9話 尊敬する先輩方
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夜になって、二人はルミが帰ってくると同時にいちごとルミの部屋を訪れ、タルトと共に歓迎された。ベッドに座って食べていると、いちごがおもむろに今日あったことを話しはじめた。美和が言っていた、Bグループの四人に森に誘われた話だ。案の定引っ掛けられて、無駄に広大な森の中で置き去りにされたというので「それは向こうが悪いが時期外れのくるみ拾いにのこのこついていくいちごもいちごだ」と樹は意見したが、その次の展開は予想外だった。
「えーっ!?」
夜中に三人の叫び声が響き渡る。
「天王寺会長の部屋に行った!?」
二人よりも一回り大きな声を上げたルミが目を丸くして続けた。
「それがすごい部屋でねっ!」
樹は興奮して語りを続けようとするいちごの額にとっさに手を当てた。
「いちご、熱でもあるんじゃないの」
「なによ!信じてくれないの?」
「だって、天王寺会長の部屋なんて・・・」
かなこも半信半疑といった様子で首を傾げる。人物が人物なのだ。
「コンクール片っ端から優勝しまくってる天才少女!あの人の作るスイーツをプロが見学しに来たこともあるんやで!?」
天王寺伝説は学園中に轟いている。ルミは説明口調でまくしたて、
「天王寺さんのスフレ・・・。ふわっさくっとして、しゅっと口の中で溶けちゃって・・・おいしかったなあ・・・」
恍惚とした様子のいちごに、三人は思わず絶句した。全員が見たこともない顔をして固まるので、いちごは戸惑った。
「・・・どうしたの?」
「あんた!天王寺会長のスフレ食べたんか!?」
「うん!」
「・・・じゃあこのタルトは没収ね」
「ええっ!?ひどいよ、樹ちゃん!」
「だって、いちごちゃんばっかりずるい!私頑張ったのに!」
わあわあ言いながら、結局いちごはタルトを死守した。死守したあげく、誰よりも早く食べ終わる。ルミはその様子を見ながら呟いた。
「天王寺会長、やっぱあんたに興味あるんかなあ・・・」
「えっ?」
「会長は、アンリ先生に特別かわいがられてた、いわば愛弟子やで!それやのに、いちごちゃんがアンリ先生にスカウトされてやってきて、そら気になるわな!」
彼女はバックに控えているアンリ先生の存在も濃厚で、そのせいで樹たちはいちごのこともこういう存在かもと思っていたのだ。
「まさか!あたしみたいなへたっぴ・・・。天王寺さんは親切で助けてくれただけだよ」
「そうかなあ・・・」
かなこは突然思い出し、そういえばと話を遮った。
「天王寺会長、今年のケーキグランプリにエントリーしたんだって!」
「ケーキグランプリって・・・」
「聖マリー最大のイベント!優勝すればパリに留学できるんや!」
的を射ていない様子のいちごに、ルミは説明する。
「・・・あ、パリ!」
「今まで参加したことのなかった天王寺会長がエントリーしたんは・・・」
「アンリ先生のいるパリに行くため!」
「そういうことやろな」
「わあーっ!いいなあ!あたしも高校生になったらエントリーしたいなあ!」
「いちごちゃん、中学生もエントリーできるんだよ」
「うそっ!」
樹はみんなが盛り上がっている中でバニラがクッキーを取りたがっているのに気づいてこっそり与える。
「高校生と中学生じゃめちゃめちゃレベル違うじゃない!」
「不利かもしれないけど、可能性はあるんじゃないかな。スイーツ王子だって、去年中等部で唯一三回戦にいったんだから!」
かなこはスイーツ王子の話になるとテンションが高い。
「中等部が初戦突破ってだけでも前代未聞だったのに!すごいよね!」
「もっとも、オジョーとさえ組まなければ、もっと上いけたかもなあ・・・」
「オジョーさんって私この前花房君に聞いたわよ。樫野の天敵だって」
樹は思い出して言う。
「あー、そうそう!一個上の先輩で・・・あー!樫野の前でこの名前口に出したらあかんねんで!禁句や禁句!」
「えっ、うん・・・」
いちごはとりあえず頷いておいた。
「えーっ!?」
夜中に三人の叫び声が響き渡る。
「天王寺会長の部屋に行った!?」
二人よりも一回り大きな声を上げたルミが目を丸くして続けた。
「それがすごい部屋でねっ!」
樹は興奮して語りを続けようとするいちごの額にとっさに手を当てた。
「いちご、熱でもあるんじゃないの」
「なによ!信じてくれないの?」
「だって、天王寺会長の部屋なんて・・・」
かなこも半信半疑といった様子で首を傾げる。人物が人物なのだ。
「コンクール片っ端から優勝しまくってる天才少女!あの人の作るスイーツをプロが見学しに来たこともあるんやで!?」
天王寺伝説は学園中に轟いている。ルミは説明口調でまくしたて、
「天王寺さんのスフレ・・・。ふわっさくっとして、しゅっと口の中で溶けちゃって・・・おいしかったなあ・・・」
恍惚とした様子のいちごに、三人は思わず絶句した。全員が見たこともない顔をして固まるので、いちごは戸惑った。
「・・・どうしたの?」
「あんた!天王寺会長のスフレ食べたんか!?」
「うん!」
「・・・じゃあこのタルトは没収ね」
「ええっ!?ひどいよ、樹ちゃん!」
「だって、いちごちゃんばっかりずるい!私頑張ったのに!」
わあわあ言いながら、結局いちごはタルトを死守した。死守したあげく、誰よりも早く食べ終わる。ルミはその様子を見ながら呟いた。
「天王寺会長、やっぱあんたに興味あるんかなあ・・・」
「えっ?」
「会長は、アンリ先生に特別かわいがられてた、いわば愛弟子やで!それやのに、いちごちゃんがアンリ先生にスカウトされてやってきて、そら気になるわな!」
彼女はバックに控えているアンリ先生の存在も濃厚で、そのせいで樹たちはいちごのこともこういう存在かもと思っていたのだ。
「まさか!あたしみたいなへたっぴ・・・。天王寺さんは親切で助けてくれただけだよ」
「そうかなあ・・・」
かなこは突然思い出し、そういえばと話を遮った。
「天王寺会長、今年のケーキグランプリにエントリーしたんだって!」
「ケーキグランプリって・・・」
「聖マリー最大のイベント!優勝すればパリに留学できるんや!」
的を射ていない様子のいちごに、ルミは説明する。
「・・・あ、パリ!」
「今まで参加したことのなかった天王寺会長がエントリーしたんは・・・」
「アンリ先生のいるパリに行くため!」
「そういうことやろな」
「わあーっ!いいなあ!あたしも高校生になったらエントリーしたいなあ!」
「いちごちゃん、中学生もエントリーできるんだよ」
「うそっ!」
樹はみんなが盛り上がっている中でバニラがクッキーを取りたがっているのに気づいてこっそり与える。
「高校生と中学生じゃめちゃめちゃレベル違うじゃない!」
「不利かもしれないけど、可能性はあるんじゃないかな。スイーツ王子だって、去年中等部で唯一三回戦にいったんだから!」
かなこはスイーツ王子の話になるとテンションが高い。
「中等部が初戦突破ってだけでも前代未聞だったのに!すごいよね!」
「もっとも、オジョーとさえ組まなければ、もっと上いけたかもなあ・・・」
「オジョーさんって私この前花房君に聞いたわよ。樫野の天敵だって」
樹は思い出して言う。
「あー、そうそう!一個上の先輩で・・・あー!樫野の前でこの名前口に出したらあかんねんで!禁句や禁句!」
「えっ、うん・・・」
いちごはとりあえず頷いておいた。