31話 夢への飛翔
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少々休憩時間を設けた後に始まった授賞式では天王寺にトロフィーが手渡され、アンリ先生が総評を行った。
「チーム天王寺の諸君、優勝おめでとう。独創性をもっと磨けば、強敵も多いですがパリで行われる世界ケーキグランプリで十分優勝を狙えると思います」
天王寺たちはその言葉に勇ましく頷いた。
「敗れたとはいえ、チームいちごの健闘には驚きました。とても中等部のレベルではなかったと思います」
その言葉に三人が嬉しそうにする中、樫野はひとり喜べずにうつむく。
「樫野、恥じることはありません。顔を上げなさい」
アンリ先生はそんな樫野にこう述べた。
「もし君が制限時間内に完成させていたなら、私は留衣より高得点をつくていましたよ」
「なっ・・・」
海堂がその言葉に微妙な表情を見せる。彼も洗練された技術を持っているとはいえ、樫野のチョコレートに対する執念には及ばないところがあったらしい。
「いちご、君のプチガトーにはもっと驚かされました。技術はまだまだですが、三つのプチガトーの一つ一つに君の想いが込められており、食べた者を笑顔にさせる素晴らしい才能を感じました」
「ア、アンリ先生・・・」
いちごはずっと聞きたかったその言葉に感極まってまた泣き出しそうな顔をした。
「先ほど、パリ本校の理事長に承諾をいただいたのですが・・・聖マリー学園日本校のレベルの高さを認め、チームいちごも日本代表のBチームとして世界ケーキグランプリに招待します」
「ええーっ!?」
「俺達もパリに行けるんですか!?」
ここにきて、アンリ先生の爆弾発言に四人はグランプリの達成感や余韻も吹き飛んで目を丸くした。
「ええ、そうですよ」
「やったーっ!!」
四人は手をとり合って喜ぶ。腹の底から祝福する機会を得たルミ達女子グループは観客席を飛び出していちごの元に殺到した。
樹は一瞬だけ止まったが、すぐに彼女達の後を追った。
「みんな、おめでとう!」
「よっしゃあ、みんなで胴上げや!」
女子全員、実習で鍛えた腕でいちごを胴上げする。少しあたふたしたいちごも声をあげて笑っている様子に、先生達も可笑しそうに笑みを漏らした。
「ありがとうみんな!」
「パリでも頑張ってや、いちごちゃん!」
地面に下ろされたいちごはにこにこと次々に投げかけられるルミ達の言葉に応える。その様子を微笑ましげに眺めていた樹の肩に、誰かが手をおいた。
「・・・樹ちゃん」
「花房君・・・変な顔」
なんだか素直に喜べないでいる様子の花房を見ると、樹は少し困り顔になってしまったが、一度ゆっくりと目を伏せると笑顔で向き直った。
「聞いて、私の夢の話!」
———私も見つけたよ。
「チーム天王寺の諸君、優勝おめでとう。独創性をもっと磨けば、強敵も多いですがパリで行われる世界ケーキグランプリで十分優勝を狙えると思います」
天王寺たちはその言葉に勇ましく頷いた。
「敗れたとはいえ、チームいちごの健闘には驚きました。とても中等部のレベルではなかったと思います」
その言葉に三人が嬉しそうにする中、樫野はひとり喜べずにうつむく。
「樫野、恥じることはありません。顔を上げなさい」
アンリ先生はそんな樫野にこう述べた。
「もし君が制限時間内に完成させていたなら、私は留衣より高得点をつくていましたよ」
「なっ・・・」
海堂がその言葉に微妙な表情を見せる。彼も洗練された技術を持っているとはいえ、樫野のチョコレートに対する執念には及ばないところがあったらしい。
「いちご、君のプチガトーにはもっと驚かされました。技術はまだまだですが、三つのプチガトーの一つ一つに君の想いが込められており、食べた者を笑顔にさせる素晴らしい才能を感じました」
「ア、アンリ先生・・・」
いちごはずっと聞きたかったその言葉に感極まってまた泣き出しそうな顔をした。
「先ほど、パリ本校の理事長に承諾をいただいたのですが・・・聖マリー学園日本校のレベルの高さを認め、チームいちごも日本代表のBチームとして世界ケーキグランプリに招待します」
「ええーっ!?」
「俺達もパリに行けるんですか!?」
ここにきて、アンリ先生の爆弾発言に四人はグランプリの達成感や余韻も吹き飛んで目を丸くした。
「ええ、そうですよ」
「やったーっ!!」
四人は手をとり合って喜ぶ。腹の底から祝福する機会を得たルミ達女子グループは観客席を飛び出していちごの元に殺到した。
樹は一瞬だけ止まったが、すぐに彼女達の後を追った。
「みんな、おめでとう!」
「よっしゃあ、みんなで胴上げや!」
女子全員、実習で鍛えた腕でいちごを胴上げする。少しあたふたしたいちごも声をあげて笑っている様子に、先生達も可笑しそうに笑みを漏らした。
「ありがとうみんな!」
「パリでも頑張ってや、いちごちゃん!」
地面に下ろされたいちごはにこにこと次々に投げかけられるルミ達の言葉に応える。その様子を微笑ましげに眺めていた樹の肩に、誰かが手をおいた。
「・・・樹ちゃん」
「花房君・・・変な顔」
なんだか素直に喜べないでいる様子の花房を見ると、樹は少し困り顔になってしまったが、一度ゆっくりと目を伏せると笑顔で向き直った。
「聞いて、私の夢の話!」
———私も見つけたよ。