14話 バラ色の思い出
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「樹ちゃん!」
「ああ、一回戦突破、おめでとう」
「樹ちゃんのおかげだよ!」
いちごは会場から出ると、とんできて樹に抱きついた。暑苦しいと呻きながらも樹自身興奮していた。
「そんなことないわ、口を挟んだだけよ」
「ううん、ローズウォーターのことも、ケーキの改善点も、みんな樹ちゃんがいてくれたからだもん!あっ、これからもう一回ケーキ焼くからみんなでお茶会をやろう!」
「場所は?」
「うーん・・・温室!」
「分かったわ、じゃあ・・・」
樹といちごは、そのときこちらに向かってくるチーム市松の姿を認めた。あ、と少し反応に困るいちごをよそに樹は迷いなくそちらをにらみつけた。
「先に行って」
「えっ?大丈夫?」
「大丈夫」
「うん・・・」
いちごは気にしながらもケーキのため実習室へ向かった。樹は堂々とした所作で四人と向き合う。
「おつかれさまでした。口に違わない素晴らしい勝負でしたね」
市松達は挑発的な物言いに激怒するかと思いきや、予想外にも情け無さそうなへらりとした笑みを浮かべた。
「あー、まいったまいった。ありゃ、負けだわ」
「さっき代表の子が言ってたの本当なら俺らお前に負けたって事かー!」
え、と拍子抜けした樹はまばたきを繰り返した。
「悪かったな、馬鹿にしてて」
市松が樹の頭に手をのせた。樹はなんと言っていいものか分からない。
「・・・にしても、本戦までは行けると思ったけどな」
「もう終わりか・・・」
四人の雰囲気が少し泣きそうなのに、樹は気づいて俯いた。彼らは彼らなりに、必死に挑んだ大会だったのだ。後輩いびりが鼻につくものの、スイーツに向き合う態度は立派な先輩方だ。
そのとき、いちごが慌てた様子でまた走ってきた。
「い、市松さん!あの、いい試合させてもらってありがとうございました!お疲れさまでした!」
いちごは律儀にも彼らに挨拶をしに来たらしい。差し出した手を、市松は笑みを浮かべて握った。その様子に、いちごは満足げに顔を輝かせた。
「じゃあ、二回戦からも頑張れよ」
「はい!」
「・・・あ、あの。良い勝負だと思ったのは、本当ですから」
樹は去ろうとする四人にやっとのことで声をかけた。四人はその言葉に満足したのか、手を振って去っていった。
「ああ、一回戦突破、おめでとう」
「樹ちゃんのおかげだよ!」
いちごは会場から出ると、とんできて樹に抱きついた。暑苦しいと呻きながらも樹自身興奮していた。
「そんなことないわ、口を挟んだだけよ」
「ううん、ローズウォーターのことも、ケーキの改善点も、みんな樹ちゃんがいてくれたからだもん!あっ、これからもう一回ケーキ焼くからみんなでお茶会をやろう!」
「場所は?」
「うーん・・・温室!」
「分かったわ、じゃあ・・・」
樹といちごは、そのときこちらに向かってくるチーム市松の姿を認めた。あ、と少し反応に困るいちごをよそに樹は迷いなくそちらをにらみつけた。
「先に行って」
「えっ?大丈夫?」
「大丈夫」
「うん・・・」
いちごは気にしながらもケーキのため実習室へ向かった。樹は堂々とした所作で四人と向き合う。
「おつかれさまでした。口に違わない素晴らしい勝負でしたね」
市松達は挑発的な物言いに激怒するかと思いきや、予想外にも情け無さそうなへらりとした笑みを浮かべた。
「あー、まいったまいった。ありゃ、負けだわ」
「さっき代表の子が言ってたの本当なら俺らお前に負けたって事かー!」
え、と拍子抜けした樹はまばたきを繰り返した。
「悪かったな、馬鹿にしてて」
市松が樹の頭に手をのせた。樹はなんと言っていいものか分からない。
「・・・にしても、本戦までは行けると思ったけどな」
「もう終わりか・・・」
四人の雰囲気が少し泣きそうなのに、樹は気づいて俯いた。彼らは彼らなりに、必死に挑んだ大会だったのだ。後輩いびりが鼻につくものの、スイーツに向き合う態度は立派な先輩方だ。
そのとき、いちごが慌てた様子でまた走ってきた。
「い、市松さん!あの、いい試合させてもらってありがとうございました!お疲れさまでした!」
いちごは律儀にも彼らに挨拶をしに来たらしい。差し出した手を、市松は笑みを浮かべて握った。その様子に、いちごは満足げに顔を輝かせた。
「じゃあ、二回戦からも頑張れよ」
「はい!」
「・・・あ、あの。良い勝負だと思ったのは、本当ですから」
樹は去ろうとする四人にやっとのことで声をかけた。四人はその言葉に満足したのか、手を振って去っていった。