15話 彼ヲ救出セヨ
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「そういや小城、いつもの二人はなにやってんだよ」
「先生に呼ばれてるのよ」
小城はイライラしながら応える。二人がついていないと不満も多いらしい。
「・・・ねえ、東堂さんでもいいや、ちょっと教えてくんない?」
「気に障る物言いよね。なによ『でもいい』って」
「はあ?私絶対東堂さんほどじゃないし!」
「どうせしょうもないところでしょう」
「ほんっと嫌い!」
遂に樹にも直接助けを求めた佐山だが、癇に障るあしらい方をされてぷりぷりするばかりだ。安堂は苦笑しながら口を挟んだ。
「まあまあ、あとで同じBグループの子に聞いてみたらどうかな」
「そうよ、自分でできないならなんでこんなところにいるのよ。部屋でやれば」
「だって・・・いくえとけんかして部屋追い出されたんだもん」
「いったい何のけんかなのかな」
「いくえに借りてた英語の課題のノート、実習室に忘れたままなくしちゃって」
「最低ね」
「そんな言い方しなくていいでしょ!」
佐山は樹をにらみつけるが、なんだかんだBグループにそこまでの親切心を抱けない安堂はフォローしてくれないし、市松も「それは最低だな」と大笑いするので口をつぐむ。
「ていうか、何のために課題借りてんの。写してんのか」
「それは・・・まあ・・・」
「ますます最低」
「・・・いいのよ!ちゃんと進級できたら!」
「市松ー!やっと終わったぞ。あれ、東堂と眼鏡のやついるじゃん」
扉が開いて、市松のチームメイトの志摩が顔をのぞかせた。対戦相手なのに名前を覚えていないのかと安堂は力が抜ける。
「うわ東堂、その邪魔そうな目マジでやめろよ」
「そんな目してませんけど。先入観にとらわれすぎでは」
「あんた、鏡見た方がいいと思うわよ」
小城は 樹の表情を見ながら真顔で言った。
「じゃあ、行くか」
「いや、その前にこれ職員室まで持っていくから。忘れ物だって。めんどくせ」
志摩は片道十分の道のりを思い浮かべて落胆しながら、ノートをひらひらと振った。
「あっ!それあたし・・・じゃなくて、いくえの!」
佐山はそのノートを見ると、席をがたりと立って近寄った。
「何?これ君の?」
「あっ、はいはい!そうです!」
「よかったー、手間はぶけたわ」
「よかったー!」
佐山と志摩はそれぞれ安堵の表情を浮かべた。そこに、どやどやと佐藤と塩谷が入ってきた。
「お嬢様、大変です!」
「何よ、遅いじゃない二人とも」
「至急、この課題をおはじめください!先ほど、お嬢様の課題を代わりにやらないように担任に釘をさされました!」
「なんですって!もう嫌ー!」
小城は憤りのままに自習室から脱走する。
「お待ちください、お嬢様!」
「我々も全力でサポートいたします!」
二人も手際よく小城の荷物を回収して追いかけていく。
「・・・あなたと同類だったみたいね」
樹は淡々と佐山に向かっていった。
「うわ、それ東堂さんに言われたくないし」
「でも、そんなことじゃ本当に期末、大変なんじゃない」
「大きなお世話!だいいちそっちの天野さんの方がやばいんじゃなーい?あの子今頃ぐうたらしてるに決まってるわ!成績はグループ全体にも関わるんだから、東堂さんの方が大変かもねー!あはははははっ」
佐山は笑いながら去っていく。樹はしばらくぽかんとしていたが、にわかに顔の熱がさあっと引いていく気がした。
「先生に呼ばれてるのよ」
小城はイライラしながら応える。二人がついていないと不満も多いらしい。
「・・・ねえ、東堂さんでもいいや、ちょっと教えてくんない?」
「気に障る物言いよね。なによ『でもいい』って」
「はあ?私絶対東堂さんほどじゃないし!」
「どうせしょうもないところでしょう」
「ほんっと嫌い!」
遂に樹にも直接助けを求めた佐山だが、癇に障るあしらい方をされてぷりぷりするばかりだ。安堂は苦笑しながら口を挟んだ。
「まあまあ、あとで同じBグループの子に聞いてみたらどうかな」
「そうよ、自分でできないならなんでこんなところにいるのよ。部屋でやれば」
「だって・・・いくえとけんかして部屋追い出されたんだもん」
「いったい何のけんかなのかな」
「いくえに借りてた英語の課題のノート、実習室に忘れたままなくしちゃって」
「最低ね」
「そんな言い方しなくていいでしょ!」
佐山は樹をにらみつけるが、なんだかんだBグループにそこまでの親切心を抱けない安堂はフォローしてくれないし、市松も「それは最低だな」と大笑いするので口をつぐむ。
「ていうか、何のために課題借りてんの。写してんのか」
「それは・・・まあ・・・」
「ますます最低」
「・・・いいのよ!ちゃんと進級できたら!」
「市松ー!やっと終わったぞ。あれ、東堂と眼鏡のやついるじゃん」
扉が開いて、市松のチームメイトの志摩が顔をのぞかせた。対戦相手なのに名前を覚えていないのかと安堂は力が抜ける。
「うわ東堂、その邪魔そうな目マジでやめろよ」
「そんな目してませんけど。先入観にとらわれすぎでは」
「あんた、鏡見た方がいいと思うわよ」
小城は 樹の表情を見ながら真顔で言った。
「じゃあ、行くか」
「いや、その前にこれ職員室まで持っていくから。忘れ物だって。めんどくせ」
志摩は片道十分の道のりを思い浮かべて落胆しながら、ノートをひらひらと振った。
「あっ!それあたし・・・じゃなくて、いくえの!」
佐山はそのノートを見ると、席をがたりと立って近寄った。
「何?これ君の?」
「あっ、はいはい!そうです!」
「よかったー、手間はぶけたわ」
「よかったー!」
佐山と志摩はそれぞれ安堵の表情を浮かべた。そこに、どやどやと佐藤と塩谷が入ってきた。
「お嬢様、大変です!」
「何よ、遅いじゃない二人とも」
「至急、この課題をおはじめください!先ほど、お嬢様の課題を代わりにやらないように担任に釘をさされました!」
「なんですって!もう嫌ー!」
小城は憤りのままに自習室から脱走する。
「お待ちください、お嬢様!」
「我々も全力でサポートいたします!」
二人も手際よく小城の荷物を回収して追いかけていく。
「・・・あなたと同類だったみたいね」
樹は淡々と佐山に向かっていった。
「うわ、それ東堂さんに言われたくないし」
「でも、そんなことじゃ本当に期末、大変なんじゃない」
「大きなお世話!だいいちそっちの天野さんの方がやばいんじゃなーい?あの子今頃ぐうたらしてるに決まってるわ!成績はグループ全体にも関わるんだから、東堂さんの方が大変かもねー!あはははははっ」
佐山は笑いながら去っていく。樹はしばらくぽかんとしていたが、にわかに顔の熱がさあっと引いていく気がした。