を排出してくれるのだと聞いたことがある。それならば恐らく入っているであろう破片も流して欲しいと思い、敢えて涙を我慢せずにそのままにしてゲートの外に出ると…。

***

「あ!水篠さーん!こっちです!攻略お疲れ様で…っ!?」

水篠さんを迎えに意気揚々と車を走らせ、辿り着いた時には丁度水篠さんがゲートから出てくる所だった。タイミングが良いな、と機嫌良く水篠さんを呼んだのだが…。僕の声に気付いて顔を上げた水篠さんは全身血まみれだった挙句、ボロボロと涙を零していた。

「あ、諸菱くん。丁度よか「誰にやられたんですか⁉」…え?」

水篠さんに走り寄って肩を掴む。
水篠さんにこんな怪我を負わせたうえに泣かせるだなんて!そんなに強いモンスターだったのだろうか?
…いや、そんなに強いモンスターがいるところに水篠さんを一人で行かせたなんて自分が不甲斐ない…!
痛いのも辛いのも水篠さんのはずなのに、情けない事に僕の目からも涙が溢れ出してきて…。

「えっ、ええ?おい、落ち着けって。何泣いてんだ。俺は怪我してないぞ」

「…え?」

「これは返り血だし、俺が泣いてたのは鱗の欠片が目に入ったから。今泣いたおかげで取れたみたいだし、諸菱君が心配するようなことは何もないから。…というか何で諸菱君が泣くんだよ」

水篠さんの呆れたような説明を呆然と聞く。

「え。…僕の、勘違いですか?」

「そうだって言ってるだろ?ほら、もう泣き止んでくれよ」

僕の目に残る涙を拭いながら笑った水篠さんに、今度は猛烈な羞恥心が襲ってきて。

「す、すすっ、すみません!あの、水篠さんが強いのはわかっているんですけど、そんなに強いモンスターが居たのに、そんなところに一人で行かせたのかって…!」

「…心配してくれたのか。ありがとう」

先ほどの涙を流す顔から一転してふわりと笑う水篠さんに、先ほどとは別の意味で顔が赤くなる。

「と、当然です!僕は水篠さんの弟分ですからね!」

「そうだな。賢太の事は頼りにしてるよ」

「勿論です!任せてください!」

久々に名前で呼んでくれた水篠さんに笑顔を向ける。今はまだ、弟分として水篠さんを支え続けるけれど、いつかは横に並び立ちたいだなんて大層な事を考えながら、先ずは血だらけの服を着替えてもらうべく水篠さんを車へ押し込んだ。















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