29話 決戦前夜!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
気がつけば、グランプリの決勝まであと二日というところまできていた。
クラスの皆の話題もそこのことでもちきりで、かなこ達に至っては自分のことのように緊張が止まらないでいた。
「どうしよう・・・もう明後日だなんて!」
「かな、安堂君に声かけてきなよー!」
「ちょっと!・・・無理だよー、いちごちゃんにすら声かけづらいのに・・・」
「東堂さん、一緒に行ってあげたら?」
「私だって声かけづらいもの」
「えーっ!?東堂さんが!?」
「だって、私シャイな女の子なんだもの」
「どの口が言うねん!」
女子五人、けらけらと笑いながら歩く。樹もすっかりクラスの女子に馴染んでいた。
「そういえば前から気になってたんだけど、東堂さん、スイーツ王子の中に誰か好きな人いないのー?」
ミキが唐突に話を振る。
樹は一瞬ぎくりとしてしまったが、慎重に口だけを動かした。
「いないわよ」
「でも、あれだけ距離が近いんだから、東堂さんだったら誰も勝ち目ないよ。ね、かな?」
「うん・・・」
「かな、私べつに安堂君のことそんな目で見てないから」
樹は自信が無さそうに目を伏せたかなこに少々慌てながら言った。
「私に色恋の質問をしても無駄よ。いちごにきいた方がいいんじゃない?」
「えー・・・だっていちごちゃんは・・・」
「色気より食い気ってかんじやもんな!」
ルミの言葉にみんな笑ったが、樹の脳裏に樫野のことでからかわれて取り乱したいちごの様子が浮かんだ。
「あー・・・どうかしら」
「えっ何?なんか知っとるんか、樹ちゃん!?」
「いちごちゃん、誰か好きなの?」
「さあ・・・分からないわ」
「お?お?」
四人は色めき立つ。樹は何となく扱い方が分かってきた。
「あっ、知り合いがいるわ。抜けるわね、じゃあ」
「ちょっと、東堂さん!」
「詳しく!」
樹は軽やかに東屋の方に逃走した。まあしかし、知り合いがいたというのはあながち間違いではなかった。バニラ達がまた調理室を見守りながらぷかぷかと浮かんでいたのだ。
「明日は最終日ですー。やっぱりキャラメル何かしたいですー!」
「とは言ってもあの様子じゃ声もかけられないよ」
「あっ、樹が来ましたわ!」
「来たわよ」
樹は軽く手を挙げると東屋のベンチに座った。ここで、いちご達と何回も話した。花房とお茶を飲んだこともあった。スピリッツ達はテーブルの上に降り立つ。
「正直・・・暇だわ」
「そうよね・・・バニラ達もそういう話をしてたところ・・・」
「樹みたいな怠惰な言い方はしていませんわ!」
「樹も一緒に考えるですー!キャラメル達で四人を応援するですー!」
前にもこうやってスピリッツ達と協力したことがあったなと思い返し、樹は飴屋先生に扮した自分を思い出した。スピリッツの言うなりになったらまた妙なことをさせられる気がする。
「そうね・・・どうせ夜まで練習するでしょうし、練習後に壮行会みたいなものを開いてもいいんじゃないかしら。朝から用意すれば問題ないわ」
「壮行会・・・いいんじゃない?」
「ソウコカイってなんですかー?」
「勝負に出たりする人を励まして送る会のことよ。バニラも大賛成!」
「それならキャラメルも賛成ですー!」
「みんなでとっておきのスイーツを作りますわよ!」
スピリッツ達は乗り気になったようだった。
「僕たちがこっそりスイーツを作るとなると、一度スイーツ王国に帰らないと・・・」
「場所がありませんものね」
「どうしようかしら、びっくりさせたいし、誤摩化して行かないと・・・」
「キャラメル達はともかく・・・樹のことはどうやって言えば・・・」
キャラメルが首をひねり出したのを見て、樹は少し嫌な予感がした。
クラスの皆の話題もそこのことでもちきりで、かなこ達に至っては自分のことのように緊張が止まらないでいた。
「どうしよう・・・もう明後日だなんて!」
「かな、安堂君に声かけてきなよー!」
「ちょっと!・・・無理だよー、いちごちゃんにすら声かけづらいのに・・・」
「東堂さん、一緒に行ってあげたら?」
「私だって声かけづらいもの」
「えーっ!?東堂さんが!?」
「だって、私シャイな女の子なんだもの」
「どの口が言うねん!」
女子五人、けらけらと笑いながら歩く。樹もすっかりクラスの女子に馴染んでいた。
「そういえば前から気になってたんだけど、東堂さん、スイーツ王子の中に誰か好きな人いないのー?」
ミキが唐突に話を振る。
樹は一瞬ぎくりとしてしまったが、慎重に口だけを動かした。
「いないわよ」
「でも、あれだけ距離が近いんだから、東堂さんだったら誰も勝ち目ないよ。ね、かな?」
「うん・・・」
「かな、私べつに安堂君のことそんな目で見てないから」
樹は自信が無さそうに目を伏せたかなこに少々慌てながら言った。
「私に色恋の質問をしても無駄よ。いちごにきいた方がいいんじゃない?」
「えー・・・だっていちごちゃんは・・・」
「色気より食い気ってかんじやもんな!」
ルミの言葉にみんな笑ったが、樹の脳裏に樫野のことでからかわれて取り乱したいちごの様子が浮かんだ。
「あー・・・どうかしら」
「えっ何?なんか知っとるんか、樹ちゃん!?」
「いちごちゃん、誰か好きなの?」
「さあ・・・分からないわ」
「お?お?」
四人は色めき立つ。樹は何となく扱い方が分かってきた。
「あっ、知り合いがいるわ。抜けるわね、じゃあ」
「ちょっと、東堂さん!」
「詳しく!」
樹は軽やかに東屋の方に逃走した。まあしかし、知り合いがいたというのはあながち間違いではなかった。バニラ達がまた調理室を見守りながらぷかぷかと浮かんでいたのだ。
「明日は最終日ですー。やっぱりキャラメル何かしたいですー!」
「とは言ってもあの様子じゃ声もかけられないよ」
「あっ、樹が来ましたわ!」
「来たわよ」
樹は軽く手を挙げると東屋のベンチに座った。ここで、いちご達と何回も話した。花房とお茶を飲んだこともあった。スピリッツ達はテーブルの上に降り立つ。
「正直・・・暇だわ」
「そうよね・・・バニラ達もそういう話をしてたところ・・・」
「樹みたいな怠惰な言い方はしていませんわ!」
「樹も一緒に考えるですー!キャラメル達で四人を応援するですー!」
前にもこうやってスピリッツ達と協力したことがあったなと思い返し、樹は飴屋先生に扮した自分を思い出した。スピリッツの言うなりになったらまた妙なことをさせられる気がする。
「そうね・・・どうせ夜まで練習するでしょうし、練習後に壮行会みたいなものを開いてもいいんじゃないかしら。朝から用意すれば問題ないわ」
「壮行会・・・いいんじゃない?」
「ソウコカイってなんですかー?」
「勝負に出たりする人を励まして送る会のことよ。バニラも大賛成!」
「それならキャラメルも賛成ですー!」
「みんなでとっておきのスイーツを作りますわよ!」
スピリッツ達は乗り気になったようだった。
「僕たちがこっそりスイーツを作るとなると、一度スイーツ王国に帰らないと・・・」
「場所がありませんものね」
「どうしようかしら、びっくりさせたいし、誤摩化して行かないと・・・」
「キャラメル達はともかく・・・樹のことはどうやって言えば・・・」
キャラメルが首をひねり出したのを見て、樹は少し嫌な予感がした。