お題置き場(CP混ぜこぜ)
協会からの招集を受け、嫌々ながらも生活費の為に潜ったダンジョン内でいつものように怪我をして、いつものように観月さんに治療をして貰って。
そして一旦休憩という事で、みんながバラバラに休んでいる中、俺はなるべく話しかけられないように重たい身体を引き摺りながら隅の岩場に寄りかかり休んでいたのだが、傍にやってきた馬渕さんから話しかけられた。…話しかけないで欲しかったんだけどな。
「…水篠くん。こんなところに居たのか。…おや?何か、香水のようなものを付けているかね?」
「軽くですけどね。すみません、匂い気になりますか?」
ダンジョン内で余り強い匂いをさせるのはよくないと理解している為、かなり薄めて付けていたつもりなのだが、もしかして臭かったのだろうか。こんなことで他の人間に絡まれたら厄介だなと心配になって自分の服を嗅ぐ俺に馬渕さんが笑って訂正を入れる。
「ははっ、違う違う。どうも先ほどダンジョンに似つかわしくない爽やかな香りがしたと思って発生源を探していたんだ。身だしなみに気を付けるのは良い事だと私は思うよ」
「あ、有難う御座います。…俺、よく怪我をするので家族に気付かれないように匂いだけでも誤魔化そうと思って」
そう、どのみち服が破けていたり、入院になってしまったりで葵にバレることはバレるのだが、せめて葵には兄から血の匂いがするとは気が付いてほしく無くて。
カツカツの生活ではあるが血の匂いと混じっても使えそうな香水をわざわざ購入していたのだ。
「そうか…E級という立場は覆せないが、ご家族に心配をかけないように頑張りなさい。私で良ければ相談にも乗ろう」
「はい、有難う御座います」
***
「あ」
目的も無く歩いて覗き込んだ雑貨屋で、見覚えのある香水を見つけた。
「…これ、懐かしいな」
あの時は誤魔化すことに必死だったな、と小さな瓶を持ち上げて懐古の念に浸っていると背後から声をかけられた。
「もしや水篠君かね?」
「馬渕さん?…お久しぶりです」
「ああ、久しぶりだね。…S級ハンターとしての活躍、いつも見ているよ」
「有難う御座います」
立派になったものだと上機嫌で俺の肩を叩く馬渕さんが俺の手の中にある瓶を見つけて思い出したように口を開く。
「懐かしいな。それはあの頃の香水だろう?」
「よく覚えていますね」
「勿論だ。家族に心配をかけたくないという君の気持ちが痛いほどに伝わって来ていたからね。だが今では不要だろう?」
「ええ、俺も懐かしいなと思って手に取っただけなんです」
「そうか…うむ、そうだろうな。今の君には必要のないものだろう。…しかし」
瓶を棚に戻した俺に微笑んだ馬渕さんが近付いてきて、嗅ぐ動作をした。
…?今は何にも付けていないんだけどな…。
「あの時の爽やかな香りは香水関係なく元からのようだな。水篠くんは香水を付けていなくても似た香りが今でもするよ」
からからと笑って言う馬渕さんになんだか照れくさくなって、必要も無いのに棚に戻した香水を掴み、逃げる様にレジへ向かった。
そして一旦休憩という事で、みんながバラバラに休んでいる中、俺はなるべく話しかけられないように重たい身体を引き摺りながら隅の岩場に寄りかかり休んでいたのだが、傍にやってきた馬渕さんから話しかけられた。…話しかけないで欲しかったんだけどな。
「…水篠くん。こんなところに居たのか。…おや?何か、香水のようなものを付けているかね?」
「軽くですけどね。すみません、匂い気になりますか?」
ダンジョン内で余り強い匂いをさせるのはよくないと理解している為、かなり薄めて付けていたつもりなのだが、もしかして臭かったのだろうか。こんなことで他の人間に絡まれたら厄介だなと心配になって自分の服を嗅ぐ俺に馬渕さんが笑って訂正を入れる。
「ははっ、違う違う。どうも先ほどダンジョンに似つかわしくない爽やかな香りがしたと思って発生源を探していたんだ。身だしなみに気を付けるのは良い事だと私は思うよ」
「あ、有難う御座います。…俺、よく怪我をするので家族に気付かれないように匂いだけでも誤魔化そうと思って」
そう、どのみち服が破けていたり、入院になってしまったりで葵にバレることはバレるのだが、せめて葵には兄から血の匂いがするとは気が付いてほしく無くて。
カツカツの生活ではあるが血の匂いと混じっても使えそうな香水をわざわざ購入していたのだ。
「そうか…E級という立場は覆せないが、ご家族に心配をかけないように頑張りなさい。私で良ければ相談にも乗ろう」
「はい、有難う御座います」
***
「あ」
目的も無く歩いて覗き込んだ雑貨屋で、見覚えのある香水を見つけた。
「…これ、懐かしいな」
あの時は誤魔化すことに必死だったな、と小さな瓶を持ち上げて懐古の念に浸っていると背後から声をかけられた。
「もしや水篠君かね?」
「馬渕さん?…お久しぶりです」
「ああ、久しぶりだね。…S級ハンターとしての活躍、いつも見ているよ」
「有難う御座います」
立派になったものだと上機嫌で俺の肩を叩く馬渕さんが俺の手の中にある瓶を見つけて思い出したように口を開く。
「懐かしいな。それはあの頃の香水だろう?」
「よく覚えていますね」
「勿論だ。家族に心配をかけたくないという君の気持ちが痛いほどに伝わって来ていたからね。だが今では不要だろう?」
「ええ、俺も懐かしいなと思って手に取っただけなんです」
「そうか…うむ、そうだろうな。今の君には必要のないものだろう。…しかし」
瓶を棚に戻した俺に微笑んだ馬渕さんが近付いてきて、嗅ぐ動作をした。
…?今は何にも付けていないんだけどな…。
「あの時の爽やかな香りは香水関係なく元からのようだな。水篠くんは香水を付けていなくても似た香りが今でもするよ」
からからと笑って言う馬渕さんになんだか照れくさくなって、必要も無いのに棚に戻した香水を掴み、逃げる様にレジへ向かった。