34話 心に浮かぶのは
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「いちご!朝!朝食!」
一夜明け、さっそく当番のはずのいちごは案の定そんなことは忘れており、樹に怒鳴られてベッドを飛び出した。
普段同室のルミは、面倒見は良いもののなんだかんだでぬるい。というのが樹の思うところだ。このルームシェアを機に少しでもいちごの生活習慣を改善しようと企んでいた。
「樹ちゃんは、いちごちゃんのことになると特に樫野がもう一人って感じになるよね」
「本当にやめなさいよそういう言い方」
樹は苦々しい顔をしながらも、昨日手に入れた材料の残りを集めた樫野が言葉厳しくいちごに押し付けるのを見ているとぐうの音も出ない。
(でもまあ、こういうのだったら普通に言い返せてるわね)
昨日、樹は寝床で花房の行動を分析していた。
きっと彼は留学のテンションで浮かれて、からかい方が過激になっている。
それか、こちらを翻弄することで前に弱みを見せたことをうやむやにしようとしている。
(とにかく、煙に巻かれないようにしないと・・・落ち着きなさいよ、ちょっと前までは何言われても聞き流せたじゃない)
樹が悶々としているのをよそに、まだ頭が回っておらずあたふたしている様子のいちごに、スピリッツ達が明るくサポートを申し出ていた。
「いちご、バニラも手伝うよ!」
「僕はカフェオレ入れますね」
いちごは卵が入ったボウルと共にキッチンに押しやられてしばらく頭を悩ませたが、結局フレンチトーストを作ることにしたらしい。一度慣れた手つきでオーブンを予熱しにやってきて、しばらくキッチンに引っ込むと、また戻ってきた。オーブン皿に、卵に浸したパンがぎっしり乗せてある。
「あれっ?おかしいなあ・・・」
いちごはオーブンを覗き込んで固まった。
「どうしたの、いちごちゃん?」
「このオーブン、全然熱くなってない・・・」
「ここのは華氏表記だからそれで間違えたんじゃないかしら。360度くらいで上手くいくと思うけれど」
樹はいちごの隣にかがみ込んで調節ねじを回し、温度が上がるのを待ったが、全くその気配がない。一向に進まないので、ショコラが果敢にも中に飛び込んだ。
「・・・これ、壊れてますわ」
「えーっ!?」
ショコラの言葉に、一同は大声を上げる。
「フレンチトースト、いっぱい作ったのに・・・!」
「面倒だけど、これはホットプレートで焼こうか」
「はーい・・・」
一夜明け、さっそく当番のはずのいちごは案の定そんなことは忘れており、樹に怒鳴られてベッドを飛び出した。
普段同室のルミは、面倒見は良いもののなんだかんだでぬるい。というのが樹の思うところだ。このルームシェアを機に少しでもいちごの生活習慣を改善しようと企んでいた。
「樹ちゃんは、いちごちゃんのことになると特に樫野がもう一人って感じになるよね」
「本当にやめなさいよそういう言い方」
樹は苦々しい顔をしながらも、昨日手に入れた材料の残りを集めた樫野が言葉厳しくいちごに押し付けるのを見ているとぐうの音も出ない。
(でもまあ、こういうのだったら普通に言い返せてるわね)
昨日、樹は寝床で花房の行動を分析していた。
きっと彼は留学のテンションで浮かれて、からかい方が過激になっている。
それか、こちらを翻弄することで前に弱みを見せたことをうやむやにしようとしている。
(とにかく、煙に巻かれないようにしないと・・・落ち着きなさいよ、ちょっと前までは何言われても聞き流せたじゃない)
樹が悶々としているのをよそに、まだ頭が回っておらずあたふたしている様子のいちごに、スピリッツ達が明るくサポートを申し出ていた。
「いちご、バニラも手伝うよ!」
「僕はカフェオレ入れますね」
いちごは卵が入ったボウルと共にキッチンに押しやられてしばらく頭を悩ませたが、結局フレンチトーストを作ることにしたらしい。一度慣れた手つきでオーブンを予熱しにやってきて、しばらくキッチンに引っ込むと、また戻ってきた。オーブン皿に、卵に浸したパンがぎっしり乗せてある。
「あれっ?おかしいなあ・・・」
いちごはオーブンを覗き込んで固まった。
「どうしたの、いちごちゃん?」
「このオーブン、全然熱くなってない・・・」
「ここのは華氏表記だからそれで間違えたんじゃないかしら。360度くらいで上手くいくと思うけれど」
樹はいちごの隣にかがみ込んで調節ねじを回し、温度が上がるのを待ったが、全くその気配がない。一向に進まないので、ショコラが果敢にも中に飛び込んだ。
「・・・これ、壊れてますわ」
「えーっ!?」
ショコラの言葉に、一同は大声を上げる。
「フレンチトースト、いっぱい作ったのに・・・!」
「面倒だけど、これはホットプレートで焼こうか」
「はーい・・・」