29話 決戦前夜!
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ケーキグランプリ決勝のテーマと課題は、前までのように試合数日前に告知するのではなく共に当日発表となることが決定した。それからというもの、チームいちごは高等部の教科書を取り寄せてより高度な練習に励んでいる。
クラスメイト達は彼らを応援するために情報を集めて、天王寺達の戦績をまとめた小冊子を手渡してくれた。データの監修はあの鮎川が中心にやっていたらしい。プレッシャーは増すが、いちご達には鮎川の気持ちが嬉しかった。
授業中、隣の席でうとうとしているいちごをシャープペンシルの頭でつつきながら、樹は英語の教科書の下にこっそりと忍ばせた高等部の製菓技術書に目を走らせていた。
樹はこのところ、置いていかれそうで正直焦っている。
彼らよりも努力をしていないだなんて、思っていない。そのあたりの自負はある。
でも、同じように努力をしていても、どこか自分は彼らとは違う道を歩いている。グランプリのことだってそうだし、自分の夢のことだってそうだ。
自分で決めた道なのに、なぜか堂々としていられない。
そんな自分が、少し嫌いだ。
放課後の調理室の集まりからも、樹は足が遠のいていた。
庭の側からこっそり調理室を覗いていると、同じことをしているショコラ達と目が合った。
「あなたもですの?」
「まあ・・・」
「みんな真剣ですー。話しかけても答えてくれないですー」
「こういう感じ、初めてだね・・・ピンと空気が張りつめてる」
「気持ちは分かるけど、少し心配ね・・・」
スピリッツ達は口々に語った。
「・・・なんか場違いなのよね。私、当事者じゃないから緊張感についていけなくて」
「樹だったら当事者でも緊張しなさそうですー」
「ま、安堂君は確実に緊張してるわね。ちゃんと寝てなさそうじゃない」
樹は眼の下に隈をつくった彼の表情をちらりと見て言う。
「実はそうなんですー、朝まで机で寝てて顔にメガネのあとがついてたんですー!」
キャラメルが言うと、ショコラもカフェもこの話題に飛びついた。
「樫野も朝寝坊して遅刻しそうになりましたのよ!こんなこと初めてですわ!」
「五月は今朝の身支度に一時間しかかけなくてさ・・・短すぎだよ!」
「あなた達のところの空間って、時の流れが緩やかでいいわね」
樹とスピリッツ達は、これ以上特訓を見守っていてもどうしようもなく、移動する。
「はあ・・・キャラメル達も何か役に立ちたいですー・・・ストレスたまるですー」
「こうなると、私たちには何もできませんわね・・・」
樹は彼らに並んで途方に暮れるのだった。
クラスメイト達は彼らを応援するために情報を集めて、天王寺達の戦績をまとめた小冊子を手渡してくれた。データの監修はあの鮎川が中心にやっていたらしい。プレッシャーは増すが、いちご達には鮎川の気持ちが嬉しかった。
授業中、隣の席でうとうとしているいちごをシャープペンシルの頭でつつきながら、樹は英語の教科書の下にこっそりと忍ばせた高等部の製菓技術書に目を走らせていた。
樹はこのところ、置いていかれそうで正直焦っている。
彼らよりも努力をしていないだなんて、思っていない。そのあたりの自負はある。
でも、同じように努力をしていても、どこか自分は彼らとは違う道を歩いている。グランプリのことだってそうだし、自分の夢のことだってそうだ。
自分で決めた道なのに、なぜか堂々としていられない。
そんな自分が、少し嫌いだ。
放課後の調理室の集まりからも、樹は足が遠のいていた。
庭の側からこっそり調理室を覗いていると、同じことをしているショコラ達と目が合った。
「あなたもですの?」
「まあ・・・」
「みんな真剣ですー。話しかけても答えてくれないですー」
「こういう感じ、初めてだね・・・ピンと空気が張りつめてる」
「気持ちは分かるけど、少し心配ね・・・」
スピリッツ達は口々に語った。
「・・・なんか場違いなのよね。私、当事者じゃないから緊張感についていけなくて」
「樹だったら当事者でも緊張しなさそうですー」
「ま、安堂君は確実に緊張してるわね。ちゃんと寝てなさそうじゃない」
樹は眼の下に隈をつくった彼の表情をちらりと見て言う。
「実はそうなんですー、朝まで机で寝てて顔にメガネのあとがついてたんですー!」
キャラメルが言うと、ショコラもカフェもこの話題に飛びついた。
「樫野も朝寝坊して遅刻しそうになりましたのよ!こんなこと初めてですわ!」
「五月は今朝の身支度に一時間しかかけなくてさ・・・短すぎだよ!」
「あなた達のところの空間って、時の流れが緩やかでいいわね」
樹とスピリッツ達は、これ以上特訓を見守っていてもどうしようもなく、移動する。
「はあ・・・キャラメル達も何か役に立ちたいですー・・・ストレスたまるですー」
「こうなると、私たちには何もできませんわね・・・」
樹は彼らに並んで途方に暮れるのだった。