お題置き場(CP混ぜこぜ)
「落ち葉が凄いですね」
「ええ、少し前までは綺麗な銀杏並木でしたが、この時期になると一斉に落ちてきて…もうしばらくすると風に乗って協会の敷地内も沢山の落ち葉で埋め尽くされます。清掃は大変ですが、この道のように悪くない光景が見られますよ」
協会に向かう途中、偶然犬飼さんと出会い、向かう先が同じだからと小道を並んで歩く。
周りの木々も道も全てが銀杏で埋まっていて、確かに絨毯のようで綺麗だと思う。
「あ。銀杏といえば…」
ふと、過去の事を思い出す。
E級時代、協会からの電話もこうして向かう事すら億劫だった頃、丁度今くらいの時期にこの小道で落ち葉塗れになったことがあったな。
***
「はぁ…行きたくない」
足取り重く、俺は協会への道を歩いていた。
ハンターライセンスの更新の為行かなければならないのだが、ただでさえ普段からE級の中でも最弱兵器として馬鹿にされているのにハンター達が集う場へ行くなんて…。
そんなことを考えて歩いていると足元に一枚の紙が飛んできたので咄嗟に拾う。
「なにこれ…会議書類っぽい?」
よくわからない数値が並んでいる資料のようなものを眺め、飛んできた方向を見ればスーツ姿のお兄さんがきょろきょろと屈みながら辺りを見回していた。
「(もしかして…)…あの、お兄さん。これ…」
「!拾って下さったのですね、有難う御座います」
サングラスをしているので表情はイマイチよくわからないのだが、ほっとしたような雰囲気にこちらも安堵して微かに笑う。
「遠くまで飛ばされなくて良かったです」
「本当に助かりました。お礼をしたいのですが、生憎と時間が無く…名刺だけお渡しさせて下さい。自分はハンター協会の…」
そう言って名刺を差し出そうとするお兄さんに焦って首を振る。
「拾っただけなので!大丈夫です、ほらお兄さん急いでいるんでしょう?行ってください」
「…申し訳御座いません」
本当に急いでいたのか一度頭を下げて踵を返すお兄さんを急いで呼び止める。
「あっ、お、お兄さん待ってください!一瞬だけ!」
先を急かした俺が引き留めたのを不思議そうに眺めるお兄さんに近付いて髪の毛についた葉っぱを拾い上げる。
「…よし。大丈夫です。引き留めてごめんなさい。多分さっきしゃがんだ時についたんだと思うんですけど、葉っぱがついていました」
「っ…お恥ずかしい所をお見せしました。有難う御座います。…失礼いたします」
葉っぱを見せながらお兄さんに笑いかけると、何か詰まったような顔をしながらもぺこりと頭を下げ、駆け足で去っていった。
ついていた葉っぱを地面に落としながら、人助けもしたしせめて嫌な思いをせずに協会での更新を終えられると良いなと歩みを再開させる。
***
「…という事があって。あのお兄さんはハンター協会の新人さんだったんですかね?」
あの時の事を思い出しながらなんとなしに話していると犬飼さんの足取りが止まる。
「…そうですね。新人、とは言い難かったのですが大きな会議の進行を初めて任され緊張して、用意した書類の確認をしようとしたところで風に持っていかれてしまって…助けて頂いたのに名前も聞かなかった間抜けな職員だったのでしょうね」
「え?…もしかして」
まるで本人のようなその口ぶりに驚いて犬飼さんを見つめると、笑って俺の頭に手を伸ばし、髪についていた落ち葉を掬い上げる。
「あの後、貴方を探しても見つけられなくて。名前くらいは聞いておけばよかったと後悔したんですよ。…あれだけ可愛らしかったので聞かずとも見つかると思ったのが怠慢でした」
「か、わいいって…俺あの時はもう成人していたんですよ」
「ああ、言葉が悪かったですね。申し訳ございません。勿論今でも可愛らしいと思っています」
「っ!ちが、そういう事じゃなくて…!」
さらりと告げられた言葉に赤面する俺を見てクスリと笑い、風で乱された俺の髪を手櫛で直す犬飼さんに鼓動が跳ねる。
「協会での用事が済みましたらあの時のお礼をさせて頂けますか?」
「っ……はい」
照れながら了承する俺に向かって犬飼さんはずっと優しく微笑んでいた。
「ええ、少し前までは綺麗な銀杏並木でしたが、この時期になると一斉に落ちてきて…もうしばらくすると風に乗って協会の敷地内も沢山の落ち葉で埋め尽くされます。清掃は大変ですが、この道のように悪くない光景が見られますよ」
協会に向かう途中、偶然犬飼さんと出会い、向かう先が同じだからと小道を並んで歩く。
周りの木々も道も全てが銀杏で埋まっていて、確かに絨毯のようで綺麗だと思う。
「あ。銀杏といえば…」
ふと、過去の事を思い出す。
E級時代、協会からの電話もこうして向かう事すら億劫だった頃、丁度今くらいの時期にこの小道で落ち葉塗れになったことがあったな。
***
「はぁ…行きたくない」
足取り重く、俺は協会への道を歩いていた。
ハンターライセンスの更新の為行かなければならないのだが、ただでさえ普段からE級の中でも最弱兵器として馬鹿にされているのにハンター達が集う場へ行くなんて…。
そんなことを考えて歩いていると足元に一枚の紙が飛んできたので咄嗟に拾う。
「なにこれ…会議書類っぽい?」
よくわからない数値が並んでいる資料のようなものを眺め、飛んできた方向を見ればスーツ姿のお兄さんがきょろきょろと屈みながら辺りを見回していた。
「(もしかして…)…あの、お兄さん。これ…」
「!拾って下さったのですね、有難う御座います」
サングラスをしているので表情はイマイチよくわからないのだが、ほっとしたような雰囲気にこちらも安堵して微かに笑う。
「遠くまで飛ばされなくて良かったです」
「本当に助かりました。お礼をしたいのですが、生憎と時間が無く…名刺だけお渡しさせて下さい。自分はハンター協会の…」
そう言って名刺を差し出そうとするお兄さんに焦って首を振る。
「拾っただけなので!大丈夫です、ほらお兄さん急いでいるんでしょう?行ってください」
「…申し訳御座いません」
本当に急いでいたのか一度頭を下げて踵を返すお兄さんを急いで呼び止める。
「あっ、お、お兄さん待ってください!一瞬だけ!」
先を急かした俺が引き留めたのを不思議そうに眺めるお兄さんに近付いて髪の毛についた葉っぱを拾い上げる。
「…よし。大丈夫です。引き留めてごめんなさい。多分さっきしゃがんだ時についたんだと思うんですけど、葉っぱがついていました」
「っ…お恥ずかしい所をお見せしました。有難う御座います。…失礼いたします」
葉っぱを見せながらお兄さんに笑いかけると、何か詰まったような顔をしながらもぺこりと頭を下げ、駆け足で去っていった。
ついていた葉っぱを地面に落としながら、人助けもしたしせめて嫌な思いをせずに協会での更新を終えられると良いなと歩みを再開させる。
***
「…という事があって。あのお兄さんはハンター協会の新人さんだったんですかね?」
あの時の事を思い出しながらなんとなしに話していると犬飼さんの足取りが止まる。
「…そうですね。新人、とは言い難かったのですが大きな会議の進行を初めて任され緊張して、用意した書類の確認をしようとしたところで風に持っていかれてしまって…助けて頂いたのに名前も聞かなかった間抜けな職員だったのでしょうね」
「え?…もしかして」
まるで本人のようなその口ぶりに驚いて犬飼さんを見つめると、笑って俺の頭に手を伸ばし、髪についていた落ち葉を掬い上げる。
「あの後、貴方を探しても見つけられなくて。名前くらいは聞いておけばよかったと後悔したんですよ。…あれだけ可愛らしかったので聞かずとも見つかると思ったのが怠慢でした」
「か、わいいって…俺あの時はもう成人していたんですよ」
「ああ、言葉が悪かったですね。申し訳ございません。勿論今でも可愛らしいと思っています」
「っ!ちが、そういう事じゃなくて…!」
さらりと告げられた言葉に赤面する俺を見てクスリと笑い、風で乱された俺の髪を手櫛で直す犬飼さんに鼓動が跳ねる。
「協会での用事が済みましたらあの時のお礼をさせて頂けますか?」
「っ……はい」
照れながら了承する俺に向かって犬飼さんはずっと優しく微笑んでいた。