13話 チームいちご始動
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しばらくして、みんな帰ってきたが、花房の姿は無かった。頭を冷やすと言って離脱したらしい。
「市松さん達は帰ったの?」
「帰ったわ」
「樹ちゃん、大丈夫だった?」
「この通り。気分は悪いけど」
「なら大丈夫だな」
三人だけで練習を再開するも、花房はなかなか帰ってこない。いちごは少し心配になってそわそわしはじめた。
「戻ってこないね・・・」
「放っとけよ」
「気が済んだら戻ってくるよ。僕らは僕らでやることがたくさんあるんだし」
「そんな・・・」
樫野と安堂は、付き合いの長さ故か、淡白な反応をよこした。いちごはその反応が仲間にしては冷たい気がした。
「なんか、バラバラね・・・」
「私たち、いったいどうしたらいいんでしょう?」
「うわあああん」
そのとき、入り口からカフェが盛大に泣きながら飛び込んできた。
「五月がもうついてくるなって・・・僕はいらないスピリッツなんだあああ!」
カフェは悲観に暮れてひとしきり泣いた。あまりの情けなさに大げさねとバニラは呆れて言う。呆れてはいるが、慰めたいとは思っているらしく、精一杯カフェを諭す。
「ちょっと、一人きりになりたいだけかもしれないし」
「そうかな・・・」
「そう、そう!」
「カフェ君、どうして花房君があんなにバラにこだわるのか知らない?」
いちごはカフェが少し落ち着いたのを見て尋ねた。
「僕にも教えてくれないんだ・・・。でも、昨日の夜遅く、ひとりでずっとあのローズウォーターの瓶を見つめてた・・・」
「やっぱりあれって、すごく大事なものなんだね・・・」
いちごが気にしだすのを見て、樹は椅子から立ち上がった。
「・・・ちょっと行ってくるわ」
みんなは何事かとそちらを見た。
「私が花房君を捜してくる。あなた達は大人しく練習していなさい」
「・・・お前が、か?」
樫野は思わず声を上げる。
「あのねえ、私だって・・・友人のことは、気になるものなの」
さっさと連れて戻るからと言って早足で出て行く樹に、カフェも続いた。彼もパートナーとして花房を探すというのなら同行しなくてはならないのだった。樹もさすがについてくるなとは言わなかった。
「・・・そういえばあまりあなた達と二人で話すことは無いわね」
隣を飛行するカフェを見ながら、樹は呟いた。
「スピリッツがいないものだから、なんだか妙な感覚」
「そうかもしれないですね」
「よく分からないわ。やっぱり、パートナーって、ただの友人とは違うのかしら」
「はい。それはもう、預けてるものが違いますから」
カフェは得意げに胸を張った。
「いつでも、どんな時もお互いを支え合っているのです」
「そうなの」
「あの・・・五月は、樹にとって友人なんですか?」
カフェはおずおずと尋ねた。樹が先ほど友人と言ったのがなぜか引っかかったのだ。樹が今までそうやって直接的に自分たちの誰かを特別に言うことは無かったからだ。
「ええ・・・」
樹は少し照れくさそうに肯定した。
「ここに来て、初めての男の友人よ」
「市松さん達は帰ったの?」
「帰ったわ」
「樹ちゃん、大丈夫だった?」
「この通り。気分は悪いけど」
「なら大丈夫だな」
三人だけで練習を再開するも、花房はなかなか帰ってこない。いちごは少し心配になってそわそわしはじめた。
「戻ってこないね・・・」
「放っとけよ」
「気が済んだら戻ってくるよ。僕らは僕らでやることがたくさんあるんだし」
「そんな・・・」
樫野と安堂は、付き合いの長さ故か、淡白な反応をよこした。いちごはその反応が仲間にしては冷たい気がした。
「なんか、バラバラね・・・」
「私たち、いったいどうしたらいいんでしょう?」
「うわあああん」
そのとき、入り口からカフェが盛大に泣きながら飛び込んできた。
「五月がもうついてくるなって・・・僕はいらないスピリッツなんだあああ!」
カフェは悲観に暮れてひとしきり泣いた。あまりの情けなさに大げさねとバニラは呆れて言う。呆れてはいるが、慰めたいとは思っているらしく、精一杯カフェを諭す。
「ちょっと、一人きりになりたいだけかもしれないし」
「そうかな・・・」
「そう、そう!」
「カフェ君、どうして花房君があんなにバラにこだわるのか知らない?」
いちごはカフェが少し落ち着いたのを見て尋ねた。
「僕にも教えてくれないんだ・・・。でも、昨日の夜遅く、ひとりでずっとあのローズウォーターの瓶を見つめてた・・・」
「やっぱりあれって、すごく大事なものなんだね・・・」
いちごが気にしだすのを見て、樹は椅子から立ち上がった。
「・・・ちょっと行ってくるわ」
みんなは何事かとそちらを見た。
「私が花房君を捜してくる。あなた達は大人しく練習していなさい」
「・・・お前が、か?」
樫野は思わず声を上げる。
「あのねえ、私だって・・・友人のことは、気になるものなの」
さっさと連れて戻るからと言って早足で出て行く樹に、カフェも続いた。彼もパートナーとして花房を探すというのなら同行しなくてはならないのだった。樹もさすがについてくるなとは言わなかった。
「・・・そういえばあまりあなた達と二人で話すことは無いわね」
隣を飛行するカフェを見ながら、樹は呟いた。
「スピリッツがいないものだから、なんだか妙な感覚」
「そうかもしれないですね」
「よく分からないわ。やっぱり、パートナーって、ただの友人とは違うのかしら」
「はい。それはもう、預けてるものが違いますから」
カフェは得意げに胸を張った。
「いつでも、どんな時もお互いを支え合っているのです」
「そうなの」
「あの・・・五月は、樹にとって友人なんですか?」
カフェはおずおずと尋ねた。樹が先ほど友人と言ったのがなぜか引っかかったのだ。樹が今までそうやって直接的に自分たちの誰かを特別に言うことは無かったからだ。
「ええ・・・」
樹は少し照れくさそうに肯定した。
「ここに来て、初めての男の友人よ」