12話 開幕
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冬休みが明けた。帰省していた樹も大きな荷物とともに学園に帰ってきて、早くも今まで通りの日常になじもうとしていたが、状況は変わった。掲示板に、ケーキグランプリのエントリー要綱が貼られたのだ。
「もうそんな時期になったんやな・・・」
「・・・ほんと」
「優勝グループはフランスに留学できるんだよね!フランスに行けばアンリ先生にも会えるし・・・あたしも優勝したいな!」
樹はいちごやルミと掲示板の様子を見にきたのだった。スイーツ王子達とエントリーメンバーを組んだいちごは大会への期待ではち切れそうになっている。
「意気込みは分かるけど、道のりはかなり厳しいで?」
「えっ?」
いちごは少し安心していたのか、きょとんとした。樹は呆れて口を挟んだ。
「さんざん言われているのに、もう忘れたの。中等部はまず中等部予選を勝ち抜いてから、更に高校生の中に放り出されて本戦に挑むことになるの」
「そう、勝ち上がるのは大変なことなんやで!」
「そんなに!?」
いちごは目を丸くした。ルミは感慨深そうにうんうんと頷く。
「そんなにたくさんのスイーツと対面できるなんて・・・ステキー!」
「さすがいちごちゃんやなー」
驚異的なポジティブさに二人が面食らっていると、黄色いメガホンがいちごの頭を打った。のんきなことを言ってる場合か、と続けて鋭い声が飛び出す。当然樫野だ。
「えっ?」
「え?じゃねえ!特訓だよ、特訓!グランプリまであと十五日、スイーツ作りの基本をみっちり叩き込んでやる!」
「え、えええ・・・」
いちごは後ずさる。そこに、安堂と花房も素敵な微笑をたたえて登場した。
「もちろん・・・」
「僕たちも協力するよ」
「で、でも・・・」
なおのこと戸惑ういちごの両腕をホールドして、えっさほいさと運んでいってしまう。
「ルミさーん!樹ちゃーん!」
「・・・いちごちゃーん、がんばりや!」
ルミは反応に困りながら声援を送り、樹も片手を上げて見送った。
「そういえば、樹ちゃん、結局参加せえへんのや」
「ええ。特に出る方には興味が無かったから」
「じゃあ、試合はうちと一緒に見よ!」
「そうするわ」
樹は四人の背中を見送りながら、小さく頷いた。
「もうそんな時期になったんやな・・・」
「・・・ほんと」
「優勝グループはフランスに留学できるんだよね!フランスに行けばアンリ先生にも会えるし・・・あたしも優勝したいな!」
樹はいちごやルミと掲示板の様子を見にきたのだった。スイーツ王子達とエントリーメンバーを組んだいちごは大会への期待ではち切れそうになっている。
「意気込みは分かるけど、道のりはかなり厳しいで?」
「えっ?」
いちごは少し安心していたのか、きょとんとした。樹は呆れて口を挟んだ。
「さんざん言われているのに、もう忘れたの。中等部はまず中等部予選を勝ち抜いてから、更に高校生の中に放り出されて本戦に挑むことになるの」
「そう、勝ち上がるのは大変なことなんやで!」
「そんなに!?」
いちごは目を丸くした。ルミは感慨深そうにうんうんと頷く。
「そんなにたくさんのスイーツと対面できるなんて・・・ステキー!」
「さすがいちごちゃんやなー」
驚異的なポジティブさに二人が面食らっていると、黄色いメガホンがいちごの頭を打った。のんきなことを言ってる場合か、と続けて鋭い声が飛び出す。当然樫野だ。
「えっ?」
「え?じゃねえ!特訓だよ、特訓!グランプリまであと十五日、スイーツ作りの基本をみっちり叩き込んでやる!」
「え、えええ・・・」
いちごは後ずさる。そこに、安堂と花房も素敵な微笑をたたえて登場した。
「もちろん・・・」
「僕たちも協力するよ」
「で、でも・・・」
なおのこと戸惑ういちごの両腕をホールドして、えっさほいさと運んでいってしまう。
「ルミさーん!樹ちゃーん!」
「・・・いちごちゃーん、がんばりや!」
ルミは反応に困りながら声援を送り、樹も片手を上げて見送った。
「そういえば、樹ちゃん、結局参加せえへんのや」
「ええ。特に出る方には興味が無かったから」
「じゃあ、試合はうちと一緒に見よ!」
「そうするわ」
樹は四人の背中を見送りながら、小さく頷いた。