29話 決戦前夜!
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窓の外がすっかり暗くなった頃に、チームいちごの四人はやっと練習を終えて息を吐いた。そういえば夕方を過ぎてもオーブンからスピリッツたちが出てこないので、きっと邪魔をåしないように中で待っていたのだろう。
「みんなー!ごめんね、もう出てきていいよー!」
いちごはオーブンに向かって声をあげたが、反応がない。
「あれ?バニラ達、夕方には戻るって言ってたよね?」
「どうしたんだろう・・・心配だな」
「そうだね・・・」
花房は自分のパートナーのことを心配しながらも、ふと違和感を覚えて窓の外とドアの方向を見比べた。
「・・・樹ちゃんも、どうしたんだろう」
「そうだよね、東堂さんも、ここ最近来てないし気になるな」
「来てたよ、毎日」
「え?そうだったの?」
「窓の外から、ちらっと見に来てた。何も言わないで行っちゃうんだけど」
「おまえ、よく見てんな」
樫野は感心したような、呆れたような声をあげた。その反応に、花房は少しだけ照れくさそうに目を伏せた。
「樹ちゃんのことだから、最後の日くらい声をかけに来るんじゃないかと思ってたけど・・・何かあったのかな。ちょっと、探しに———」
「あっ、天王寺さん!」
花房が言いかけたところで、窓の外に現れた天王寺に気づいたいちごが声をあげた。
天王寺なら何か知っているかもしれないと、スピリッツが帰ってこない旨を伝えると、ハニーが「スイーツ王国で試験は行われていない」と告げた。
「・・・じゃあ、僕たちに嘘をついて出て行ったってこと?」
「カ、カフェ君達がそんなこと・・・」
「いや、このところ俺達特訓にかかりきりであいつらに構ってなかったからな・・・もしかしたら・・・」
「みんなで家出しちゃったとか・・・?」
不吉なことを言う樫野に続いて、いちごが恐る恐る言った途端、オーブンが光を放ちはじめた。
「こらー!誰が家出ですってー!?」
バニラがオーブンから勢い良く飛び出していちごの鼻先に体当たりした。ショコラ達もそれに続いて行く中で、樹はオーブンから出るなり変身が解けた勢いで近くに居た人物を物凄い力で押し倒した。
「いったー・・・」
「樹ちゃん・・・!?」
「!?」
目と鼻の先に花房の顔があった。樹は声にならない声をあげると、今ある全ての瞬発力を利用して飛び退いた。
背後でスピリッツ達が話している。
「家出とは人聞きが悪いですー!」
「ハニー様、私たちのパートナーがご迷惑をかけて申し訳ありませんですわ!」
「ちょっと・・・みんなどうしてこんな時間まで・・・」
「列車が遅れたのよー・・・」
「花房、死んでねえか?」
樫野が、何の気無しといった感じで地面に尻をついたままの花房に話しかけた。
「ああ・・・大丈夫」
「まったく、立つ場所には気をつけなさいよね。こんなことで人ひとり殺してしまったら寝覚めが悪すぎるわ」
「とんでもねえ言いがかり・・・」
「うるさいわね!」
「ていうか何でお前まで行ってたんだよ・・・」
「樹は僕たちと一緒にこれを作っていたんだよ!」
状況が落ち着いてきたところで、カフェが小さな紙箱にフォークでスイーツマジックをかけた。
その瞬間、調理台に見事な皿が四つ現れた。ガトーショコラにアイスクリーム、プリンに紅茶、スコーンのセットメニューだ。
「みんなー!ごめんね、もう出てきていいよー!」
いちごはオーブンに向かって声をあげたが、反応がない。
「あれ?バニラ達、夕方には戻るって言ってたよね?」
「どうしたんだろう・・・心配だな」
「そうだね・・・」
花房は自分のパートナーのことを心配しながらも、ふと違和感を覚えて窓の外とドアの方向を見比べた。
「・・・樹ちゃんも、どうしたんだろう」
「そうだよね、東堂さんも、ここ最近来てないし気になるな」
「来てたよ、毎日」
「え?そうだったの?」
「窓の外から、ちらっと見に来てた。何も言わないで行っちゃうんだけど」
「おまえ、よく見てんな」
樫野は感心したような、呆れたような声をあげた。その反応に、花房は少しだけ照れくさそうに目を伏せた。
「樹ちゃんのことだから、最後の日くらい声をかけに来るんじゃないかと思ってたけど・・・何かあったのかな。ちょっと、探しに———」
「あっ、天王寺さん!」
花房が言いかけたところで、窓の外に現れた天王寺に気づいたいちごが声をあげた。
天王寺なら何か知っているかもしれないと、スピリッツが帰ってこない旨を伝えると、ハニーが「スイーツ王国で試験は行われていない」と告げた。
「・・・じゃあ、僕たちに嘘をついて出て行ったってこと?」
「カ、カフェ君達がそんなこと・・・」
「いや、このところ俺達特訓にかかりきりであいつらに構ってなかったからな・・・もしかしたら・・・」
「みんなで家出しちゃったとか・・・?」
不吉なことを言う樫野に続いて、いちごが恐る恐る言った途端、オーブンが光を放ちはじめた。
「こらー!誰が家出ですってー!?」
バニラがオーブンから勢い良く飛び出していちごの鼻先に体当たりした。ショコラ達もそれに続いて行く中で、樹はオーブンから出るなり変身が解けた勢いで近くに居た人物を物凄い力で押し倒した。
「いったー・・・」
「樹ちゃん・・・!?」
「!?」
目と鼻の先に花房の顔があった。樹は声にならない声をあげると、今ある全ての瞬発力を利用して飛び退いた。
背後でスピリッツ達が話している。
「家出とは人聞きが悪いですー!」
「ハニー様、私たちのパートナーがご迷惑をかけて申し訳ありませんですわ!」
「ちょっと・・・みんなどうしてこんな時間まで・・・」
「列車が遅れたのよー・・・」
「花房、死んでねえか?」
樫野が、何の気無しといった感じで地面に尻をついたままの花房に話しかけた。
「ああ・・・大丈夫」
「まったく、立つ場所には気をつけなさいよね。こんなことで人ひとり殺してしまったら寝覚めが悪すぎるわ」
「とんでもねえ言いがかり・・・」
「うるさいわね!」
「ていうか何でお前まで行ってたんだよ・・・」
「樹は僕たちと一緒にこれを作っていたんだよ!」
状況が落ち着いてきたところで、カフェが小さな紙箱にフォークでスイーツマジックをかけた。
その瞬間、調理台に見事な皿が四つ現れた。ガトーショコラにアイスクリーム、プリンに紅茶、スコーンのセットメニューだ。