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13話 チームいちご始動

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「来た来た!」
「おせえぞ!」
「あなた達のせいで変なのに絡まれたじゃない」
 は無愛想にケーキを台の上に置くと、割り勘の分を出せと手を前に出した。四人は用意していた小銭をその手のひらに置いた。
「じゃあさっそく食べようか」
 五人は好き勝手にケーキを切り分けて試食してみる。安堂が口にしたのは志摩という生徒のパウンドだ。
「これは、コーヒーマーブル!しっとりとしたいい出来だ」
 花房は横島のパウンドを評する。
「こっちは、ナッツぎっしり・・・。食べ応えがある、大したものだ」
 一方、樫野の本命は網川のパウンドだ。
「このチョコパウンド・・・。うまい!本当にうまい!」
 いちごが最後に賞味したのが相手チームのリーダー、市松のパウンドだ。
「これ、栗だわ!コクがあって、大人の味・・・」
 四人は言うだけのことはある、と落胆した。市松達の態度の悪さに、こんな奴らが良いものを作れるはずが無いと踏んでいたのだ。は四人の反応に息をついた。
「ちょっと、臆していてどうするのよ。わざわざお金を出して買ったんだから、もっと前向きに使っていってくれないかしら」
「そうよ!後ろ向きになるのはそこまで!」
「要するにあっちより良いものを作れば良いだけのことですわ!」
「みなさん、どんなケーキにするんですか?」
 いちご達よりメンタルの強いスピリッツ達もに続いた。その言葉に、一同は気を取り直してアイデアを考える。
「そうねえ、テーマは家族だし・・・。あたしは、子供に喜んでもらえるいちごのパウンドケーキかな!」
「うん!いちごらしいアイデアだね!」
「だったら俺は、甘さを抑えたクルミ入りココアパウンドだな」
「大人向けということですわね!」
「僕は、甘納豆入り抹茶パウンド!」
「安堂のは、お年寄り向けです!」
 三人がぱっと言う中、いつも早く思いつく花房がひとり言葉を詰まらせた。
「どうしたの、五月?」
「えっ?ああ、ちょっとね」
「珍しいな。お前がアイデアに詰まるなんて・・・」
「大丈夫だよ!まだ時間はあるんだし!」
「ひとまず、明日は試作品を作ってみよう!」
「うん!」
 いちごは元気よく腕を上げた。
「よーし、チームいちご、がんばろー!負け組王子になんか、なるもんか!」
「なにそれ、負け組って・・・」
「えっとねちゃん、スイーツ王子がもし負けたら・・・」
「俺たちは負けねえだろうが!」
 三人がなんだかんだで楽しもうとしている中、花房はひとり固い表情をしていたが、解散直前にに声をかけてきた。
ちゃん、明日も来てね。客観的なアドバイスも欲しいし、是非試食してもらいたいな」
「いいけど・・・ちゃんと明日までにアイデア出しなさいよね」
 はその言葉に、なぜか少し安心したような気がした。
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